これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Thu, 11 Dec 2003 21:19:08 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,01705] Press Release "Living Together is Easy"
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49256DF9.0043ABE3.00@david.arttowermito.or.jp>
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▼水戸芸術館ATM速報2003年12月11日発------------------

Press Release 2003.11「Living Together is Easy」展

21世紀の幕開けは、それまで世界を維持してきたバランスを崩し、
混沌と憎悪に満ちたものとなりました。
このような状況は、3〜4年前の20世紀後半に人々が描いていた
21世紀像=「他者との共生の時代の到来」とは大きく異なるものです。
経済のグローバリズムに対する期待や失望、異文化や他文化との共存
の困難さ、地球環境の保護と汚染促進、富裕者と貧困者の落差の増大、
絶えない戦争などが国や民族を越えて共存を志向する地球市民の意識
を砕きます。
展覧会タイトルの「Living Together is Easy」は直訳すれば「共生
はたやすい」ですが、この言葉は「たやすくはない」ということも
暗示させます。
現実に目を向ければ、私たちは「共生」がいかに難しいかを容易に
理解するでしょう。
本展では、こうした複雑な状況の中で自己の立つ位置を模索し、
新たな表現を試みている12人のアーティストを紹介します。
いまや多民族国家となったオーストラリアと、単一民族国家という
神話に縛られている日本での「共生」をめぐる相違や共通の視点が、
映像、彫刻、絵、インスタレーション、写真などの作品によって
提示されます。
また、本展は文化交流事業として、両国の学芸員が共同で企画した
もので、水戸芸術館の開催後、メルボルンのヴィクトリア州立美術館
に巡回します。

出品作家:
フィオナ・ホール、ローズマリー・ラング、もとみやかをる、
中村哲也、サミュエル・ナマンジャー、スーザン・ノリー、
デヴィッド・ロチェスキー、篠田太郎、リッキー・スワロウ、
束芋、高嶺格、山口晃

展覧会概要
展覧会名:「Living Together is Easy」展
会期:2004年 1月24日(土)〜 3月28日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
開館時間:9時30分〜18時00分(入場は17時30分まで)
休館日:月曜日
入場料:一般800円、前売・団体(20名以上)600円
中学生以下・65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方は無料
一年間有効パス:H.T.P.→対象15歳以上20歳未満1,000円、
おとなのパス→対象20歳以上2,500円
チケット発売:
水戸芸術館エントランスホールチケットカウンター、
JR東日本みどりの窓口、びゅうプラザ
*「おとなのパス」は水戸芸術館チケットカウンターのみの
発売となります。
主催:財団法人水戸市芸術振興財団、独立法人国際交流基金、
メルボルン・ヴィクトリア州立美術館、
メルボルン大学アジアリンク・センター
後援:オーストラリア大使館
助成:オーストラリア連邦外務・貿易省、豪日交流基金、
オーストラリア・カウンシル
協賛:アサヒビール株式会社、株式会社常陽銀行
協力:日本航空、三菱電機株式会社、株式会社創夢
企画担当:逢坂恵理子(水戸芸術館現代美術センター芸術監督)
ジェイソン・スミス(メルボルン・ヴィクトリア州立美術館
キュレーター)

出品作家・作品
日本
・もとみやかをる Kaoru MOTOMIYA(1963年 東京都生まれ)
  <ベンジャミンの憂鬱> 2002、他
  オーストラリア滞在中に調査した森(資源)と紙(消費)の
  連鎖を、タスマニアの自然と日本との関係性を読み解く
  インスタレーションで提示する。
・中村哲也 Tetsuya NAKAMURA(1968年 千葉県生まれ)
  <プレミアム・ユニット・シリーズ> 2003
  現代の生活の中で使用されるものの機能に着目し、その価値を返還
  するような作品を制作。漆の技法をいかしたバスタブやシンクなど
  日常生活の水周り用品をモニュメンタルな作品に変換。
・篠田太郎 Taro SHINODA(1964年 東京都生まれ)
  新作
  日常気付かなかった視点の変換をうながす作品。
・束芋 Tabaimo(1975年 兵庫県生まれ)
  <お化け屋敷> 2003
  独特のイラストと観察眼で、今日の日本の在り様を描き出す。
  窓から覗いた日常風景に潜む非条理を示す影像作品。
・高嶺格 Tadasu TAKAMINE(1968年 鹿児島県生まれ)
  新作
  光、言葉、立体作品による原始風景のようなインスタレーション。
  オーストラリアでは "God Bless America" を出品予定。
・山口晃 Akira YAMAGUCHI(1969年 東京都生まれ)
  <當世おばか合戰> 1999、<何かを造ル圖> 2001
  大和絵の手法で描かれた油絵作品。過去、現在=時間と異なった
  場所=空間を縦横無尽に往来する手法と独特の視点で、現代社会の
  有様をアイロニカルに描き出す。

