これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Wed, 25 Mar 2009 20:38:33 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,02448] The Portrait of Yuji Takahashi
To: atm-info@arttowermito.or.jp
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▼水戸芸術館ATM速報2009年3月25日発------------------

音楽は、はじめもなく、おわりもなく、ひたすらすぎさるもの、
友人たちへのおくりもの、悼むひびきのひそやかさ、
どこからともなく漂う、だれの声でもないささやき。

ベルリンで書かれた、音域や残響の差と確率分布による
『クロマモルフ(色のかたち)2』。
スイスのフェスティヴァルで初演されたゲーテの詩によるオルガン曲
『はじまりのことば オルフェウス教の』。
韓国の詩人高銀の詩につけた歌曲から抽出したピアノ曲
『さまよう風の痛み』。
韓国南部の民謡フンタリョンを解体再構成するヴァイオリン曲
『星火(流星の火)』。
時流に取り残された音楽家ダウランドの嘆きをてがみと
リュート歌曲のパロディーで構成するギターと朗読のための
『ジョン・ダウランド還る』。
柿本人麻呂の挽歌による『なびかひ』と尺八本曲『偲(しぬび)』。
沖縄の自立を夢見ながら自殺した中屋幸吉の詩による
『名前よ立って歩け』と『最後のノート』。
石垣りんの詩による『おやすみなさい』。

高橋 悠治
http://www.suigyu.com/yuji/

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高橋悠治の肖像  - 企画・構成・出演:高橋悠治
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2009年 7月18日 (土) 18:00開演 (17:30開場)
水戸芸術館コンサートホールATM

出演:高橋 悠治(ピアノ、おはなし)、及川 夕美(ピアノ)
      漆原 啓子(ヴァイオリン)、波多野 睦美(うた、朗読)
      笹久保 伸(ギター)、保田 紀子(パイプオルガン)
      志村 禅保(尺八)

高橋悠治 作曲
・クロマモルフ 2 (1964)(ピアノ:及川夕美)
・星火(2005)(ヴァイオリン:漆原啓子)
・なびかひ(2007)(ピアノ:高橋悠治)
・ジョン・ダウランド還る(1974)
  (英語朗読:波多野睦美、ギター:笹久保伸)
・はじまりのことば オルフェウス教の(1989)
  (ドイツ語朗読:波多野睦美、パイプオルガン:保田紀子)
    *オルガン演奏はエントランスホールで行います。
・偲(しぬび)(2007)(尺八:志村禅保)(日本初演)
・名前よ立って歩け/最後のノート(1981)
  (うた:波多野睦美、ヴァイオリン:漆原啓子、ピアノ:高橋悠治)
・おやすみなさい(2005)(うた:波多野睦美、ピアノ:高橋悠治)
・さまよう風の痛み(1981)(ピアノ:高橋悠治)

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円融無碍なる音の世界

音楽の根源をみつめ、世界のあり様を模索する音楽家・高橋悠治。
未開の領野を切り拓いてきたこの才人の、かけがえのない創作の軌跡
を辿る演奏会です。

高橋悠治は、ベルリンでクセナキスに学び、その後ニューヨークに
渡り、ヨーロッパやアメリカの前衛音楽を吸収しました。しかし、
ひたすら「新しさ」を追求していた前衛音楽家たちの中にあって、
彼はその潮流に乗ることなく、今日に至るまで一貫して、「音楽」の
本質的な意味やあり様を模索し続けています。その実践は、ときに
コンピュータを駆使した作曲のプロセスを案出し、ときに変革を望む
民衆たちの歌を作り上げ、ときに身体と結びついた伝統楽器に命を
吹き込んできました。

そして、高橋悠治の作品は、東洋的な視座をも持ち、万物が自在に
往還する円融無碍の世界を目指そうとしているかのようです。
彼の作品を通して、私たちの精神風土の根底にあるであろう
東洋的なものの見方を「再発見」するとともに、「音楽」や「歌」の
あるべき姿というものを、聴衆の皆様と共に探っていく契機となれば
とも思います。

