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Date: Wed, 9 Nov 2005 17:34:26 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,02031] Special information on ACM DANCE 2005
To: atm-info@arttowermito.or.jp
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▼水戸芸術館ATM速報2005年11月9日発-------------------
○聴こえる・・・ ○俺たちの唄 ○『スローバラード』が鳴る
○おとこのこおんなのこ ○光ふたつ ○砂時計 ○眺める・・・
○ラブソングは何処へ
(「ダンスを構成するキーワード」平松み紀)
今年の 6月頃から稽古をはじめた今回の
『スローバラード』プロジェクト。
平松み紀にとって「今現在の自分が、水戸という場所で、
ダンスを創造するために、必要とするダンサーたち」と、
いつも以上に長い時間をかけて作品づくりをすすめてきました。
9月のエントランスホールでのプレビュー版の上演を経て、
それからさらに稽古し洗練された究極の現代ダンスを、
今週末の ACM劇場でお楽しみください。
『スローバラード』という名の作品を考えていると
平松から聞かされたのが、今年の 4月。
「ス、ス、スローバラっどって、もしかして、きよしろ・・・・・」
「うん」
かなりあっさりと、そして率直に彼女は言いました。
94年以来、現代ダンスの作品を、ずっと劇場の看板のひとつとして、
上演しつづけてきて、その間、どうしても・・・そのなんというか
最先端の、"今のダンス" というイメージが売りでもあるがゆえに、
作品タイトル、舞台での使用曲などを含めて、ミニマルな、
それでいてソリッドな感覚を、前面に押し出してプログラムを組んで
きましたが・・・
それが、今回は『スローバラード』。
わかりやすいです。実にいいです、いいです。
続けて彼女は言いました。
「スローバラードって、ラヴソングのことなので、
今回はからだでラブソングを歌う、
これをテーマに作品をつくります。
出演するダンサーにそれぞれのラブソングを振付けて、
それが連鎖していくダンスにできればと思ってます。」
彼女が言うには、人間のからだのなかにある記憶、
たとえば日常の生活のなかで、どこかから聞こえてくる
耳慣れたラブソングに、無意識に反応しからだが乗ってしまう、
そんな音楽と身体との関係を今回の作品のモチーフにしたいとのこと。
どういうことなのかなぁと考えていましたが、11月 6日の夕方に
「通し稽古」を見てようやく理解できました。
9月にエントランスホールで『スローバラード』のプレビュー版を
上演した時よりも、はるかに躍動的で、見応えがあり、
ダンサーひとりひとりが舞台で何を伝えようとしているのか
明確になっていました。
奥行きのある、教会のようなイメージの空間で展開される
何層にも重なるダンスは、極めて理知的であり、
見るものに様々な愛についての言葉を想像させます。
音楽は、Theo Bleckmannの「anteroom」「a small house can carry
as much happiness as a large one」の 2曲が、
静々とダンスのなかを流れています。
ひじょうに期待できる作品に仕上がってきています。
ダンスは 8つのパートで構成されていて、
それぞれにキーワードとなる言葉(冒頭掲載)がつけられています。
公演当日に、無料で配布されるリーフレットに掲載予定の
平松み紀のライナーナート(音楽CDのジャケットをイメージして
作りました、お楽しみに!)とあわせて、一足先にお届けします。
鑑賞の参考にしてください。
また、9月のプレビュー版の際に配布したリーフレット掲載の、
ダンスの構成キーワードおよび平松のライナーノートも付しますので、
ご一読ください。
創造の過程が、なんとなく垣間見られる感じがします。
平松のライナーノートは、勢いよく書かれた、
それでいて簡潔な文章で綴られていますが、
先に書きましたように、とても理知的な作品であります。
近頃では、なかなか見ることのできないダンスだと思います。
お見逃しのないように。
演劇部門学芸員・櫻井琢郎
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平松み紀のライナーノート「ダンス ダンス ダンス★」
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忌野清志郎の「スローバラード」を聴いて
次のダンス作品のタイトルはこれにしよう〜と車の中で決めた。
POWER of soul! イェィ〜Rock'n roll!
