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Date: Sun, 14 Nov 2004 18:01:26 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,01873] ATM Tomo-no-kai event: The 15th LD/DVD Appreciation (Nov. 20)
To: atm-info@arttowermito.or.jp
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▼水戸芸術館ATM速報2004年11月14日発----------------
第15回LD鑑賞会のご案内
皆様こんにちは。この度水戸芸術館友の会主催のLD鑑賞会
(もはや「DVD鑑賞会」と呼ぶべきかもしれませんが)に
初めて登場させていただく音楽部門の矢澤でございます。
この鑑賞会では、これまで音楽部門の関根が皆様に数々のオペラの
名舞台をご紹介してまいりました。私自身もそれを楽しんできた者の
一人でしたが、近年はオペラ以外のジャンルでもおもしろく充実した
クラシックの映像ソフトが数多く登場しており、こういったものも
皆様と共に楽しみたい、と思い、提案させていただいた次第です。
今回ご紹介するのは、ヘルベルト・フォン・カラヤンと共に20世紀
後半を代表する偉大な指揮者であったレナード・バーンスタイン
(ご存知<ウェスト・サイド・ストーリー>の作曲者でもありますね)
が、1970年代にウィーン・フィル他と共に録音・録画したマーラー:
交響曲全集のDVDから<第6番『悲劇的』>(1976年収録)。
100人に及ぶ超巨大編成のオーケストラによって演奏されるマーラー
の交響曲は、水戸芸術館では実演不可能なレパートリーであり、
それだけにご紹介する価値は大いにあります。
もちろんこのDVDを選んだ理由はそれだけではありません。
まず、演奏が最高に魅力的なこと。
バーンスタインがもっとも深いシンパシーを抱き、生涯演奏し続けた
マーラーの交響曲を、彼は3度にわたって全曲録音(もしくは録画)
していますが、2度目に当たるこの映像による全集は1970年代、
バーンスタイン50代のもっとも脂の乗り切った時期に収録されたもの
です。大部分の曲でウィーン・フィルが起用されていますが、
この時期急速に信頼関係を深めつつあったバーンスタイン&
ウィーン・フィルのコンビは、巨大で複雑なマーラーのスコアの
隅々まで、生きた人間の熱い血を通わせることに成功しています。
第2に、曲がすばらしい。
マーラーの交響曲はひとつひとつが独自のテーマを有した
巨大なモニュメントですが、この<第6番>は作曲者の自叙伝的な
内容を有するものとして注目されます。
ひとことで言うならば「ひとりの英雄(マーラー)の運命との
悲劇的な闘争」となりましょうか。マーラー流「運命交響曲」と
言ってもいいかもしれませんね。とはいえその物語ははっきりした
テクストで書き表されているわけではなく、音楽そのものの中に
託されているのです。つまり交響曲の形そのもの、それを構成する
要素そのものが、そのまま「物語」となっているのです。
全曲を貫く「運命のモティーフ」、愛する妻を描いた情熱的な
「アルマの主題」、「超越的な孤独」を象徴するカウ・ベル(牧場
で牛の首についている、あの鈴です)、英雄を3度にわたって襲う
「運命の打撃」を象徴する終楽章のハンマーの打撃...
山のようにある聴きどころが、重層的に折り重なって巨大な物語を
形作っている。こんな凄い交響曲は、マーラー自身の作品も含めて
ほかにちょっとありません。
第3に、映像がみごと。
ハンフリー・バートンという人が監督を務めていますが、
曲を完璧に理解したカメラは、指揮者、オーケストラ、
各奏者たちの間を縦横に行き来します。曲の重要なポイントでは、
そこでもっとも映ってほしい物がピタリと映ります。それはこの
<第6番>の前述したような特徴を聴き取るには最適で、
音楽そのものがあまりに凄すぎて聴き逃してしまいそうな「物語」を
くっきりと前景に浮き立たせてくれます。
この点こそ、私が「鑑賞会でこれを取り上げたら絶対おもしろい!」
と感じた最大の理由です。今後MCOなどオーケストラのコンサートを
生で聴かれる際にも、この「見方」はけっこう役立つと思います。
もちろん、ウィーンのムジークフェラインザールの豪華な内容も
存分に捉えられており、バーンスタインのダイナミックで全身没入型
の指揮ぶりもバッチリ楽しめます。これはほんとうに、歴史的な映像
ですよ。もうひとつおまけに、このDVD、なんと現在、レコード会社
と映像権利者との間での契約切れで廃盤、入手不能なのです。
これだけの偉大な遺産が手に入らないとはなんとも不幸な事態ですが、
それだけにこの鑑賞会で取り上げる価値は十分です。第一、たとえ
入手できたとしても、これだけの大編成の作品を満足できる音量で
楽しめる住環境を作るのはなかなか大変です。
そんなわけで、常連の方ならご存知の大画面と上質の音響システムで、
たっぷりこの名演を楽しめる今回の機会、ぜひお見逃しなく、と
申し上げておきましょう。
冒頭に私もちょっと解説させていただくつもりですが、
そこではマーラーとこの曲の背景、そしてこの曲を聴く(観る)上で
知っておくと絶対おもしろくなるポイントについて、お話させて
いただくつもりです(この曲をよくご存知の方にとっては、
特に目新しい話題ではないかもしれませんが... )。
終演後には、友の会の方々の心づくしのおもてなしが(なんか
ウィーンにちなむものが出てくるかもしれないとのことですよ)、
興奮と感動の余韻を楽しむための最高の「カーテンコール」と
なってくれることでしょう。
たくさんの方々がご来場いただけるといいな、と思っております。
お待ちしております!
矢澤孝樹(水戸芸術館音楽部門学芸員)
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第15回LD鑑賞会
バーンスタイン & ウィーン・フィル Play
マーラー「交響曲 第6番 イ短調<悲劇的>」
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鑑賞会に、様々なクラシック映像を楽しむ新メニューが登場。
第一弾は、バーンスタイン & ウィーン・フィルによる白熱の名演。
驚異のカメラワークでこの大交響曲の全貌が明らかになります。
現在入手不能の貴重な映像を大画面 & 高音質で!
監督:ハンフリー・バートン
解説:矢澤孝樹(水戸芸術館音楽部門主任学芸員)
日時:11月20日(土)14:00〜16:30
会場:水戸芸術館会議場
料金:無料
定員:先着80名(当日受付)
対象:友の会会員と同伴者1名
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水戸芸術館友の会 2004年度会員を募集しています
1993年春に結成されて以来、鑑賞会、講演会、見学会、交流会など
さまざまなジャンルを通して、皆様の興味や関心を刺激する事業を
お届けしてきた友の会。
今年もさまざまな特典をご用意しておりますので、より多くの方の
ご入会をお待ちいたしております。
会員の特典
・会報誌と芸術館催事スケジュールのご郵送
・友の会主催事業のご招待、ご優待
・専属楽団、劇団や友の会主催の公演チケット先行予約
・現代美術ギャラリーの企画展ご招待(各展覧会1回)
・館内レストラン、ミュージアムショップの割引
年会費:一般会員( 4月〜9月のご入会)3,000円
一般会員(10月〜3月のご入会)1,500円
維持会員(一口)50,000円
会員期間:4月1日〜翌年3月31日
入会資料のご請求は下記(SSL暗号化通信)からどうぞ。
資料一式は友の会事務局から郵送させていただきます。
ご氏名・郵便番号・ご住所をもれなくご入力ください。
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