これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Thu, 15 Jan 2004 15:28:40 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,01723] "THE SECRET GARDEN" by Hirohisa Hasegawa
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49256E1C.002395AA.00@david.arttowermito.or.jp>
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▼水戸芸術館ＡＴＭ速報２００４年１月１５日発----------------------

明日16日（金）より 2週にわたる週末公演（全6回）でおおくりいたし
ます「THE SECRET GARDEN」。作・演出の長谷川裕久による解説です。


-- 『THE SECRET GARDEN』というタイトルについて

作品のタイトルにアルファベットを使うのはめずらしいんですけど、
子供の頃に読んだバーネットの「秘密の花園」は、タイトルが小説の
中身よりも印象に残っています。

「禁じられた遊び」もそんな作品です。
"秘密の" とか "禁じられた" とかいうフレーズが、なんかすごく
タブーな感じがして、聞くとドキっとする。

僕は、芝居を作るおもしろさって、何かしら秘密の出来事が
あばかれる瞬間、あるいはどこかミステリーな謎解きの瞬間を、
どれだけドラマティックに描き出せるのかにあると思っています。
隠されていたことが表に現れてくる一瞬を、どんな切り口で
観客に提供できるのか、そこに演劇の醍醐味があるんじゃないかと。

バーネットの「秘密の花園」をモチーフにとったということもある
けれど、タイトルについては僕が芝居に対して考えていることが、
ダイレクトに反映していると思います。


-- 描きたかったことについて

僕の作品にこれまで登場した主人公、例えば『美貌の流星』の
テンポイントや『花冠の大陸』の白瀬中尉は、この世にいるものの
なかでも突出した存在であって、僕たちの等身大を越えたもの
として描かれています。まず超越した存在としての主人公がいて、
その周囲を様々な人物が徘徊し、そこからドラマを立ち上げる。

僕自身の興味が、そういったすでに主人公のいる物語を、
それを「歴史」といってもいいんですけれど、どう読み返すのか
ということに向っていました。

でも最近は、僕たちの日常のなかにいる人間同士の関係から、
ドラマというものをつくってみたいと考えるようにもなりました。
つまり、いま生きている日常をどう理解し直すのか、
歴史に対する「現在」、そこにもやっぱりドラマティックなものが
あって、自分のなかの作業としては表裏一体なんですよ。

日常の人間たちの関係を描くとは、僕のなかでは、とりわけ
コミュニケーションの問題に行き着きます。ある人物が他の誰かと
関わっていく過程に、さらに違う人物が関わり葛藤が起こる。
一見、見知らぬ人物たちの会話が続いているかに思えるけど、
実はある出来事を介して、そこに登場している人物たちが、
互いに激しく関わっていることが露呈されてくる。
そういう「関係」の芝居を描いたつもりです。

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平成15年度文化庁芸術拠点形成事業／ACM劇場プロデュース公演
『THE SECRET GARDEN（ザ・シークレット・ガーデン）』
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作・演出＝長谷川裕久
http://www.arttowermito.or.jp/play/sgj.html

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