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Date: Sat, 5 Sep 2009 21:27:26 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,02494] 8 Days - Beuys in Japan
To: atm-info@arttowermito.or.jp
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▼水戸芸術館ATM速報2009年9月5日発 -------------------

Beuys in Japan:ボイスがいた8日間
2009年10月31日(土)〜2010年 1月24日(日)

本展は、20世紀ドイツ美術の第一人者、ヨーゼフ・ボイス (1921〜
1986) の作品や活動を、日本との関係を通して読み解く展覧会です。
1921年にドイツのクレーフェルトで生まれたボイスは、第二次世界
大戦にナチスの通信兵として従軍しますが、クリミア半島を飛行中に
撃墜され、現地の遊牧民であるタタール人に命を救われます。戦後
ボイスはデュッセルドルフの芸術アカデミーで彫刻を学び、芸術家と
して活動を開始しました。

1960年代前半には、ジョージ・マチューナスが設立した、フルクサス
の活動にナム・ジュン・パイクらと共に参加し、アクション(パフォ
ーマンス)の発表を開始します。全世界的に学生運動が活発化した
1960年代後半、ボイスも「ドイツ学生党」を結成し、自分が教授とし
て所属する芸術アカデミーの学生定員制度に反対し、教育の機会均等
の権利を求めて大学当局と対立するようになります。

1970年代には、「国民投票による直接民主主義のための機構」や、
「創造と学際的研究のための自由国際大学」を設立したり、
エコロジー運動とつながりがある「緑の党」に立候補するなど、
従来の芸術家の範疇を超えた活動を続々と開始しました。
こうした活動は、芸術とは絵画や彫刻といった「モノ」を作ること
だけではなく、たとえ日常的な行為でも創造性をもって主体的に行え
ば芸術となる、という「拡大された芸術概念」や、社会とは人々が
創造性をもって造形してゆくものだ、という「社会彫刻」といった
ボイスの思想を背景としています。

ボイスは、1984年に来日し、8日間という短い時間の中で、展覧会、
パフォーマンス、学生との対話集会、レクチャーなど、さまざまな
ボイスの芸術活動を展開し、日本のアート界に賛否両論を巻き起こし
ました。本展では、このたび25年ぶりに発見された来日当時に制作
されたドキュメンタリーの未公開映像のほか、250点以上のマルティ
プル作品、ボイスの足跡を示す展覧会やパフォーマンスのポスター、
来日時に交流があった日本人評論家やアーティストのヴィデオ
インタビューなど、貴重な作品や資料が公開されます。

また、国際シンポジウムやパフォーマンス、トークなどの関連企画で、
ボイスのメッセージを多角的に検証します。

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ヨーゼフ・ボイス プロフィール
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ヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys、1921年〜1986年)は、
ドイツの現代美術家・思想家・教育者・社会活動家。
脂肪やフェルト、石といった天然の素材を用いた立体作品や、
巨大インスタレーションを制作したほか、パフォーマンスや、
学生、政治家などと活発な公開議論も行った。
「人間は誰でも芸術家である」と語り、人間ひとりひとりが創造性を
もって参与することでより良い社会をつくりあげる「社会彫刻」という
概念を提唱し、晩年は「緑の党」の設立やエコロジー運動に関わった。
1984年に西武美術館の招聘で来日し、展覧会の他に対話集会、
パフォーマンスをおこない、後進のアーティストや美術関係者に
影響を与えた。

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展覧会概要
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展覧会名:Beuys in Japan:ボイスがいた8日間
欧文表記:8 Days - Beuys in Japan
会期:    2009年10月31日(土)〜2010年 1月24日(日)
会場:    水戸芸術館現代美術ギャラリー
開館時間:9時30分〜18時 *入場は17時30分まで
休館日:  月曜日・年末年始12月27日(日)〜2010年1月4日(月)
          *11月23日、1010年1月11日(月・祝)は開館、翌11月24日、
            2010年1月12日(火)休館
入場料:  一般800円、前売・団体(20名以上)600円
          中学生以下・65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と
          付き添いの方1名は無料
一年間有効フリーパス
  → ハイティーンパス「H.T.P.」1,000円/対象15歳以上20歳未満
  →「おとなのパス」2,500円/対象20歳以上
  *取扱は、水戸芸術館エントランスホールチケットカウンター
主催:財団法人水戸市芸術振興財団、読売新聞東京本社
後援:ドイツ連邦共和国大使館、ドイツ文化センター
助成:芸術文化振興基金、財団法人ポーラ美術振興財団、
      財団法人吉野石膏美術振興財団
協力:株式会社I&S BBDO、アサヒビール株式会社、株式会社創夢、
      株式会社竹尾、北海道大学文学研究科芸術学研究室
企画:高橋 瑞木(水戸芸術館現代美術センター学芸員)

