これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Thu, 8 Apr 2004 15:51:53 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,01766] Interview with Fazil Say
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49256E70.0025B60F.00@david.arttowermito.or.jp>
X-Mail-Count: 01766

▼水戸芸術館ATM速報2004年4月8日発----------------------

ファジル・サイに聞く!
「誰一人として他の人とはまったく同じになれないし、
  同じになるべきではない」

Q:今回のプログラム(今回に限らないかもしれませんが)は、
  古典作品、または「クラシカルな」書法で書かれた作品に集中して
  いる傾向があるように思います。
  サイさんにはそういった音楽が肌にあう、ということでしょうか?
  またあなたが共感できる作曲家は?

A:うん。確かにそうですね。
  今回のツアーではこのようにハイドンとベートーヴェンを中心に
  プログラムを組みました。
  彼らをより良く、より深く理解したい。ただただそう考えている
  からです。

Q:あなたの独創的な演奏から、よくグレン・グールドを連想する人
  が多いようです。ご自分ではどう思われますか?
  また一方ではジャズや自作を弾くあなたからフリードリヒ・グルダ
  を連想する人もいるようで、彼らの音楽への姿勢についても
  何か思うものはありますか?

A:そうですか。でも私とグールドの演奏が似ているとは思いません。
  私たちの、作品へのアプローチは似ているように見えるかもしれま
  せんが、感情的にも(私情としても)、音の響きにしても相違点は
  たくさんあります。
  ひとつ確かに言えることは、誰一人として他の人とはまったく同じ
  になれないし、同じになるべきではないと思います。
  ジャズを弾くことに関しても同様です。私とグルダが似ているとは
  思っていません。
  私の答えはこうです。私はグールドもグルダも好きです。
  彼らの実演やCDを数多く聴いてきました。しかし、私には私自身の
  個性と、音楽に対する私の真情があると思いますし、
  またそうであることを強く望んでいるのです。

Q:共演した指揮者、またはソリストで印象に残っている人は?
  それは何故?

A:たくさんの指揮者と共演し、たくさんの室内楽もやってきました。
  そうですねえ、指揮者はどのマエストロも強く感銘を受けましたし、
  室内楽では特にヴァイオリンの諏訪内晶子さんとマキシム・ヴェン
  ゲーロフが印象的でした。

Q:あなたの演奏を聴いていると、創造的な息吹に
  「作曲家でもあるのだな。」ということを強く感じさせてくれます。
  あなたは自分の中で「演奏」と「作曲」について、
  どんな風にとらえているかを聞かせて下さい。
  また、あなたは1つの作品に取り組む時、
  どんな方法で練習しますか?

A:そうですか。「作曲」、「演奏」、「即興」、「ジャズ」、
  「エッセイを書くこと」、「フェスティバルを企画する」ことなど
  は私が5歳くらいからごく自然にしてきたことです。これらは私の
  一部と言ってもいいでしょうね。私にとってこれら全てが楽しくて
  仕方がないのです。
  また練習方法ですが、私はまずピアノを弾かずに、
  その作品をよく理解するまで楽譜を深く読みます。
  それから初めてピアノで演奏してみます。
  技巧的に特別な練習などしません。

Q:トルコという国は我々日本人にとっても欧米の人々にとっても
  エキゾチックな響きがあります。西洋と東洋の接するところ... 、
  かつて強大な帝国が君臨していたところ... 。あなたの故郷、
  トルコについて、またトルコ文化とクラシック音楽のつながりに
  ついてなど、ご自由に聞かせてください。

A:なによりもイスタンブールは素晴らしい都市ですよ!
  皆さんにもぜひトルコを見ていただきたいです。
  観光地としてもとても美しい国ですし、それにここの人々は
  とてもエネルギッシュです。
  音楽的にも、ワールド・ミュージック、トルコの民族音楽、
  ポップ・ミュージック、そしてクラシック音楽ととても広範囲に
  及んでいますよ。
  特に「トルコだから」というようなことはないんじゃないかな。

Q:映画が大好きだそうですね。
  最近では何か面白いものがありましたか?

A:最近見たものでは『キル・ビル』!
  それに『ロスト・イン・トランスレーション』が面白かったな。

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Q:インタビュアー/A:ファジル・サイ
インタビュー記事提供:梶本音楽事務所
http://www.kajimotomusic.com/

ファジル・サイ公式サイト http://www.fazilsay.net/
(リンク集にはマキシム・ヴェンゲーロフ公式サイトへのリンクも)

トルコ政府観光局 http://home.turkey.or.jp/

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ファジル・サイ  ピアノ・リサイタル
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2004年4月18日(日)13:30開場  14:00開演
会場:水戸芸術館コンサートホールATM
主催:財団法人  水戸市芸術振興財団
協力: ヤマハ http://www.yamaha.co.jp/
スカルラッティ:3つのソナタ(「番号未定」でお知らせして
  参りましたが次の3つに決まりました。)
  K.378 へ長調/K.1 ニ短調/K.159 ハ長調
モーツァルト:
  ピアノ・ソナタ イ長調  K.331 <トルコ行進曲付き>
バッハ(ブゾーニ編曲):シャコンヌ  ニ短調
ストラヴィンスキー(サイ編曲):
  バレエ <春の祭典> -- 2台ピアノ版 --
料金(全席指定):A席4,000円  B席3,000円
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1700/1719.html

館エントランスホールチケットカウンター(9:30〜18:00)
館チケット予約センター Tel. 029-231-8000(9:30〜18:00)
ATM速報受信のお客様に限り、公演前日・17日(土)18時まで、
下記にて24時間無休でご予約を承っております。
https://www.arttowermito.or.jp/t/authenticate.cgi

http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!---