これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Sat, 28 Aug 2004 10:11:24 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,01830] Ryuta Suzuki plays our organ today! (1:30 p.m.-)
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49256EFE.000689E4.00@david.arttowermito.or.jp>
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▼水戸芸術館ＡＴＭ速報２００４年８月２８日発--------------------

昨日のファンファーレ・チォカリーアの興奮も覚めやらぬ朝、
皆様いかがお過ごしですか。

本日行なわれるパイプオルガンプロムナード・コンサートの
記念すべき1000回記念特別演奏会に出演される、
鈴木隆太さんをご紹介します。

世の中には、「マルチ・キーボーディスト」と呼ばれる音楽家が
います。たとえばジャズ・ピアニスト、キース・ジャレット。
彼のピアノのすばらしさについては多言を費やすまでもありませんが、
その他にも、フェンダー・ローズのエレクトリック・ピアノを弾き
チック・コリアと大バトルを繰り広げた『マイルス・アット・
フィルモア』や、パイプオルガンによる即興『スフィアーズ』、
クラヴィコードによる作品集『ブック・オブ・ウェイズ』、
リコーダーのミカラ・ペトリとチェンバロで共演したヘンデルの
ソナタ集など、実にさまざまな鍵盤楽器に取り組み、
それぞれのイディオムを生かした名盤を残しています。

我らが鈴木隆太さんも、そんな「マルチ・キーボーディスト」の
一人であります。オルガン、ピアノ、シンセサイザーを駆使し、
クラシックからジャズ、ロックの分野まで自在に横断する活動を
繰り広げています。そして、芸術館によくいらっしゃる方なら、
鈴木さんが芸術館のさまざまな演奏会でキーパーソンというべき
活躍をしてくださっていることをご存知に違いありません。
水戸室内管弦楽団の第21回定期演奏会（1995年6月、小澤征爾指揮）
や2001年の第2回ヨーロッパ・ツアーでは、ラヴェル：＜マ・メール・
ロワ＞のジュ・ド・タンブル（チェレスタに似た、キラキラした音の
鍵盤楽器）を弾き、あの夢幻的なサウンドの描出に重要な役割を
果たしました。また、1996年2月の「現代音楽を楽しもうX 林 英哲」
では、パイプオルガンで林英哲さんがエントランスホールに持って
きた巨大な和太鼓と共演（曲は新実徳英＜風神・雷神＞）。終演後に
アンコールで再度終結部のみ奏でられた＜風神・雷神＞の、キース・
エマーソンもびっくりの鍵盤ぶった切りプレイはどえらい迫力でした。
一方、昨年3月の「現代音楽を楽しもうXVI 清水靖晃」では、
サクソフォーンとオルガンによる「ネオ室内楽」とでもいうべき
精妙で荘厳なバッハを奏でています。本当に、鈴木さんの多面性と
柔軟さにはいつも驚かされます。

しかし、ならばこのあたりで、横浜山手聖公会のオルガニストであり、
キリスト教礼拝音楽のエキスパートでもある鈴木さんの「核」である
ソロ演奏をたっぷり聴いてみたいというのが私たちの願いでした。
とはいえ、その「核」自体もまた多面的ともいえるのですから、
欲張りでもその多面性も含めてまるごと見たい。そんなわけで、
この1000回記念演奏会では、オルガンのためのオリジナル作品
（ヴィエルヌ）を奏でる「オルガン奏者」鈴木さん、編曲の腕の
冴えを存分に楽しませてくれる鈴木さん（ヘンデル、宇宙戦艦ヤマト、
チック・コリア、モリコーネとジャンルも多彩）、そして即興演奏
する鈴木さんと、いろんな鈴木さんの顔を見せていただきます。
そしてそれはつまり、オルガンという楽器のもつさまざまな可能性を
聴くこととイコールでもあるわけで、1000回記念演奏会に、
幅広く多くの方にオルガンを楽しんでいただくには、もってこいの
内容だと思います。

みなさん、夏休みの最後に、どうぞ鈴木さんのオルガンを聴きに
おいでください。「夏休みの終わりに寄せる即興演奏」もちゃあんと
ありますよ！

矢澤孝樹（水戸芸術館音楽部門主任学芸員）

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1000回記念特別演奏会の詳細は下記にございます。
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1800/1823.html
8月のパイプオルガン・プロムナード・コンサートは、
本日28日（土）13時30分開演の「1000回記念特別演奏会」までと
させていただきます。明日は休ませていただきます。

9月は4日（土）からさせていただきます。
おかげさまでご好評をいただいております
「オルガン名曲ライブラリー」もこの秋11月に5回目を迎えます。
北ドイツ・オランダを離れフランスへ。どうぞご期待ください。
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1800/1828.html

http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに！---