高橋悠治自身が自作について語り、演奏を行います。さらに、彼が
友情と信頼を寄せる、魂を共有し合う演奏家たちが集結します。
どうぞ、高橋悠治の音楽に、耳を傾けてみてください。

担当:中村 晃(水戸芸術館音楽部門学芸員)
http://www.arttowermito.or.jp/blog/nakamura/

主催:財団法人 水戸市芸術振興財団


料金(全席指定):一般:3,000円/学生:1,000円
*学生券は水戸芸術館のみの取り扱いとなります。
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チケット発売:2009年 3月28日(土)
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・館エントランスホールチケットカウンター(9:30〜18:00、月曜休)
・館チケット予約センター Tel. 029-231-8000(9:30〜18:00、月曜休)
・MUSIC SHOP かわまた Tel. 029-226-0351
・ヤマハミュージック関東 Tel. 029-244-6661
・チケットぴあ Tel. 0570-02-9999 (Pコード 319-388)
・CNプレイガイド Tel. 0570-08-9990
・ATM速報受信のお客さまに限り、館日本語トップページ「ATM速報
  受信のお客さま専用ご予約メニュー」からご予約いただけます。
(発売日 9:30以降、公演前日または完売まで無休)

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高橋 悠治(作曲、ピアノ)

1938年東京生まれ。柴田南雄、小倉朗に作曲を学ぶ。
63年にベルリンへ渡り、ヤニス・クセナキスに師事し、欧州各地で
演奏活動。クセナキス作品を演奏したアルバムでフランス・ディスク
アカデミー大賞を受賞。66年よりニューヨークへ移住。のちニュー
ヨーク州立大学バッファロー校「創造と演奏の芸術」センター
メンバーとなり、コンピュータを使用し作曲。バークシャー、
タングルウッド音楽祭などに出演。またソリストとしてロンドン交響
楽団、トロント交響楽団、ニューヨーク・フィルハーモニックなどと
共演。72年に活動の本拠を日本に移す。武満徹・湯浅譲二らに呼びか
けて作曲家グループ「トランソニック」を結成、季刊誌の編集などを
行う。DENONレーベルにバッハやサティのピアノ曲などを録音。78年
よりアジア民衆の抵抗歌をうたう水牛楽団を組織。また即興、
コンピュータによる作曲やライブを行う。90年以後は邦楽器や雅楽の
楽器のための作品を多数発表。92年よりフォンテックにてCDシリーズ
「高橋悠治リアルタイム」を開始。2004年以降はエイベックス
クラシックスでも「ゴールドベルク変奏曲」「solo(ピアノ小品集)」
などを制作している。著作としてCD付絵本「けろけろころろ」
(福音館書店)、「音の静寂 静寂の音」(平凡社)、「きっかけの
音楽」(みすず書房)など。08年フォンテックよりモンポウ、
ブゾーニ作品のCDが発売された。
水戸芸術館では、「日本の芸術1960s演奏会」(97年)、J.S.バッハ、
自作などによる「ピアノ・リサイタル」(07年)などに出演している。

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及川 夕美(ピアノ)

東京芸術大学音楽学部器楽科を卒業。ピアノを岡村茂子、勝谷壽子、
クラウス・シルデに師事。芸大在学中より、日本音楽コンクール
作曲部門本選会、アジア作曲家連盟音楽祭バンコク大会、ISCMの夕べ、
などで数多くの新作初演を手掛ける。1997年、日本現代音楽協会主催
現代音楽演奏コンクール「競楽」にて第 3位受賞。韓国21世紀音楽協
会演奏会、トンヨン音楽祭(韓国)、タイ・ミャンマー交流音楽会、
オランダ、ガウデアムス現代音楽週間等にも招聘されている。現在、
アンサンブルコンテンポラリーα、アンサンブル東風のメンバーとし
てアジアを中心に現代音楽の演奏活動を行う。中国楽器や邦楽器など
との共演にも力を注いでいる。

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波多野 睦美(メゾ・ソプラノ)

