これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

* こちらに掲載中のものは、送信後に修正等の必要が生じた場合は修正等を加えて掲載しています。あらかじめご了承ください。
* 丸ごと全文の転載はご遠慮ください。引用される場合は水戸芸術館公式サイト http://arttowermito.or.jp/ へのリンクをお願いいたします。

お問い合わせは下記よりお願いいたします。
>> お問い合わせフォーム


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Wed, 22 Oct 2003 20:09:52 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,01678] Yoshida Hidekazu Prize for 2003
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49256DC7.003D5466.00@david.arttowermito.or.jp>
X-Mail-Count: 01678

▼水戸芸術館ATM速報2003年10月22日発------------------

優れた芸術評論に賞を贈り、芸術文化振興への寄与を目的とする
第13回吉田秀和賞の受賞作品が、昨日10月21日の最終審査会を
経て、次の通り決まりました。

--------------------------------
岡田 温司『モランディとその時代』(人文書院2003年8月刊)

現代イタリア美術を語るとき、見過ごすわけにはいかない
「孤高の画家」モランディのモノグラフ。画家の死後刊行された、
これまでの「モランディ神話」を覆すモノグラフに依拠しながら、
その書が主張する革新性からある「距離」をおいて、新しい画家像を
再構築することを意図したもの。1910年代以降の次々と勃興してきた
新しい芸術運動(キュビスム、未来主義、アンフォルメル等々)が
画家の芸術をどのように変質させてきたか、さらに同時期、美術史の
分野で進行していたルネサンスやバロックの再評価や再発掘の動きと
画家との関係など、モランディの芸術の変遷の特徴を読みといていく。
手紙や関連文書の扱いも厳格であり、全体の章立てもモノグラフに
ありがちな通史ではなくエピソ−ド中心で読みやすく、論証過程も
説得力に富む。

---------
岡田 温司(おかだ・あつし)
1954年生まれ。京都大学文学部美学美術史学科卒業。
京都大学大学院文学研究科博士課程修了。
現在、京都大学大学院教授。
著書に、『カラヴァッジョ鑑』(編著)、『もうひとつのルネサンス』
(人文書院)、『ルネサンスの美人論』(人文書院)、『ミメ−シス
を超えて』(勁草書房)、訳書に、ロベルト・ロンギ『芸術論叢』
全2巻(監訳、中央公論美術出版)、E.H.ゴンブリッチ『規範と形式』
(共訳、ありな書房)などがある。

------------------
吉田秀和賞について(吉田秀和芸術振興基金により平成2年創設)
名称:吉田秀和賞
対象:音楽・演劇・美術などの各分野で、優れた芸術評論を発表した
      人に対して
正・副賞:正賞 表彰状
          副賞 賞金 200万円
受賞作品:
第 1回(1991年、平成 3年度)
  秋山邦晴「エリック・サティ覚え書き」
  青土社 http://www.seidosha.co.jp/ 1990年6月刊
第 2回(1992年、平成 4年度)
  持田季未子「絵画の思考」
  岩波書店 http://www.iwanami.co.jp/ 1992年4月刊
第 3回(1993年、平成 5年度)
  該当作品なし
第 4回(1994年、平成 6年度)
  渡辺保「昭和の名人 豊竹山城少掾」
  新潮社 http://www.webshincho.com/ 1993年9月刊
第 5回(1995年、平成 7年度)
  松浦寿輝「エッフェル塔試論」
  筑摩書房 http://www.chikumashobo.co.jp/ 1995年6月刊
第 6回(1996年、平成 8年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/0/35.html
  長木誠司「フェッルッチョ・ブゾーニ」
  みすず書房 http://www.msz.co.jp/ 1995年11月刊
第 7回(1997年、平成 9年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/200/256.html
  伊東信宏「バルトーク」
  中央公論社 http://www.chuko.co.jp/ 1997年7月刊
第 8回(1998年、平成10年度)
  該当作品なし
第 9回(1999年、平成11年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/800/800.html
  青柳いづみこ『翼のはえた指  評伝安川加壽子』
  白水社 http://www.hakusuisha.co.jp/ 1999年 6月刊
第10回(2000年、平成12年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1000/1056.html
  小林頼子
『フェルメール論 〜神話解体の試み』
  八坂書房 1998年 8月刊
『フェルメールの世界 17世紀オランダ風俗画家の軌跡』
  日本放送出版協会 http://www.nhk-book.co.jp/ 1999年 10月刊
第11回(2001年、平成13年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1200/1295.html
加藤 幹郎
『映画とは何か』(みすず書房 http://www.msz.co.jp/ 2001年 3月刊)
第12回(2002年、平成14年度)
該当作品なし
第13回(2003年、平成15年度)
岡田温司『モランディとその時代』
(人文書院 http://www.jimbunshoin.co.jp/ 2003年8月刊)

--------------------
吉田秀和芸術振興基金(事務局:水戸芸術館内)
理事会
理事長:吉田光男(財)水戸市芸術振興財団副理事長
理事:  石川六郎 鹿島建設株式会社代表取締役名誉会長
理事:           サントリー株式会社
理事:  村本隆史 朝日新聞東京本社学芸部長
理事:  佐川千鶴 佐川文庫館長
----------
審査委員会
審査委員長:吉田秀和 評論家・水戸芸術館館長
審査委員:  加藤周一 評論家
審査委員:  林 光 作曲家

http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!---