これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Fri, 9 Jan 2004 14:38:45 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,01719] FAZIL SAY Piano Recital
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49256E16.001F040E.00@david.arttowermito.or.jp>
X-Mail-Count: 01719

▼水戸芸術館ATM速報2004年1月9日発----------------------

PIANISM/SAY-ISM ピアノを覚ませ。ピアノを変えろ。

Ψ(サイ、プシー):ギリシャ文字アルファベットの23番目の文字
  もう完成しつくした楽器と思われていたピアノは、
  まだ変わりうる余地がある。
  そのことを教えてくれたのは、トルコ出身のピアニスト、
  ファジル・サイだった。

PSI(サイ):超能力、霊感のこと
  モーツァルトの <トルコ行進曲> から、
  飼い慣らされない野性の顔を、鳴り響くトルコの軍楽隊の喧騒を
  引き出したのは、彼だった。
  グレン・グールド以降のピアノによるバッハ演奏に新たな一章を
  加えたのは、すべての音符が細胞と化した生き物のような彼の
  <イタリア協奏曲>だった。そして、プリパレーション(*1)
  まで行ったピアノ2台を駆使し、みずから編曲・多重録音した
  衝撃のストラヴィンスキー <春の祭典> が、世界を震撼させた。
  *1.プリパレーション:ピアノの弦にボルトやゴムなどをはさみ
    特殊な音響効果を創り出すこと。ジョン・ケージが発明。

賽(さい):
  転がるサイコロ、次に出る目がいくつか誰にもわからない
  水戸芸術館のプログラムは、前半にまずピアノ曲の古典的名作を。
  知りすぎるくらい知っていたはずの作品がまったく新しい相貌で
  生まれ変わる様を、私たちは体験できるはずだ。
  そしてあの <春の祭典> をなんと実演で。
  2台目のピアノは、コンピュータを内蔵し、サイの演奏をそのまま
  記憶したMIDIピアノ(*2)が務める。
  日本では非公開のライヴで一度演奏されたのみだが、
  その時よりもはるかにヴァージョン・アップした前代未聞の
  パフォーマンスが、<春の祭典> 初演時の驚きと興奮とを、
  この21世紀によみがえらせることだろう!
  *2.MIDIピアノ:いわば、「コンピュータのデータによって
    自動演奏されるピアノ」。今回の <春の祭典> の演奏では、
    あらかじめ録音されたサイの演奏データによって統御される
    MIDIピアノが第2ピアノとなって、第1ピアノを弾くサイと
    「共演」する。いわばコンピュータが直接鍵盤を「弾く」ので、
    アンプ等で拡大された加工音ではなく、完全な生音が楽しめる。
    なおMIDIとはデジタル楽器同士を接続するための世界標準規格
    Musical Instruments Digital Interfaceの略。
    1996年に水戸芸術館で行われた「現代音楽を楽しもう - XII
    坂本龍一X岩井俊雄 Music Plays Images x Images Play Music」
    でも使用され、威力を発揮した。

SAY(サイ):それはピアノを変えるためのマジック・ワード


担当:矢澤孝樹(水戸芸術館音楽部門主任学芸員)

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ファジル・サイ  ピアノ・リサイタル
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2004年4月18日(日)13:30開場  14:00開演
会場:水戸芸術館コンサートホールATM
主催:財団法人  水戸市芸術振興財団
協力: ヤマハ
スカルラッティ:3つのソナタ(番号未定)
モーツァルト:
  ピアノ・ソナタ イ長調  K.331 <トルコ行進曲付き>
バッハ(ブゾーニ編曲):シャコンヌ  ニ短調
ストラヴィンスキー(サイ編曲):
  バレエ <春の祭典> -- 2台ピアノ版 --

料金(全席指定):A席4,000円  B席3,000円
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チケット発売:2004年1月18日(日)
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・館エントランスホールチケットカウンター(9:30〜18:00、月曜休)
・館チケット予約センター Tel. 029-231-8000(9:30〜18:00、月曜休)
・ATM速報受信のお客様のご予約はメールでも承ります。(13:00〜)
mailto:ticket@arttowermito.or.jp
・MUSIC SHOP かわまた Tel. 029-226-0351
・ヤマハミュージック関東 Tel. 029-224-2861
・チケットぴあ Tel. 0570-02-9990
・CNプレイガイド Tel. 03-5802-9990

メールでのご予約は上記アドレス宛、発売日13:00以降の、
館サーバ受信タイムスタンプとなるようお送りください。
ご予約のための様式(音楽・演劇共通)をお持ちでない方は、
お手数ですが、上記アドレスまで、事前にご請求ください。

ATM速報受信のお客様に限り、下記館ウェブサイトからもお申し込み
いただけます。(発売日10:00以降、公演前日または完売まで無休)
https://www.arttowermito.or.jp/t/authenticate.cgi

公演当日までご来館不要、チケットお届けまで最速の新サービスも
ご用意。資料のご請求は下記(SSL暗号化通信)よりどうぞ。
https://www.arttowermito.or.jp/sf/sendform.html
1. 件名欄には「新サービス資料請求」とご入力ください。
2. 資料は郵送でお送りいたします。ご氏名・郵便番号とご住所は
   必ずご入力ください。

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FAZIL SAY, Piano ファジル・サイ,ピアノ

ファジル・サイの生い立ちには、その後この若者が同世代を代表する
独創的なピアニストになることを予感させるものは何もなかった。
1970年、音楽とは無縁のトルコの一家に生まれたサイは、
アンカラ国立音楽院でピアノと作曲を学び、17歳で国家奨学金を得て
デュッセルドルフに留学し、ロベルト・シューマン学院で
デイヴィッド・レヴァインに5年間師事した。
1992年から95年までベルリン・アカデミーで教えた。
25歳の時にニューヨークのヤング・コンサート・アーティスト国際
オーディションで第1位となり、サイにとって音楽の世界への門戸が
開かれた。
サイはニューヨークの92ストリートYとワシントンのケネディ・
センターでソロ・リサイタルを開き、またソリストとしてボストン・
メタモルフォーゼン室内管弦楽団、ニューヨーク室内交響楽団と
リンカーン・センターで共演した。同じく1995年にベラカーサ財団賞
を受賞、モンペリエのラジオ・フランス国際フェスティヴァルでの
フランス・デビュー・リサイタルにつながった。それ以来ファジル・
サイは世界各地で演奏活動を展開している。
室内楽奏者としても活躍し、ユーリ・バシュメット、シュロモ・
ミンツらと共演してきた。
またファジル・サイは作曲家でもあり、16歳の時にベルリンの建都
750周年を記念して書いた <Black Hymns>、ベルリン交響楽団から
委嘱されたヴァイオリンとピアノのための二重協奏曲など多数の作品
を書いている。
1996年にはピアノ協奏曲第2番 <シルク・ロード>を自らのピアノ
独奏によりボストンで初演した。
もちろん、本人の得意のレパートリーであるピアノ独奏曲も多く、
<トルコ舞曲集>、<パガニーニ変奏曲>、<モーツァルトの
トルコ風ロンドによる変奏曲>などがある。

http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!---