これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Sun, 22 Aug 2004 11:15:56 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,01826] Roger Muraro Piano Recital
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49256EF8.000C7229.00@david.arttowermito.or.jp>
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▼水戸芸術館ATM速報2004年8月22日発----------------------

鋭い打鍵が埋もれた日常を引き裂き、
  水晶のごとき音塊が空間に放たれる

「ムラロの<父のまなざし>(メシアン:<幼子イエスに注ぐ20の
  まなざし>の第1曲)は、何かほかに用事が控えていて、
  のんびりしていられないといわんばかりのテンポで始まる。
  しかし、それはせかせかしているというのではない。
  タッチの鋭さ、何か針の先で音を磨いてゆくような細かな神経の
  張りめぐらされたような -- つまりは「近代的な」音の連続が、
  そういう効果を生むのである。」(吉田秀和:「レコード芸術」
  音楽之友社 2002年12月号より)

20世紀の音楽に大きな足跡を残したフランス人作曲家オリヴィエ・
メシアン(1908-1992)。彼のピアノ作品に欠かせなかったのが、
ピアニストであり伴侶であったイヴォンヌ・ロリオの存在です。
1943年の<アーメンの幻影>以降、メシアンはロリオの演奏を想定し
てすべてのピアノ曲を書き、事実、ロリオがすべての初演を行なって
います。

そして時代は移り、21世紀初頭。パリ音楽院でロリオに学び、現代の
メシアン弾きとして熱い注目を浴びているのがロジェ・ムラロです。
豊かな響きと鍵盤に切り込むような鋭いリズムは、まさにロリオから
受け継いだ宝物。そしてムラロは「針の先で音を磨いてゆく」かの
ような営為により、水晶のごとく澄んだ音色を創出します。神を讃え、
自然を愛したメシアンがいつも見上げていた天空に、ムラロは純化
された音を放つのです。初来日となる今回の公演では、メシアンの
<幼子イエスに注ぐ20のまなざし>から最初の10曲が取り上げられ
ます。メシアン自身も賛辞を贈ったムラロによる本作品の演奏が、
遂に水戸で実現します!

ムラロの魅力はメシアン作品の演奏にとどまりません。最近のムラロ
が取り組んだのがラヴェルのピアノ作品全曲のレコーディングでした。
水戸公演ではラヴェルの洒脱な小品〈......風に〉が演奏されます。
そして、「鍵盤アスリート」と評されることもあるムラロのダイナミ
ックでエネルギッシュな演奏を存分にご堪能いただける曲もご用意
しました。それがムソルグスキーの組曲<展覧会の絵>です。

鋭い打鍵が埋もれた日常を引き裂き、水晶のごとき音塊が空間に放た
れる -- ムラロの初来日公演をどうぞお楽しみください。

担当:馬場千恵(水戸芸術館音楽部門学芸員)

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ロジェ・ムラロ ピアノ・リサイタル
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2004年10月16日[土]18:00開場・18:30開演
水戸芸術館コンサートホールATM
主催:財団法人 水戸市芸術振興財団
ラヴェル:<......風に>
          シャブリエ風に
          ボロディン風に
ムソルグスキー:組曲<展覧会の絵>
メシアン:<幼子イエスに注ぐ20のまなざし>より
          1. 父のまなざし
          2. 星のまなざし
          3. 交わり
          4. 聖母のまなざし
          5. 子を見つめる子のまなざし
          6. その方によって万物は成った
          7. 十字架のまなざし
          8. 天のいと高きところのまなざし
          9. 時のまなざし
         10. 喜びの聖霊のまなざし

料金(全席指定):A席 3,500円・B席 2,500円
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チケット発売:2004年 8月28日[土]
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・館エントランスホールチケットカウンター(9:30〜18:00、月曜休)
・館チケット予約センター Tel. 029-231-8000(9:30〜18:00、月曜休)
・ATM速報受信のお客様のご予約はメールでも承ります。(13:00〜)
mailto:ticket@arttowermito.or.jp
・MUSIC SHOPかわまた  029-226-0351
・ヤマハミュージック関東  029-224-2861
・チケットぴあ  0570-02-9990
・CNプレイガイド  03-5802-9990

メールでのご予約は上記アドレス宛、発売日13:00以降の、
館サーバ受信タイムスタンプとなるようお送りください。
ご予約のための様式(音楽・演劇共通)をお持ちでない方は、
お手数ですが、上記アドレスまで、事前にご請求ください。

ATM速報受信のお客様に限り、下記館ウェブサイトからもお申し込み
いただけます。(発売日10:00以降公演前日18時または完売まで無休)
https://www.arttowermito.or.jp/t/authenticate.cgi

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資料のご請求は下記(SSL暗号化通信)よりどうぞ。
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1. 件名欄には「新サービス資料請求」とご入力ください。
2. 資料は郵送でお送りいたします。ご氏名・郵便番号とご住所は
   必ずご入力ください。

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ロジェ・ムラロ  Roger Muraro

パリ音楽院でイヴォンヌ・ロリオに師事したロジェ・ムラロは、
1981年イタリアのフランツ・リスト国際音楽コンクールで第1位、
86年チャイコフスキー国際音楽コンクールでグランプリを獲得して
いる。88年パリでメシアンの<幼子イエスに注ぐ20のまなざし>を
演奏した際、作曲家本人より「ロジェ、この難曲を崇高なまでに
完璧な演奏をありがとう。華麗な演奏技術、熟練、音色、音楽性に
心から神に感謝します。」との賞賛のメッセージを与えられ、現在、
メシアン演奏の第一人者として知られている。
これまでに、ズビン・メータ、ピンカス・スタインバーグ、マレク・
ヤノフスキー、ヴァレリー・ゲルギエフ、チョン・ミュンフン、
ケント・ナガノ、マルク・スーストロなどの指揮者、ベルリン・
フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、フランス国立管弦楽団、
フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン放送交響楽団、
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモ
ニー管弦楽団、旧ソビエト国立交響楽団などのオーケストラと共演。
また、レコーディング活動も活発に行っており、ユニバーサル・
クラシック(Accord)へメシアンの作品全曲を録音。フランス国内で
も大きな話題になった。2003年にはラヴェルの独奏曲全集(ユニバー
サル)を発表。その年の秋にはパリのシャンゼリゼ劇場でラヴェル
全曲を一日で弾ききるコンサートを大成功させている。
2002-03 シーズンではチョン・ミュンフン指揮、フランス国立放送
フィルハーモニー管弦楽団との共演でニューヨークのカーネギー
ホールデビュー。そして同じく、ニューヨークのフローレンス・
グールドホールにおいてメシアン<鳥のカタログ>を演奏。また、
国立パリ管弦楽団では佐渡裕と共演している。
現在、フランスを代表する最も目の離せないピアニストのひとりで
あり、今回の初来日の演奏で、はじめてそのピアニズムの全貌が
伝えられる。

http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!---