これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

* こちらに掲載中のものは、送信後に修正等の必要が生じた場合は修正等を加えて掲載しています。あらかじめご了承ください。
* 丸ごと全文の転載はご遠慮ください。引用される場合は水戸芸術館公式サイト http://arttowermito.or.jp/ へのリンクをお願いいたします。

お問い合わせは下記よりお願いいたします。
>> お問い合わせフォーム


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Sat, 14 Mar 2009 19:48:14 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,02443] Piotr Anderszewski Piano Recital
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <OF18512500.FEF287CD-ON49257579.003B3A4C@GlobalDom1>
X-Mail-Count: 02443


▼水戸芸術館ATM速報2009年3月14日発------------------

1990年のリーズ国際コンクールは、世界中で大きな話題となった。
ベートーヴェン晩年の傑作にして難曲<ディアベッリ変奏曲>を
独創的に弾き、審査員、聴衆の注目と喝采を総ざらいにした
ワルシャワ出身の若者が、その後の本選から突如姿を消したので
ある・・・。

その若者の名は、ピョートル・アンデルシェフスキ。彼は、
自身の演奏に納得できず、コンクールを途中で棄権したのだった。
その後、あまたのレコード会社が彼に目をつけ、<ディアベッリ
変奏曲>のレコーディングを打診するが、アンデルシェフスキは
「まだその時期ではない」
とその誘いをことごとく断ってしまう。

二十歳になったばかりの演奏家にとっては、コンクールにしても、
レコーディングにしても、願ってもない大きなチャンスであった
だろう。しかし、アンデルシェフスキにとっては、自分が納得
できるクオリティこそが、何よりも大切なのだった。
己の信ずる道を行く若き完璧主義者=アンデルシェフスキは、
その後、じわりじわりと世界的な評価を高めていく。

精緻さとダイナミズムを共存させ、強いコントラストの中に
無限の豊かな階調を描き出すその演奏は、「古典」を新鮮な姿で
よみがえらせ、多くの聴衆を魅了してきた。今度のリサイタルで
演奏されるバッハ、シューマン、ヤナーチェク、ベートーヴェンは、
最近のアンデルシェフスキが特に力を入れている作曲家、
作品であり、その実力が存分に発揮されるプログラムとなっている。

21世紀を背負って立つであろうもっとも個性的なピアニストの一人
として、大きな期待が寄せられているアンデルシェフスキの
リサイタル。どうぞお聴き逃しなく。

担当:関根 哲也(水戸芸術館音楽部門学芸員)
http://www.arttowermito.or.jp/blog/sekine/

-------------------------------------------------
ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル
Piotr Anderszewski Piano Recital
-------------------------------------------------
2009年 5月31日(日)16:00開演(15:30開場)
水戸芸術館コンサートホールATM

J.S.バッハ:パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830
J.S. Bach: Partita Nr.6 e moll BWV830

シューマン:作品未定
Schumann: to be announced

ヤナーチェク:霧のなかで
Jana?ek: V mlh?ch

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 作品110
Beethoven: Sonate f?r Klavier Nr.31 As dur Op.110

主催:財団法人 水戸市芸術振興財団

料金(全席指定):4,000円
---------------------------------
チケット発売:2009年 3月28日(土)
---------------------------------
・館エントランスホールチケットカウンター(9:30〜18:00、月曜休)
・館チケット予約センター Tel. 029-231-8000(9:30〜18:00、月曜休)
・MUSIC SHOP かわまた Tel. 029-226-0351
・ヤマハミュージック関東 Tel. 029-244-6661
・チケットぴあ Tel. 0570-02-9999 (Pコード 319-374)
・CNプレイガイド Tel. 0570-08-9990
・ATM速報受信のお客さまに限り、館日本語トップページ「ATM速報
  受信のお客さま専用ご予約メニュー」からご予約いただけます。
(発売日 9:30以降、公演前日または完売まで無休)

---------------------------------------
ピョートル・アンデルシェフスキ(ピアノ)
Piotr Anderszewski, Piano

