これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Sun, 10 Oct 2004 18:11:37 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,01857] web update / Yoshida Hidekazu Prize for 2004
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49256F29.003280C3.00@david.arttowermito.or.jp>
X-Mail-Count: 01857

▼水戸芸術館ATM速報2004年10月10日発------------------

昨日の更新で『栗コーダーカルテットワークショップ』応募ページ、
『大吉リクエスト2005』リクエストページの追加等を行いました。
いずれも下記日本語トップページから24時間お申し込みいただけ
ます(SSL暗号化通信)。お気軽にどうぞ。
*ワークショップは定員に達し次第締め切らせていただきます。
http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html

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音楽・演劇・美術などの各分野で、優れた芸術評論を発表した人に
対して贈られる「吉田秀和賞」第14回受賞作品が、
10月8日を最終とする厳正な審査を経て、134の候補作品の中から
次のとおり決定いたしました。
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第14回吉田秀和賞受賞作品
湯沢 英彦『クリスチャン・ボルタンスキー 死者のモニュメント』
(水声社 http://www.suiseisha.net/ 2004年 7月刊)
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1944年生まれのフランスの美術家クリスチャン・ボルタンスキーに
ついてのモノグラフである。古い顔写真をはじめ、古着、ブリキ、
段ボールといったありふれた材料を使いながら、過去、記憶、忘却、
死をめぐる数々のインスタレーションを制作してきた彼の軌跡を、
作品に即して現代美術の流れの中に位置づけている。
ホロコーストなど、「大量死」を経験した後の芸術表現の困難さ、
ベルリンの壁崩壊後のユートピアの喪失、そして堅固なモニュメント
が無意味になった時代に、それでもいかに過去や死者たちの痕跡を
記憶にとどめおき、生きている者たちが共有する場をつくることが
できるか。このボルタンスキーの試みを、プルースト研究者の著者が
現代美術や思想、文学と重ね合わせながら、綿密に解き明かした。

1990年にICA名古屋と水戸芸術館で個展が催され、
日本にも広く知られるようになったボルタンスキーが現代美術界に
占める独自の位置を明快に示し、彼の作品の深い意味合いを
教えてくれる労作である。

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湯沢 英彦(ゆざわ・ひでひこ)
1956年東京都生まれ。東京大学文学部仏文学科卒業、同大学大学院
人文科学研究科博士課程中退。1985年から1989年まで、パリ第四大学
博士課程に留学、文学博士号取得。専攻は、20世紀フランス文学・
文化。現在、明治学院大学文学部フランス文学科教授。
著書に、『プルースト的冒険』(水声社)、訳書に、フィリップ・
ミシェル=チリエ『事典プルースト博物館』(共訳、筑摩書房)など
がある。

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第14回吉田秀和賞 贈呈式
日時:平成16年11月 6日(土)午後 3時30分から
場所:水戸芸術館 会議場2階
内容:表彰状授与、受賞者挨拶ほか

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吉田秀和賞について(吉田秀和芸術振興基金により平成2年創設)
名称:吉田秀和賞
対象:音楽・演劇・美術などの各分野で、優れた芸術評論を発表した
      人に対して
正・副賞:正賞 表彰状
          副賞 賞金 200万円

これまでの受賞作品:

第 1回(1991年、平成 3年度)
  秋山邦晴「エリック・サティ覚え書き」
  青土社 http://www.seidosha.co.jp/ 1990年6月刊

第 2回(1992年、平成 4年度)
  持田季未子「絵画の思考」
  岩波書店 http://www.iwanami.co.jp/ 1992年4月刊

第 3回(1993年、平成 5年度)
  該当作品なし

第 4回(1994年、平成 6年度)
  渡辺保「昭和の名人 豊竹山城少掾」
  新潮社 http://www.webshincho.com/ 1993年9月刊

第 5回(1995年、平成 7年度)
  松浦寿輝「エッフェル塔試論」
  筑摩書房 http://www.chikumashobo.co.jp/ 1995年6月刊

第 6回(1996年、平成 8年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/0/35.html
  長木誠司「フェッルッチョ・ブゾーニ」
  みすず書房 http://www.msz.co.jp/ 1995年11月刊

第 7回(1997年、平成 9年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/200/256.html
  伊東信宏「バルトーク」
  中央公論社 http://www.chuko.co.jp/ 1997年7月刊

第 8回(1998年、平成10年度)
  該当作品なし

第 9回(1999年、平成11年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/800/800.html
  青柳いづみこ『翼のはえた指  評伝安川加壽子』
  白水社 http://www.hakusuisha.co.jp/ 1999年 6月刊

第10回(2000年、平成12年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1000/1056.html
  小林頼子
『フェルメール論 〜神話解体の試み』
  八坂書房 1998年 8月刊
『フェルメールの世界 17世紀オランダ風俗画家の軌跡』
  日本放送出版協会 http://www.nhk-book.co.jp/ 1999年 10月刊

第11回(2001年、平成13年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1200/1295.html
加藤 幹郎
『映画とは何か』(みすず書房 http://www.msz.co.jp/ 2001年 3月刊)

第12回(2002年、平成14年度)
該当作品なし

第13回(2003年、平成15年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1600/1678.html
岡田温司『モランディとその時代』
(人文書院 http://www.jimbunshoin.co.jp/ 2003年8月刊)

第14回(2004年、平成16年度)
湯沢英彦『クリスチャン・ボルタンスキー 死者のモニュメント』
(水声社 http://www.suiseisha.net/ 2004年 7月刊)

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吉田秀和芸術振興基金(事務局:水戸芸術館内)
理事会
理事長:吉田光男(財)水戸市芸術振興財団副理事長
理事:  石川六郎 鹿島建設株式会社代表取締役名誉会長
理事:           サントリー株式会社
理事:  鈴木  繁 朝日新聞東京本社文化部長
理事:  佐川千鶴 佐川文庫館長
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審査委員会
審査委員長:吉田秀和 評論家・水戸芸術館館長
審査委員:  加藤周一 評論家
審査委員:  林 光 作曲家


http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!---