これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Sat, 23 Jul 2005 17:04:24 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,01985] Special report #2 on "La Cucaracha" by Takuro Sakurai
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49257047.002C59BB.00@david.arttowermito.or.jp>
X-Mail-Count: 01985

▼水戸芸術館ATM速報2005年7月23日発 -------------------

今回の芝居は、時間が1868年の箱館五稜郭の戦争から、
台詞の上で言及されている終わりは1968年のメキシコ・オリンピック
まで、約100年に渡るスパンで進行。
その間、舞台の場所が日本とメキシコを、何回か渡って帰ってくる
構造で成り立っています。

時間と空間を飛んで、軽やかに登場人物が日本人とメキシコ人の
「はざま」を行き来する様は、単純に見ていて楽しい。
この行き来する様が、今回の芝居を観劇する肝の部分かなと考えて
います。

時間と空間を往還する運動の「はざま」から、
かつての榎本武揚の夢想、日本と日本人の未来の姿が見えてきます。
単に榎本武揚伝説を、劇作家が書こうと思ったのではなくて
(当然この物語の主人公は、彼ではない)、榎本というヴィションを
きっかけにして、日本の歴史の上で、ちょっとはみ出してしまった
人物たちを、そしてその人物たちが関わった出来事を、日本史とは
違う視座で描いてみると面白いのではないか。そういうところにこそ、
人間の本質、他人とのコミュニケーションの真実がみえてくるので
ないかなと、こんなところがこの芝居のメイン・テーマだと考えて
います。

しかし、そうした榎本武揚の発想のスケール感、ダイナミズムと
一言で言ってしまってもいい、幕末・明治期に描かれた、
または発揮された彼のヴィジョンは、頭のなかで詳細な世界地図を
一瞬の間に描けてしまう「完成された俯瞰の美意識」によって、
私たちに感動を与えています。
これは資料を調べれば調べるほどに、面白くなってくるのですが、
芝居のはなしから脱線する勢いなので、今はやめにして・・・

後半部分に展開されるシーンを睨みながら、
台本前半の稽古を繰り返す日々。

7月20日、舞台で装置の仕込み。いよいよ舞台稽古に突入です。


水戸芸術館演劇部門学芸員 桜井琢郎
*「稽古場から」 2 よりお届けしました。
  全文及び稽古場スナップ最新は下記でご覧ください。
http://www.arttowermito.or.jp/lacucaracha/lacucakeiko2j.html

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ACM劇場プロデュース <現代劇作家の新作>
『La Cucaracha ラ・クカラチャ―ゴキブリの歌』
作・演出:長谷川裕久
平成17年度文化庁芸術拠点形成事業
http://www.arttowermito.or.jp/lacucaracha/lacucaj.html
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登場人物/日本 1947年
男1:羽田正蔵。元アメリカ領事館シカゴ局員といわれる・・・。
外務省下級官吏の男: GHQの命を受けて羽田にインタビューをする。
日系アメリカ人の GHQの男:ジャップでチカーノ。日系である血を
      嫌っている。
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登場人物/日本 1877年
相馬主計:共和国五稜郭新選組隊隊長。東京に出て切腹したと言われ
      ていた。
市村鉄之助:土方歳三のお小姓。かわいいかもしれない・・・。
柴四朗:会津白虎隊出身。西南戦争に参加後、「佳人之奇遇」で明治
      のベストセラー作家・東海散士となる。
橋本:新選組の生き残り。抜刀隊士として西南戦争に向かう。
並木:同じく新選組の生き残り。相馬を西南戦争抜刀隊へと誘う。
亭主:新選組のみんなが仲間割れしたり、騒いだりする
      料亭のオーナー。
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登場人物/日本 1874年
榎本武揚:元蝦夷共和国総裁。後にメキシコ殖民団を組織する。
マヌエル・フェルナンデス:青年エリート・メキシカン。
      後のディアス大統領の政権下、メキシコに殖民団を招く。
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登場人物/メキシコ 1913年
男2:メキシコの砂漠で石の花を彫る、抜刀居合術の遊芸人。
男3:榎本殖民団の生き残りの男。
男4:自分をアメリカ人だと言い張るカメラを持った男。
男5:自分を日本人だと言う、靴磨きをするメキシコの百姓。
ウェルタ将軍:革命戦争当時の政府軍首領。
パンチョ:山賊出身の北部の革命家。
サパタ:農民出身の南部の革命家。

死のマリアッチ:羽田正蔵につきまとう、幻想のマリアッチ
マリアッチ・ダンサーズ:死のマリアッチと共に行動する女たち

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2005年 7月29日(金)19:00開演
2005年 7月30日(土)14:00開演/19:00開演(2回公演)
2005年 7月31日(日)14:00開演
料金(全席自由): 一般 2,500円/学生 1,500円

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