これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Fri, 14 Jul 2006 22:03:08 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,02131] Family Workshop "Enjoy Playing Thumb Pianos"
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <492571AB.0047B2FC.00@david.arttowermito.or.jp>
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▼水戸芸術館ATM速報2006年7月14日発 -----------------

『親指ピアノを弾こう!』サカキマンゴーのファミリー・
ワークショップ、緊急決定のお知らせです。
公演とあわせて、夏の夕べを十二分にお楽しみください。
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この夏、水戸にやってくるアフリカのバンド「コノノNo.1」が使う
ことで話題を呼んでいるアフリカの楽器「親指ピアノ」。
鍵盤楽器のような打楽器のようなこのふしぎな楽器を、
あなたも弾いてみませんか?

楽器を用意しますので、なにも持って来る必要はありません。
楽譜が読めなくても、もちろん大丈夫。
日本を代表する親指ピアノ奏者・サカキマンゴーさんが、
楽しく、やさしく教えてくれます。
「コノノNo.1」のメンバーにも会えるかも!

ワークショップが終わる頃には、
あなたもアフリカン・ミュージシャン。
その後は、「コノノNo.1」のコンサートで盛り上がってください。
ご家族の夏休みの思い出にも、ぜひどうぞ!

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「アフリカ電気親指ピアノバンド コノノNo.1」関連企画
サカキマンゴーのファミリー・ワークショップ
親指ピアノを弾こう!
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■日時:2006年 8月24日(木)16:00〜18:00
■会場:水戸市民会館
■講師:サカキマンゴー(親指ピアノ奏者)
■対象:小学生以上
(小学生から大人までどなたでもご参加になれます。)
■参加料:1人につき1,000円
同じ日に行われる「コノノNo.1」のチケットを一緒に購入すれば
チケット1枚につき1人500円引き。
すでにチケットをお持ちの方も割引します。
*親指ピアノ(調律済)は当日無料でお貸しします。
  楽器を持って帰る場合は1個につき別途2,000円必要です。
■定員:30名 *定員に達し次第、締め切らせていただきます。

応募方法
PDFファイル等でお配りする申込用紙にご記入の上、水戸芸術館
エントランスホール・チケットカウンターまでご提出いただくか、
下記宛先までFAXもしくは郵送でお送りください。

*申込用紙付案内ファイルは下記より間もなくダウンロード可能と
  なります。(まだもう少々お待ちください。)
http://www.arttowermito.or.jp/musicpdf/kononofws.pdf
下記「コノノNo.1」ページにも間もなく追加表示いたします。
http://www.arttowermito.or.jp/2006/ongaku/konono1j.html

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水戸芸術館ホームページからのお申し込みも可能です。
下記のとおりどうぞ。(今すぐお申し込みいただけます!)
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1.館日本語トップページ「資料ご請求/お問い合わせ/各種受付
(SSL暗号化通信)」をクリックしフォームをお開きください。
2.次の項目を必ずご入力・送信ください。
(1) 件名欄:親指ピアノワークショップ参加
(2) ご氏名欄:グループでご参加の場合は代表者の方のお名前
(3) 郵便番号とご住所(詳しいお知らせをお送りします)
  (グループご参加の場合は代表者様の郵便番号とご住所)
(4) お電話番号(グループご参加の場合は代表者様の番号)
(5) 本文欄には、ご一緒にご参加の方のご氏名と年齢、
    コノノNo.1チケットご購入ご希望枚数(すでにチケットを
    お持ちの方はお持ちの枚数)をご入力ください。

詳細は、後日郵送でお知らせいたします。

申込用紙送付先/お問い合わせ
水戸芸術館音楽部門「親指ピアノワークショップ」係
(担当:中村・矢澤)
310-0063 茨城県水戸市五軒町 1-6-8
TEL:029-227-8118 / FAX:029-227-8130