オーストラリア
・フィオナ・ホール Fiona HALL(1953年 シドニー生まれ)
  "Dead in the Water" 1999、"Scar Tissue" 2003
  工芸的な技術力で、日常のオブジェから多様な視点を美的に
  紡ぎ出す作家。ビデオテープを編んだ作品と立体作品を出品。
・ローズマリー・ラング Rosemary LAING(1959年 ブリスベン生まれ)
  "groundspeed (Harrogate Flower)#9" 2001、他
  森林の中に、ビクトリア時代の花柄の絨毯を実際に敷き詰め撮影
  した写真は、自然と人工の融合や反発を内包した作品。
・サミュエル・ナマンジャー Samuel NAMUNJDJA
 (1965年 アーネムランド生まれ)
  "Gungura-wind dreaming" 2003、他
  風を詩的に視覚化した絵画。人工的に構築された世界との対比を
  示す。
・スーザン・ノリー Susan NORRIE(1953年 シドニー生まれ)
  "Passenger2" 2003
  映像インスタレーション。
・デヴィッド・ロチェスキー David ROSETZKY
 (1970年 メルボルン生まれ)
  "Weekender" 2001、"Commune" 2003、他
  人々の心のすれ違いや、異文化間のコミュニケーションをテーマに
  した映像と写真と立体によるインスタレーション。
・リッキー・スワロウ Ricky SWALLOW(1974年 サンレモ生まれ)
  "iMan prototypes" 2001、"Model for Sunken Monument" 1999、他
  アメリカ文化の影響を彷彿とさせるような、マッキントッシュや
  スターウォーズのダースベーダー等をモチーフとした彫刻は、
  新しい価値基準と生活そして個人との関わりを提示する。


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関連企画
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*アーティスト・リレー・トーク
1. 日時:1月24日(土)13:30−15:00
 フィオナ・ホール、デヴィッド・ロチェスキー、スーザン・ノリー、
 リッキー・スワロウ(予定)
2. 日時:1月25日(日)13:30−16:00
  もとみやかをる、中村哲也、篠田太郎、高嶺格、山口晃(予定)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー内ワークショップ
入場料:「Living Together is Easy」展入場料に含まれます。

*ワークショップ「修復と再生」
日本の伝統的な修復方法「金つぎ」を学びながら、壊れたものの修復
をします。
日時:3月27日(土)14:00−16:00
講師:もとみやかをる
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー内ワークショップ
対象:高校生以上 受講料:1,000円
定員:25名(先着順、要申込み→お電話にて申込みください)
お申し込み先:水戸芸術館現代美術センター TEL 029-227-8120

*ウィークエンド・ギャラリー・トーク
CACギャラリートーカーと対話しながら作品を鑑賞します。
日時:2月7日(土)〜  3月28日(日)毎土・日曜日
各日14:30〜(約40分)
*都合により中止になる場合がありますのであらかじめご了承ください
入場料:「Living Together is Easy」展入場料に含まれます。

*託児付ギャラリートーク
2月29日(日)は託児付ギャラリートークを実施します。
定員:先着15名/託児料金:500円/申し込み締切り: 2月10日(火)

*高校生ウィーク
毎年恒例の高校生のための展覧会無料招待期間
2月17日(火)〜 3月21日(日)
対象:高校生、または15〜18歳までの方
期間中、会場内ワークショップルームにカフェがオープンします。
どなたでもお気軽にご利用いただけます。オープン時間:15:00-18:00

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オーストラリア編[旅先で寄りたいあの美術館と楽しみ方]
第1回 2月 4日(水)
オーストラリアの都市文化とアート
キャサリン・フニョー(オーストラリア大使館文化担当官)
第2回 2月18日(水)
オーストラリアの美術館−その隠れた魅力
イーデン・コーキル(森美術館エディター/ライター)
第3回 2月25日(水)
現代アートとオーストラリア・ワイン
山口裕美(アートプロデューサー)
第4回 3月10日(水)
「Living Together is Easy」展の鑑賞と解説
逢坂恵理子(水戸芸術館現代美術センター芸術監督)

時間:18:30−20:00(開場18:00)
会場:水戸市国際交流センター
*ただし第4回は、水戸芸術館現代美術ギャラリー内ワークショップ
定員:60名(先着順、要申込み)
*定員になりしだい締め切らせていただきます。
参加費:全4回(有料)
お申し込み方法:直接、水戸市国際交流センターにご来館いただくか
お電話にてお申し込み下さい。
受付開始:2004年1月6日(火)午前9時から
お申し込み先:財団法人水戸市国際交流協会オーストラリア編・
連続講座開催事務局
310-0024 茨城県水戸市備前町 6−59
TEL:029-221-1800

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同時開催 クリテリオム58 森本絵利 Morimoto Eri
会 期: 1月24日(土)〜 3月28日(日)
会 場:水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室
入場料:「Living Together is Easy」展入場料に含まれます。
企画担当:森司(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
*クリテリオム:ラテン語で「基準」を意味し、若手作家の新作を
中心に紹介する企画展

次回企画展のお知らせ
孤独な惑星−lonely planet
2004年 4月10日(土)〜 6月6日(日)
人間の不完全性をテーマに、暴力、欲望、孤独など、現代人の持つ
さまざまな側面を表現している国内外のアーティストによる展覧会。

http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!---