これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Thu, 22 Jan 2004 21:04:49 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,01729] "THE SECRET GARDEN" by Hirohisa Hasegawa 2
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49256E23.00425C6B.00@david.arttowermito.or.jp>
X-Mail-Count: 01729

▼水戸芸術館ATM速報2004年1月22日発----------------------

「前半なるべく初日に1回、後半できれば楽日にもう1回。」
同一作品連続公演の楽しみ方をお客様が教えてくださいました。
この週末再びの「THE SECRET GARDEN」、明日からの3公演で、
再度お会いするお客様にはもちろん十二分にお応えいたします。
まだのお客様にはぜひ。
作・演出の長谷川裕久の解説その2をお送りいたします。

-- 台本について

ここ数年でコミュニケーションの仕方がかなり変わったと思うんです
よ。いろんな手段で人が関われるようになりましたよね。携帯電話は
誰でも持っているし、メールもそうです。
一見すると、すごくコミュニケーションが上手くいってる感じがしま
すが、逆にその一方で身体性というものが、見えなくなってしまった
ような気がする。

そういうことを、様々なレベルの会話の連なりで書いたつもりなんで
す。ある会話をすることで、その会話が別の会話を呼び込んでくる、
そしてまた違う人物が別のシチュエーションの会話を持ちこむ。

ひとりで読んでいるとちょっとわかりづらいかもしれませんが、俳優
たちも、身体の状況を追って読み合わせると、意外と会話の構造が
見えてくる。

主題的なことを言えば、人は誰でも「秘密の場所」を持っていて、
それはとりわけ心のなかにあったりする。
さらにその場所へ鍵をかけてしまうと、もう誰も入り込むことができ
ない。自分自身でさえも鍵をかけたことを忘れてしまう。そうやって
日常を生きているなかで、他人と関わったちょっとした瞬間に、
つまり会話を交わした瞬間に、その秘密が露わになる。
しかし、自分ではどう処理してよいかわからない。

言葉ってもともと他人が作ったものじゃないですか。だけど身体は
自分のものであって、自分のものが他人のものを扱うことの違和感
というか... 。コミュニケーションの仕方が変わってきたってことと
つながるんだけど、言葉を扱う新しいツールを獲得したにもかかわら
ず、自分たちの身体のほうがその新しさに追いついていない感じが
します。それが、インターネットのテキストサイト(*1)の隆盛や、
反対に子供に対する虐待やネグレクト(*2)などの問題につながって
る気がする。そういう事件がいま多い気がする。

こういう言い方をすると、なんか物語が暗くなりがちですが、
その先の希望みたいなものも信じているんです。
ちょっと話が変わりますが、「秘密の花園」は両親以外に育てられた
子供たちの物語でもあるんです。
でもカスパー・ハウザー(*3)と違って、最後にはみな再生する
でしょう?


-- 見所は?

過去のある記憶を持つ男と女に、それぞれ二面性をもった登場人物
たちが巧みに絡みながら物語が展開していきます。
人間ってみんな自分のなかに、善から悪の部分までの幅を持っている
と思うんですよ。その幅に翻弄されながらも、自分たちの大切にして
いる約束を、なんとか守ろうとする男と女のラブ・ストーリーです。

(*1)テキストサイト:自作の日記や小説をアップしてあるサイト。
(*2)ネグレクト:育児放棄
(*3)カスパー・ハウザー:
      19世紀、ドイツのニュルンベルクの地下室で発見された少年。
      発見当時、まったく言葉が話せなかった。後に言葉と文字を
      獲得するが、多くの謎を残したまま暗殺されてしまう。

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平成15年度文化庁芸術拠点形成事業/ACM劇場プロデュース公演
『THE SECRET GARDEN(ザ・シークレット・ガーデン)』
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作・演出=長谷川裕久
http://www.arttowermito.or.jp/play/sgj.html
長谷川裕久の解説 その1は下記にございます。
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1700/1723.html

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承ります。Tel. 029-225-3555

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とさせていただき、チケット現物は公演当日の窓口にご用意させて
いただきます。

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