1969年、ポーランド人とハンガリー人の両親のもとワルシャワに
生まれる。現代における最も刺激的で魅力あふれるピアニストの
1人である。6歳でピアノを始め、リヨン、ストラスブールの音楽院、
南カリフォルニア大学、ワルシャワのショパン・アカデミーなどで
学ぶ。1990年のリーズ国際コンクールでは、予選で弾いたベートー
ヴェン<ディアベッリ変奏曲>の圧倒的な演奏が審査員、聴衆を
驚かせ、高く評価されたものの、別の曲の演奏に自身が失望し、
本選を棄権。その後、多くのレコード会社から<ディアベッリ変奏
曲>の録音の打診があったが、「録音にはまだ早い」とその誘いを
すべて断った。新人ながら、その完璧主義者ぶりが世界を注目させた。

1991年、ロンドンのウィグモア・ホールでのリサイタルは輝かしい
成功をおさめ、国際的な名声を確立。以来、集中力の高さと独創的な
解釈が高く評価され、カーネギーホール(ニューヨーク)、
ムジークフェラインザール(ウィーン)、シャンゼリゼ劇場(パリ)
など、世界の名だたるコンサートホールに定期的に登場し、
リサイタルを行っている。また、ベルリン・フィルハーモニー管弦
楽団、ボストン交響楽団、シカゴ交響楽団、ロンドン交響楽団、
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団など、世界一流のオーケストラ
とも数多く共演している。
協奏曲の弾き振りにも定評があり、シンフォニア・ヴァルソヴィア、
マーラー室内管弦楽団、スコットランド室内管弦楽団、ベルリン・
フィルのソリストたちなどと演奏している。

2000年、ヴァージン・クラシックスの専属アーティストとなり、
以来、数々の録音が賞を獲得している。ヴァージン・レーベルでの
初のレコーディングは『ベートーヴェン:ディアベッリ変奏曲』で、
その録音過程は映像作家ブルーノ・モンサンジョン(スヴャトスラフ
・リヒテルやグレン・グールドのドキュメンタリーの制作者)によっ
てDVDに記録され、大きな話題を呼んだ。この録音はディアパソン・
ドールなどの栄誉に輝いている。

ディスコグラフィにはこのほか、シンフォニア・ヴァルソヴィアを
弾き振りして録音した『モーツァルト:ピアノ協奏曲集』や、
グラミー賞にノミネートされた『バッハ:パルティータ第1番、
3番、6番』もある。同郷の作曲家、シマノフスキの音楽との関わり
は特に深く、『シマノフスキ:ピアノ作品集』は絶賛を集め、
2006年度のクラシックFMグラモフォン賞を受賞した。
最新のリリースは、『ベートーヴェン:6つのバガテル、ピアノ協奏
曲第1番』(ピアノ協奏曲はドイツ・カンマーフィルハーモニーを
弾き振り)。

1999年シマノフスキ賞を受賞、2001年イギリスのロイヤル・フィル
ハーモニック協会から2000年度最優秀器楽奏者賞を受賞したほか、
2002年4月には4年に1度卓越したピアニストに贈られるギルモワ・
アワードに輝いている。
2008/09シーズンは、カーネギーホール、シンフォニーホール
(シカゴ)、ディズニー・コンサートホール(ロサンゼルス)、
ロイヤル・フェスティバルホール(ロンドン)、サントリーホール
(東京)などでリサイタルを予定。また、ヴァイオリンのフランク
=ペーター・ツィンマーマンとのデュオもヨーロッパ各地で予定
されている。

現在、パリとリスボンに在住。

---------------------------------------------------------
ATM速報の配信停止・アドレス変更等のご連絡は下記で承ります。
mailto:atm-info-request@arttowermito.or.jp

事業に関するお問い合わせは下記までお気軽にどうぞ。
mailto:webstaff@arttowermito.or.jp

http://www.arttowermito.or.jp/index2.php 次回配信をお楽しみに!---