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サカキマンゴー(リンバ・電気リケンベ・ムビラ・ンドノ・うた)
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タンザニアの楽器・リンバの演奏家。
リンバ以外にもムビラや電気リケンベなど、アフリカ各地の
ラメラフォーン(親指ピアノ)を演奏する。
伝統的な演奏スタイルのほか、アフリカ音楽がもつトランス感覚に
アジア的な叙情性を加えるなど独自の演奏スタイルでも知られる。
タンザニア国立歌舞団の主席奏者を務めた故・フクウェ・ウビ・
ザウォセにリンバの演奏と製作を、ジンバブエのガリカイ・
ティリコーティにムビラの演奏を、それぞれ師事。
大阪外国語大学ではアフリカ地域文化とスワヒリ語を専攻、
タンザニアの伝統音楽と楽器の音色について研究した。
コンゴ民主共和国の電気リケンベや、タンザニアで絶滅の危機に
瀕している楽器のひとつ・ニャキュサ民族のリンバを調査するなど、
定期的にフィールド ワークも続けている。
ソロ活動のほか、自身のバンド・「サカキマンゴー&LIMBA TRAIN
SOUND SYSTEM」や、森下知子(サックス)との即興演奏ユニット・
MA-NGOMAなどを主宰、ワークショップ、学校公演なども展開し、
大阪府箕面市のコミュニティーFM放送局・タッキー816では
「サカキマンゴーのSOUND PACKER」を担当、世界のポップスや
伝統音楽を紹介している。「国際理解に役立つ世界の民族音楽
第4巻アラブとアフリカの音楽」(若林忠宏監修・こどもくらぶ編
2003年4月・ポプラ社発行)など執筆活動も行っている。
公式ウェブサイト http://mango.orio.jp/

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電気親指ピアノの話

みなさまこんにちは。矢澤孝樹です。
さて、この「コノノ通信(自称)」、第1回の反響がさっそくあり、
ネット上でもすぐさまチケットをお買い上げいただく方が何人か
いらっしゃったと聞いております。そのようなお話を聞くと
ますます気合が入り、体内にアフロ・ビートがこだまするという
ものです。これからも「コノノ通信」、公演までできる限りの情報を
お届けしていきたいと思います。
ちなみに今、芸術館の館内にはベルギーのクラムド・ディスクが製作
したコノノNo.1のプロモ映像が流れています。
また、タワーやミュージアム・ショップ「コントルポアン」では
コノノNo.1のCDがヘヴィ・ローテーション中(お店にはCDのほか、
招聘元が作った特製Tシャツも並んでいます)。
コノノがどんなものか、知っていただくための大キャンペーン中です
ので、皆様どうぞおいでください。
そしてご覧になって(音を聴いて)気に入られたら、
すかさずチケットカウンターにGO!

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さて第1回はプロローグとして、「なぜこの演奏会を市民会館で行う
のか」についてお話させていただきました。第2回は、皆様が抱えて
いるもうひとつの「?」、つまり「電気親指ピアノって何?」に
ついて、お話させていただきます。

皆様、チラシをもう一度ごらんください。
http://www.arttowermito.or.jp/2006/jpg/konono1.jpg
表面左上のあたりに、緑がかった色の怪しい物体がありますね。
長方形の土台の上に、長さの異なる、細長く、平たい鉄棒が何本も
渡された謎の物体を。これは動物を捕まえる罠でも、拷問器具でも
ありません(←これ、どちらもこの楽器を見た方が私に言ってくだ
さった第一印象です。大受けしてしまいました)。
これが正真正銘、彼らの用いる「電気親指ピアノ」です。

ご説明にあたり、「電気」をまず取って、「親指ピアノ」の話から
はじめましょう。親指ピアノ、英語で Thumb Piano。Hand Piano
という言い方もあるようです。ヨーロッパでの正式(?)名称は
ラメラフォン Lamellaphone(ラメラという語は、ラテン語で
「薄板」の意味)。もちろんこれは、欧米の人々があとになって
つけた呼び名で、アフリカの人々にはなんの責もありません。

