これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date:  Wed, 25 Apr 2001 19:13:02 +0900
From:  tamamik@arttowermito.or.jp
Subject:  [atm-info,01179] "Yami no Hidari-te" info
To:  atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id:  <49256A39.0037FAE5.00@david.arttowermito.or.jp>
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▼水戸芸術館ATM速報2001年4月25日発----------------------

『闇の左手』速報  演劇部門学芸員・桜井琢郎

劇団唐組の新作『闇の左手』の初日の幕が、大阪で開きました。
ACM劇場が開校している水戸市民演劇学校の昨年度の卒業生で、
この4月に大阪の大学に入学した者から現地リポ−トが届いたので、
以下それを元に、水戸芸術館と大阪の公演の違いなどを速報します。

大阪の会場は扇町公園内にテントが立てられていて、会場の雰囲気は
水戸とかなり違った感じだそうです。
唐組おなじみのラストシ−ンでの "屋台くずし" が、水戸だと芸術館
広場のカスケ−ドを利用した水上演出ですが、大阪はだだっ広いグラ
ウンドが舞台バックに出現して、これはこれでなかなか良く、
荒涼とした雰囲気のなか終演を迎えるそうです。水戸公演オリジナル
演出のカスケ−ドの噴水を利用した感動のラストシ−ンを、唐さんが
今年はどんな感じで料理してくれるのか楽しみにしております。
それと、お客様の感じがかなり違うとのこと。大阪では、観客からの
掛け声がかなり多く(特に唐さん登場のシ−ン)、まるで歌舞伎を
観劇しているようで、わりとざわざわした様子。水戸のお客様も、
結構受けが良いことは唐さんが以前おっしゃっておりましたが、他の
会場よりも仕掛けがひとつ多い分、演者も観客も集中度はかなりの
ものがあります。午後7時の開演の頃からは芸術館周りの交通量が
少なくなり、テント外のしんしんとした静けさとテント内の舞台・
客席から溢れる熱気のコントラストが面白くもあります。

今回の上演台本を読んで感じたことは、これまでの唐作品のなかでも、
かなり分かりやすいタッチで書かれているということです。唐独特の
モチ−フの扱い方や誤読は相変わらず健在ですが、戯曲の背骨となる
物語の展開・構成が本当にシンプルであり、登場人物たちの個性が
明確に生き生きと描かれています。すでに観劇した方からも、
「分かりやすかった」との声を多数いただいております。
『闇の左手』の上演台本は、ACM劇場発行の季刊誌「WALK」の
次号(41号、6月中に発売予定)に掲載します。水戸公演を観劇
された方は、ぜひぜひご一読をお勧めいたします。

劇団唐組より『闇の左手』キャスト表が届きましたので、3月27日の
ATM速報と併せて、観劇の手引きとしてご利用頂けたら幸いです。
3月27日のATM速報のファイル
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1100/1160.html
『闇の左手』ページ
http://www.arttowermito.or.jp/play/yamij.html

田口:稲荷卓央(「ふたりの女」)
坊屋:辻孝彦
片岡魔助:堀本能礼
牡蠣谷:鳥山昌克(「花冠の大陸」「堕天の媚薬」)
モルグ:久保井研(「美貌の流星」「花冠の大陸」「堕天の媚薬」
「ドリアン・グレイの肖像」)
微笑小路:唐十郎
ギッチョ:近藤結宥花
澄子:赤松由美
合羽姿の窓拭き:武田朋恵、真名子美佳、岩間潤子
リサコ:藤井由紀(「ふたりの女」)
老婆:中袴田克秀
八百屋:岩倉弘樹
魚屋:野上大樹
豆腐屋:木下敬志
お茶屋:藤本拓也
浮浪者:石丸朋広
*(    )の作品は、唐組役者陣が客演したACM劇場プロデュ−ス
  作品です。

http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!---