宮崎大学教育学部卒業後、ロンドンのトリニティ音楽大学声楽専攻科
を修了。1990年、イギリス・ルネサンスのリュートソング演奏で
デビュー。その後イタリア、スペインのバロック歌曲から日本・
イギリス・ドイツ・フランスの近現代の歌曲を主要なレパートリーと
して活動。リュートソングでは J. ダウランド作品を中心にリュート
奏者つのだたかしと日本、イギリスでコンサートを重ね、
ケンブリッジ、リンカーンなど各地の古楽フェスティバルに出演。
オペラへの出演に加え、アンサンブル・ボレアード、
バッハ・コレギウム・ジャパンなどの古楽オーケストラとの共演も
多い。PARDON、エイベックスの両レーベルを中心に多数のCDを
リリースしている。
水戸芸術館では「タブラトゥーラ演奏会」(92年)、
「ニュー・イヤーコンサート」(99年)、「日本の歌・この100年」
(01年)に出演している。

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笹久保 伸(ギター)

クラシックギターを学び、国内のギターコンクールの受賞歴多数。
2004年より単身ペルーへ渡り、アンデスの村々を旅し、音楽を学ぶと
同時に音源を採集する。それらの音源を基にギターソロのCDを9枚
リリース。これまでに、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン、
ギリシャ、ブルガリアなどの国際音楽祭に招待され、リサイタル、
マスタークラスを開く。08年にはゴッチェ・デルチェブ国際
ギターコンクール&フェスティバルに審査員および招待演奏家として
招かれる。また、同年来日したペルー大統領への演奏も企画された。
ペルー伝統的音楽の後継者の一人として高く評価される一方、
現代的な作品も発表している。

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漆原 啓子(ヴァイオリン)

1981年、第8回ヴィニャフスキ国際コンクールに於いて最年少18歳で
日本人初の優勝と6つの副賞を受賞。翌年、東京芸術大学卒業。
86年、ハレー・ストリング・クァルテットとして民音コンクール
室内楽部門で優勝並びに斎藤秀雄賞を受賞。ウラディーミル・
スピヴァコフ、イルジー・ビエロフラーヴェク、フェルディナント・
ライトナー、ハインリヒ・シフ等の指揮者や、ハンガリー国立交響
楽団、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン放送
交響楽団等と共演。
CDも多数あり、07年には小林道夫と「J.S.バッハ:ヴァイオリンと
チェンバロのためのソナタ全集BWV1014-1019」をEXTONレーベルより
リリース。現在、国立音楽大学客員教授。

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保田 紀子(パイプオルガン)

東京芸術大学楽理科、オルガン科卒業及び大学院修了。島田麗子、
廣野嗣雄、秋元道雄に師事。1980年ドイツ政府給費留学生(DAAD)と
して渡独。フライブルク国立音楽大学でジグモンド・サットマリーに
師事し、同大学卒業。83年秋に帰国後は、東京カテドラル、
サントリーホール、東京芸術劇場等でコンサート、NHK・FMに録音の
他、合唱団、合奏団との共演も多数。85年ドイツ・ジンツィヒに
おける現代音楽週間に招かれて好評を博し、以後、シリーズで現代
音楽のリサイタルを開催している。
現在、松本市音楽文化ホールオルガニスト。
水戸芸術館では、「現代音楽を楽しもう 第4回」(91年)に
出演している。

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志村 禅保(尺八)

地無し尺八・長管尺八吹奏家。竹保流開祖・酒井竹翁、三世宗家・
酒井松道に師事。これまで、虚無僧尺八奏法を基本にし、本曲と
現代曲の吹奏、Cyber尺八を開発し、コンピュータ音楽創作・研究等
で活動してきた。古楽器尺八の音楽学的研究で学術博士号取得。
本年より「地無し尺八研究会・付属尺八博物館」を組織し、
尺八再評価の可能性を追究。
CDは浜松市楽器博物館コレクションシリーズ6「古管尺八1 - 音の
表情」、主著は「古管尺八の楽器学」出版芸術社、「世界音楽の本」
岩波書店(共著)など。
現在、大阪芸術大学音楽学科准教授、虚竹禅師奉讃会常任理事、
NPO法人日本尺八協会理事ほか。


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