しかし、欧米人がこのようなあまり面白みのない名称をつけたのも
責められません。この楽器は、サハラ以南のアフリカではきわめて
ポピュラーな楽器ですが、地域によって呼び名がまったく違うから
です。アフリカの東部(タンザニアやモザンビークなど)では、
(私たちにはややこしいことに)「マリンバ」と呼ばれているよう
ですし、マラウィあたりでは「カリンバ」となります。
南東部のジンバブウェでは「ムビラ」。われらがコノノNo.1の住む
コンゴ、ザイールなどでは「リケンベ」と呼ばれています。
どれもアフリカっぽい名前でいいですね。
これらも一般的な総称で、民族によって呼び名には数限りない
ヴァリエーションがあるようです。
呼称はこのように違いますし、地方によって楽器の細部もいろいろ
異なるのですが、基本的な型と奏法があり、欧米での呼び名も
これに基づいています。

その基本的な型と奏法はどんな感じでしょうか。
ご覧のように、四角い板や箱(木製だったり鉄製だったり)に、
長さの異なる、細長く、平たい鉄棒を何本も渡して、その一端を
固定します。で、留めていないほうのもう一端を親指で(時には他の
指も使って)はじいて演奏するわけです。長さが異なるのは、
もちろんさまざまな音高の音を出し、旋律を奏でるため。
つまりこれは、一種の鍵盤楽器なのですね。
調律のシステムは千差万別のようですが、真ん中に一番長い鉄棒が
来るのが面白い。つまり長い鉄棒は低音を奏で、周囲に行くに
したがって徐々に短い鉄棒になる―つまり音が高くなってゆく。
これは、実際に、両側から楽器を持って、親指を鉄棒に置く形を
シミュレートしてみれば、なるほど合理的だとわかります。
ちなみに、鉄棒の並び方は特定の音型をひきやすい配置にするなど、
楽器によって違うようです。
ちらしに載っている 3つの楽器を見比べても、みな鉄棒の並び方が
違いますね。演奏スタイルは、コノノNo.1を見る限り、ラジコンの
コントローラーを操縦しているように、あるいは立って写生している
ように見えます(チラシ中央部やや下)。

さて、鉄棒をはじくことによって音を出すわけですが、
その音を増幅するために、本体が空洞上になっていたり(一本の木を
くりぬいたり、板を貼りあわせたり)、本体に響孔をあけたり、
さらに増幅するためにひょうたんの殻の中で弾いたり(ひょうたんを
「スピーカー」にするわけですね)、楽器によって実にさまざまな
仕掛けがほどこされています。さらに、板や本体に小さな金属板や
貝殻をとりつけ、振動によって生じるいわゆる「サワリ音」を出す
仕掛けも頻繁に見られます。

音ですか?きっと皆さん、聴けば「ああ、あれね」と思ってくださる
ことでしょう。ピアノやオルガン、木琴といった楽器と違い、
「鍵盤」をはじく、という独特の発音システム。
その音は、硬質で澄んでいて、かつ空気をふるわせる余韻を持ち、
独特のしなりを帯びてはじき出されます。
体内をなんとも心地よくくすぐる、チャーミングでミステリアスな
音色なのです。鳴り響いたとたんに、空気はアフリカ!なのです。

コノノNo.1はこの親指ピアノをアンプとスピーカーにつなぎ、
「電化」したわけですが、この楽器の特性から考えると別に特異な
ことではないと、おわかりいただけるでしょう。
つまり、本体を空洞にしたりひょうたんの殻を使ったりする代わりに、
「電気」を増幅器として使ったというわけですね。
しかし、この発想の転換が、彼らの音楽を民俗音楽から、
都市を生きるワールド・ミュージックに大きく変化させることに
なりました。そう、ギターがエレクトリック・ギターになって、
ロックンロールという音楽の創造に大きな役割を果たしたように。

というわけで、次回はいよいよ彼らの音楽に迫る・・・と
申し上げたいところですが、その前に、7月23日(日)に行われる
関連企画、映画『ホテル・ルワンダ』のお話をさせていただきたいと
思います。それでは皆様、また次回。

矢澤 孝樹(水戸芸術館 音楽部門 主任学芸員)

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