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関連企画
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1. 国際シンポジウム「21世紀にボイスを召還せよ!」
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ヨーゼフ・ボイスは、作品の制作だけでなく、経済や政治についての
ディスカッションを通して「拡大された芸術概念」を展開しました。
本シンポジウムでは、第一部に公私ともにボイスと親交の深かった
レネ・ブロック氏、昨年ボイスの大回顧展を企画したハンブルガー・
バーンホフ現代美術館チーフキュレーター、オイゲン・ブルーメ氏を
基調講演にむかえ、ボイスと共に歩んだ軌跡とボイスのヴィジョン、
アートについて語っていただきます。
第二部では、学者、評論家、アーティストらによってボイスが来日し
た1984年の日本の思想、芸術の状況について検証し、政治や経済状況
が大きく変化した21世紀社会における芸術と政治、アクションの有効
性について議論します。
・日時:2009年11月15日(日)13:00〜18:30(開場12:30)
・会場:水戸芸術館コンサートホールATM
・定員:300名
*料金は展覧会入場料に含まれます。*予約不要

  第一部(英・日逐語通訳)13:15〜14:05
    基調講演1:レネ・ブロック
              (Tanas ベルリン、ディレクター、キュレーター)

    レネ・ブロック:1942年、デュッセルドルフ生まれ。
    1962年にベルリンにギャラリーをオープンし、ボイスを公私とも
    に支援した。中でも1974年ニューヨークのレネ・ブロック画廊で
    開催されたボイスがコヨーテとギャラリーで過ごすアクション
    「私はアメリカが好き。アメリカも私が好き」はあまりに有名で
    ある。1997年から2006年まで、カッセルのフリーデリチアヌム
    美術館のアーティスティック・ディレクターを務めた。その他に
    シドニービエンナーレ、イスタンブールビエンナーレ、
    光州ビエンナーレなどのキュレーターを務めている。

    オイゲン・ブルーメ:1951年、ビッテルフェルド生まれ。
    フンボルト大学で考古学、美学、カルチュラルサイエンスを学ぶ。
    1995年からベルリンのハンブルガー・バーンホフ現代美術館に
    勤務。ボイスのメディアアーカイブを設立した。2007年には、
    ボイスの大型回顧展「Beuys. Die Revolution sind wir (ボイス
    我々が革命だ)」を企画。

  第二部(英・日逐語通訳)15:15〜16:40
    パネルディスカッション 1:消費社会とユートピア
    モデレーター:四方幸子
          (NTT インターコミュニケーションセンターキュレーター)
    パネリスト:仲正昌樹(金沢大学法学類教授、現代思想)
                毛利嘉孝(東京藝術大学准教授)
                山本和弘(栃木県立美術館シニアキュレーター)

    四方幸子:NTTインターコミュニケーションセンターキュレーター。
    メディア芸術表現の横断的研究、アートの可能性が研究テーマ。
    また世界各国において、メディア各組織のアドバイザーとして
    活動。 Transmediale(ベルリン)、eyebeam(ニューヨーク)
    アルス・エレクトロニカ賞審査委員(オーストリア、2000、2003)、
    ナム・ジュン・パイク賞審査員(ドイツ、2004)他。

