これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date:  Fri, 13 Oct 2000 00:06:33 +0900
From:  Tamami Kojima <tamamik@arttowermito.or.jp>
Subject:  [atm-info,01053] Press Release "The Picture of Dorian Gray"
To:  atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id:  <20001012150806.21B563722@mail.asahi-net.or.jp>
X-Mail-Count: 01053

▼ATM速報2000年10月12日発-----------------------------

「ヨーロッパの19世紀末において、オスカー・ワイルドほど
その時代の栄光と悲惨を一身に受けた作家はいないであろう。
...中略...
彼が新たに作品を発表するたびに、たくさんの書評が書かれた。
彼を一躍国際的に知らしめた『ドリアン・グレイの肖像』(1891年)
にいたっては、英米両国だけで216本もの書評が出たほどだ。」
(週刊朝日百科18 世界の文学ヨーロッパIIIより)

水戸芸術館開館10周年記念事業
ACM百人劇場シリ−ズ・9/ACM秋季公演
『ドリアン・グレイの肖像』
10月ACM劇場プレスリリースより、概要をお届けいたします。

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小説『ドリアン・グレイの肖像』(1891年)について
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二十章からなる小説。
物語は画家バジル・ホールウォ−ドのアトリエから始まる。
彼は一枚の肖像画を描いた。ドリアン・グレイという美青年の肖像画
である。「自分の代わりに絵が更けてくれるならたとえ魂だってくれ
てやる」とドリアンは告白する。それを知った友人のヘンリ−卿は
ドリアンに魅力を感じ、誘惑する。
「何も知らなかった」美青年ドリアン・グレイはヘンリ−卿の「悪の
華の香り」のような言葉に幻惑され、バジルの描いた自分の肖像画に
よって、決定的に人生と青春の価値を知る。そして、その人生への
好奇心は、彼の属する上流階級とはまったく対照的な世界へ向けられ
る。「罪」がうごめく現実。しかし、彼にとって、それは「美しい罪
の世界」なのである。
それにはドリアンの出生が深く影をおとしていた。
ドリアンの母マ−ガレット・デヴァル−は、文無しで無名な男と駆け
落ちをした。しかし、男は結婚三、四ヶ月の頃、決闘して命を落とす。
マ−ガレットは一年後に死に、ドリアンは祖父ケルソ−に育てられる。
そして最初に出会ったのが場末の劇場で見た女優シビル・ヴェイン。
彼は彼女に恋をする。だが、それが錯覚であり、たんなる好奇への
結晶にすぎないと思ってしまう。やがてシビルは自殺し、ドリアンは
さまざまな「罪」をおかしていく。彼にとって「罪」は人生の経験に
ほかならないからだ。
そして残された「罪」は殺人だけになる。ドリアンはバジル・ホール
ウォードを殺害する。しかし、それによって彼は新しい恐怖、死の
恐怖を知る。シビルの弟ジム・ヴェインが彼の命を狙っていることを
知るからである。ジムが事故で死に、バジルの死体処理を強制された
アラン・キャンベルが自殺すると、ドリアンは初めて心の平安を
味わう。そして、シビルに似た村娘ヘッティと出会う。彼女への愛が、
ドリアンに新しい人生を夢見させるのである。それは、純粋で、罪の
世界を知らない青春の頃の自分に戻ることだった......。

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戯曲『ドリアン・グレイの肖像』について
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この作品は二幕の回想劇である。物語はドリアンがヘンリー卿に
バジルの死体処理を伝えに来るところから始まる。ヘンリーは彼と
初めて会った十八年前へ遡っていく。
「なぜ、こうなってしまったのか」それを知ろうと思い、様々な場面
をヘンリ−は回想していく。「あの時、バジルはなぜあんなことを、
いったのか......。ドリアンは、じっとぼくを見ていた。そうだ、
あの時...しかし、彼は本当にシビルを愛していたのか...そして、
バジルは? ドリアンを母親のように、ぼくを父親のように愛して
くれたのではなかったのか......それなのに、ぼくは、誰を愛した?
......ヴィクトリア? グレイディス? あっ!」
ヘンリ−卿の回想は、やがて肖像画が描かれた謎へ向かう。
これまでに『たけくらべ』(樋口一葉作)、『麦藁帽子』(堀辰雄作)、
『それから』(夏目漱石作)など、数多くの文学作品を脚本化してきた
大貫眞司による。

11月10日(金)〜12月3日(日)までの金・土・日
金・土 19:00時開演、日 16:00開演
一般 3,000円、団体 2,700円(10名様以上)、学生 1,500円
Tel. 029-225-3555
mailto:ticket@arttowermito.or.jp

これまでにお送りした関連情報
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1000/1037.html
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1000/1014.html

http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!--