これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Sun, 26 Aug 2007 18:10:02 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,02277] Special Lecture on Works by Pierre Boulez
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49257343.00325BC5.00@david.arttowermito.or.jp>
X-Mail-Count: 02277

▼水戸芸術館ATM速報2007年8月26日発----------------

その時はつい自前の想像力で補ってしまって流してしまいながら、
あの時ニュートラルな自分になってもうちょっとだけ突き詰めて
おけばもっと早く面白さがわかったのにと、悔しがられた経験が
もしおありでしたら、ぜひ、水戸芸術館友の会・会員様のための
プログラムにご参加ください。ご入会をご検討中の方には特に、
実際のところを実感していただける機会がいくつもございます。

まさにその友の会ならではの好企画が、9月1日(土)にございます。
ご入場は無料、ご入会がまだのお客様もご遠慮なくご参加ください!
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「最先端の音楽をキャッチしよう!--ブーレーズの作品を楽しむ--」
第34回講演会「ブーレーズの肖像」関連企画
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2007年 9月 1日(土)14:00〜15:30(受付13:30〜/予約不要)
会場:水戸芸術館会議場
お話:中村 晃(水戸芸術館音楽部門学芸員)
お問い合わせ:水戸芸術館友の会事務局 TEL:029-227-8111

2週間後 9月14日の公演「ブーレーズの肖像」は、ブーレーズ本人の
監修によるもので、しかも日本では水戸でしか聴くことのできない
貴重な公演となります。
時代の先頭に立ち未来を切り拓く作曲家、ブーレーズの横顔や、
演奏会で取り上げる作品について、ブーレーズ自身による解説などを、
担当学芸員がご紹介いたします。

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第二次世界大戦が終わって間もなくのこと。
戦争を引き起こした前の時代に逆戻りしたくはないという想いの下、
今まで聴いたことのないような新しい音楽を創っていこうと、
才能溢れる若い作曲家たちが、次々とそのキャリアをスタートさせた。
こうした前衛作曲家たちのなかでも、指導的な役割を担い、
先頭を走っていたのが、ピエール・ブーレーズである。

<ル・マルトー・サン・メートル>は、
ブーレーズが最も先鋭的だった時代の傑作。
戦中のレジスタンスの英雄と目された詩人、ルネ・シャールの
テクストが用いられている。
また、声、アルト・フルート、ヴィオラ、ギター、打楽器という
発音原理の異なる多彩な楽器が組み合わされている。
打楽器は東南アジアやアフリカの音楽を、
ギターの特殊奏法からは日本の箏の音さえ想起させる。
文化の垣根を越えた、
地球規模の新しい響の創出が試みられているのだ。
ストラヴィンスキーは、1957年、この作品を
「今の新しい時代の中で真に価値ある唯一の作品」と称している。

1970年前後から、ブーレーズの作品に変化が見られるようになる。
その変化は、戦後の闘争から自由になり、より大きな視座で
音楽を眺めるようになったとでも言えそうだ。

<シュル・アンシーズ>は、
ブーレーズのこうした "今" を代表する作品で、
純粋な音楽の構成美が、音楽の未来を予見させる。
この作品の編成はとてもユニークで、3台のピアノ、3台のハープ、
3グループの打楽器というもの。
これらが舞台上にシンメトリックに配置され、
立体的な音響空間が創り出される。
また、すべての奏者に名人芸が要求されており、
華麗な妙技の競演が行われるという点も、魅力のひとつだ。

ブーレーズは、今回の演奏会の出演者として、
次世代の若い才能たちを選出した。
指揮者は、ジャン・ドロワイエ。
<ル・マルトー・サン・メートル>に出演する歌手は、
ヒラリー・サマーズ。
2人ともブーレーズが大きな信頼を寄せる俊英である。

そして、器楽演奏者について、ブーレーズは、現在、
氏が後進の育成のために心血を注いでいる、スイスのルツェルン国際
音楽祭の中で実施している、ブーレーズ・アカデミーに参加する
若く優秀な音楽家たちを推薦した。
ブーレーズ・アカデミーは、2004年から本格的に開始されており、
オーディションに合格したおよそ30にも及ぶ国の若者たちが、
毎年 8〜 9月にかけての3週間、現代作品の演奏の研鑽を積んでいる。
水戸での公演には15名の精鋭たちが参加する。

水戸公演に先立ち、今年のルツェルン国際音楽祭で全く同じ出演者、
プログラムの演奏会が予定されている。
ルツェルンで、ブーレーズ立会いの下、徹底的なリハーサル、
そして演奏会を経て、彼らは水戸に乗り込んでくる。
巨匠ブーレーズの奇蹟とも呼べる音楽探究の道程が、
21世紀を担う新しい世代に受け継がれようとしている。

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「ブーレーズの肖像」  監修: ピエール・ブーレーズ
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2007年 9月14日(金) 18:15開場・19:00開演
水戸芸術館コンサートホールATM

指揮:ジャン・ドロワイエ
コントラルト(歌手):ヒラリー・サマーズ
器楽:ルツェルン・フェスティヴァル・アカデミーの演奏家たち
おはなし:白石美雪

ル・マルトー・サン・メートル(主のない槌) (1953作曲/55改訂)
シュル・アンシーズ (1996作曲/98改訂)

主催:財団法人 水戸市芸術振興財団
共同制作:ルツェルン・フェスティヴァル・アカデミー

ルツェルン国際音楽祭
http://www.lucernefestival.ch/

料金(全席指定):一般:4,000円/学生:1,000円
                  ペア券(限定100組)7,000円
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チケット好評発売中
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  いただけます。(発売日 9:30以降、公演前日または完売まで無休)
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・館エントランスホールチケットカウンター(9:30〜18:00、月曜休)
・館チケット予約センター Tel. 029-231-8000(9:30〜18:00、月曜休)
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