肉体を絞るような唸り声、天使の笑顔、
鋭い言葉・・・POWER of soul♪
見えない何かがリアルに伝わってくる -- 。
"ダンスってどぉ観るの?" とよく聞かれる。
説明が必要だとも・・・。
このふたつはツラく、苦しい。
ある舞踊家のソロ公演を東京中野で見た時のこと。
無音の中で、じわじわとインクの染みが広がっていくように、
照明が円を生み出している。彼女は何もせず、ただ座っていた。
その何分間という時間は、まるで観客と彼女が対話をしているよう
だった。「こんにちは。」「お元気でしたか?」こんな感じの
単純な日常会話 -- 。
暖かいリアルな時間を肌で感じた。幸福の瞬間であった。
今回の作品『スローバラード』ではダンサーの肉体の歌声を届けたい。
エントランスでのプレビュー版を経験し、私が今現在、
決意して立っているクリエーションのスタンスです。
ダンサーとの作業もこの一本道を選択しました。
Road to 「スローバラード」 -- 狂おしいほどのダンスロード。
皆様とのこの瞬間、大切にそして烈しく、絶唱熱唱いたします。
2005. 11
平松 み紀
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『スローバラード』プレビュー版(2005年 9月10日)
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ダンスを構成するキーワード
○introduction "Hong Kong Rhythm" ○スローバラード
○なつみの唄 ○ゴロゴロ ○手をつなごう ○Jump
○ラブソング
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平松み紀のライナーノート「Road to スローバラード」
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今回の作品に参加しているダンサー達は毎週月曜日に水戸の南町で
ヨガを習っている。私と文乃さんを除いて -- 。私も誘われて無料
体験クラスを受けたが、育児の時間を優先させたいので断念した。
今でも、その時に教えていただいた事は身体に残っている。
先日のクラスで彼女達はマッサージを体験したらしい。二人一組で
お互いの身体に触れ合った後、先生がそれぞれの背中に手を当てて
下さったそうだ。そこで各自が先生に言われたことを紹介しよう。
●「疲れているわね」→高橋
●「心臓がカタイわね」→深澤
●「食べすぎ?」→倉内(本人曰く飲みすぎ)
●そして、金田さんは消化器系の弱さを相談したらしい。
私は、これらの原因の一端が自分にあることを充分承知の上で、
カラダボロボロダンサーズ」と命名した。と同時に、
私と文乃さんは仲間入りをしないぞと心に決めた。無理だと思うが
(ボロボロはあんまりなのでホロホロダンサーズにしよう)。
11月の公演までに「カラダホロホロダンサーズ」の誰かが少しでも
健康になっていることを祈る。彼女達の新しいエピソードとともに
また皆様と劇場で会えたら幸せだ。
前進しよう。劇場独特のカラダの音色を届けるために♪
2005. 9
平松 み紀
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ACM DANCE 2005 『スローバラード』
平成17年度文化庁芸術拠点形成事業
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2005年11月12日(土)19:00開演(18:30開場)
2005年11月13日(日)16:00開演(15:30開場)
会場:水戸芸術館ACM劇場
振付・出演:平松み紀(ACM劇場専属舞踊家)
出演:高橋明子(ACM劇場専属舞踊家)、金田光代、深澤南土実、
倉内亜貴野、小泉文乃
料金(全席自由): 一般 2,500円/学生 1,500円
ATM速報受信のお客様のみへのサービス、館ホームページから、
24時間無休で、公演前日18時または完売までご予約承ります。
https://www.arttowermito.or.jp/t/authenticate.cgi
上記URLまたは館日本語トップページ「ATM速報受信のお客さま専用
ご予約メニュー」をご利用ください。
*『スローバラード』は今週末ですので、チケット料金のご決済は
それぞれの公演当日に、エントランス窓口でお願いいたします。
「お受け取り方法」は「窓口」をお選びください。
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公演直前・絶唱熱唱予告!各ダンサーの通し稽古中のポーズを
下記に掲載いたしました。
http://www.arttowermito.or.jp/slowb/slowbj.html
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