これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date:  Tue, 27 Mar 2001 22:59:25 +0900
From:  Tamami Kojima <tamamik@arttowermito.or.jp>
Subject:  [atm-info,01160] Gekidan Kara-gumi "Yami no Hidari-te"
To:  atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id:  <20010327140319.4D16A5E92@mail.asahi-net.or.jp>
X-Mail-Count: 01160

▼水戸芸術館ATM速報2001年3月27日発----------------------

劇団唐組<新作>水戸公演『闇の左手』プレスリリ−スより
水戸芸術館ACM劇場芸術監督 松本小四郎

毎年恒例となりました劇団唐組の新作公演を、広場特設紅テントに
おきまして、5月18日、19日、20日の 3日間開催いたします。
劇団唐組の水戸公演は、95年の『裏切りの街』より始まり、今回の
新作『闇の左手』で 9度目の公演となります。

『闇の左手』はアメリカの女性SF作家、ア−シュラ・K・ル・グィン
の同名の小説 (1969年) から着想を得た作品です。この小説では、
極寒の惑星と両性具有人の社会という、SF史上屈指の異世界が構築
されています。他者とのコミュニケ−ションやユ−トピアの探求と
いったテ−マを、光と闇、男と女、生と死、背信と忠誠、左手と
右手といった対立するふたつのもののイメ−ジによって、詩的に
描いたSF小説の傑作として、発表当時大反響を呼びました。

唐十郎は今回の新作のなかで、ル・グィンの小説にあるような対立
するすべてのものが、実は代行され交換可能なものであることを、
流麗なせりふによって語りかけています。そこでは、ウィリアム・
ギブソンの『ニュ−ロマンサ−』 (1984年) までもモチ−フに取り
込まれ、唐独特の想像力を喚起させる劇空間がつくりあげられて
います。唐十郎渾身の新作に、どうぞご期待下さい。

http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1100/1154.html
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劇団唐組新作公演『闇の左手』
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5.18[金]19:00 / 5.19[土]19:00 / 5.20[日]19:00
全席自由  一般 \3,000  団体 \2,700(10名様以上)  学生 \1,500
チケット発売:2001年3日31日(土)
・館エントランスホールチケットカウンター(9:30〜18:00、月曜休)
・館チケット予約センター Tel. 029-225-3555(9:30〜18:00、月曜休)
・ATM速報受信のお客様のご予約は、メールでも承ります。(18:00〜)
mailto:ticket@arttowermito.or.jp
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『闇の左手』解説
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21世紀になっても、唐十郎と唐組は世界中のどこにも存在しない
ユニ−クで不思議な演劇世界を展開し続けている。これは、
よく考えてみれば--よく考えてみなくても--本当に凄いことだ。
主人公田口が解体したアパ−トの部屋には隠された秘密があった。
町も建物も人間も、すべてが取り換え可能なパ−ツに還元され、
義手、義足、義脳、義内臓だらけになってしまっている現代の日本の
中で、そこにはそれとは違う、全く別な種類の物と記憶が織りなす
物語が隠されていたのである。
今回も見どころは盛り沢山である。「人間ミラ−ボ−ル」の「鏡像
段階」から抜け出してきた「魔術師の弟子」―片岡。「過去への
台車」を自在に操る男―坊屋。田口たちの前に立ちふさがる取り違え
の名人−微笑小路(神経魔術師)に率いられた悪の三人組。そして、
自分の左手に語りかけ男物のブリ−フをはく謎の美女ギッチョ。
文明の夜と無意識の闇から現れ出たような彼らの繰り出す代行と
交換の冒険の渦巻きに、見る者はみな巻き込まれていくだろう。
そして、その渦はやがて「あなたの身体の半分に乗り移らして」と
せがむ「闇の左手」となって、テントを出たあなたの肩にからみ
ついてくるかもしれない。
「闇の左手」は根源的に多神教的であり、まるで昆虫類のような
唐十郎の想像力によって産み出された快作である。そして、もしこの
世界に「未来」があるとしたら、それはそうした想像力の中にしか
存在しえないであろう。
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登場人物
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田口
・解体業トラキ屋の使いっぱしり
おばあちゃん
・解体寸前で死に損なった老婆。怨まず田口を守る
坊屋
・ライブハウスの老ボ−イ。過去の台車を使いこなす
片岡魔助
・元スタントマン。今は手品師、微笑小路の弟子
牡蠣谷
・微笑小路の付き人。
・カキヤはギリシャ神話に於けるビョ−キの元凶名
モルグ
・微笑小路の追っかけ。霧に包まれた知識人
微笑小路
・微笑を売り物とするニュ−ロマンサ−(神経魔術師)
ギッチョ
・芹川工場の女性技術師。
・男ものブリ−フを付け、廻り燈籠の下で歌うたう
澄子
・トラキ屋の社長の娘。田口を「タアちゃん」と呼ぶ
合羽姿の窓拭き
・長い合羽袖。のちに川辺という女性であることを告げる
リサコ
・皮手袋の女としてあらわれる。
・ギッチョがいなければ生きられない
老婆
・徘徊症でライブハウスを通り抜ける
八百屋
・その老婆にバナナをとられ追う
魚屋
・アジを追う

http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!---