    仲正昌樹:金沢大学法学類教授。東京大学総合文化地域文化研究
    先行博士課程修了。専門は政治思想史、比較文学。
    著書に『ポスト・モダンの左旋回』(情況出版)、『法の共同体』
    『歴史と正義』(以上、御茶の水書房)、『なぜ「話」は通じない
    のか』(晶文社)、『「不自由」論』『お金に「正しさ」はあるの
    か』『「分かりやすさ」の罠』(以上、ちくま新書)、『日本と
    ドイツ 二つの戦後思想』『日本とドイツ 二つの全体主義』
    (以上、光文社新書)、『美のポリティクス』(御茶の水書房)など
    多数。

    毛利嘉孝:東京藝術大学准教授、社会学者・文化研究者。
    京都大学経済学部卒。ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ
    PhD(社会学)。専門は社会学・文化研究。特に音楽や現代美術、
    メディアなど現代文化と都市空間の編成や社会運動をテーマに
    批評活動を行う。 主著に『文化=政治:グローバリゼーション
    時代空間の叛乱』(月曜社)、『ポピュラー音楽と資本主義』
    (せりか書房)、『はじめてのDiY』(ブルース・インターアクショ
    ンズ)など。北九州国際ビエンナーレディレクターなども勤める。

    山本和弘:栃木県立美術館シニアキュレーター。東京藝術大学・
    東北芸術工科大学非常勤講師。東北大学文学部哲学科卒。
    主な展覧会企画に「冬のメルヘン--20世紀ドイツ美術の神話」
    (1993年) など。主な論文に「ヨーゼフ・ボイス研究--<黒板>
    (東京藝術大学蔵)」(東北芸術工科大学紀要第15号)など。
    主な訳書『評伝ヨーゼフ・ボイス』(美術出版社)『なぜアーテ
    ィストは貧乏なのか--芸術という例外的経済』(グラムブックス、
    2006年)。

  第二部(英・日逐語通訳)16:50〜18:10
    パネルディスカッション 2:アクションは生きているか?
    モデレーター:木幡和枝(東京藝術大学先端芸術表現科教授)
    パネリスト:小田マサノリ/イルコモンズ
                (民族学者、アクティビスト、元現代美術家)
                白川昌生(現代美術家)
                椿 昇(現代美術家)

    木幡和枝:東京藝術大学先端芸術表現科教授。出版社勤務後
    フリーのアート・プロデューサー、編集者、翻訳者、同時通訳者。
    1978〜83年アムステルダムのオルタナティブスペースの草分け
    De Appel に参加、90年代より NY の P.S.1 Contemporary Art
    Center客員キュレーター、Art Radio (NY)プロデューサー、
    1982年東京中野にアーティスト共同運営スペース<plan B>設立、
    1988年より<白州・夏・フェスティバル>(現在は<ダンス白州>
    と改称)事務局長・実行委員。主な翻訳書にスーザン・ソンタグ
    『この時代に想う』『良心の領界』『同じ時の中で』(いずれも
    NTT出版)。

    小田マサノリ/イルコモンズ:民族学者、アクティビスト、
    元現代美術家。東京外大アジア・アフリカ言語文化研究所特任
    研究員、中央大学兼任講師。1989年から1996年にかけアフリカで
    フィールドワークを行う。帰国後「日本ゼロ年」「横浜トリエン
    ナーレ」に出品。2002年「去年、トリエンナーレで」展最終日に
    「現代美術家廃業宣言」。2003年イラク戦争に抗議し、
    「殺す・な」に参加。以後、イルコモンズ名義でさまざまな社会
    運動にコミットしながら表現活動を行う。

    白川昌生:現代美術家。1948年、福岡県北九州市生まれ。ドイツ
    国立デュッセルドルフ美術大学で彫刻を学び、ヨーロッパを拠点
    として国際的に活躍する。後、一地方都市である群馬に移り住み、
    場所が持つ記憶や歴史に注目した作品の制作をはじめる。
    1993年、美術活動団体「場所・群馬」を創設し、地域に住む多く
    の美術作家と協働での作家活動を、現在に至るまで展開中である。
    また、制度としての美術をめぐる著作など、幅広い分野で活動し
    ている。

    椿昇:現代美術家。京都造形大学教授。1993年「ベニスビエンナ
    ーレ・アペルト」に出品。 2001年横浜トリエンナーレでは情報
    哲学者の室井尚と共作「飛蝗(プロジェクト・インセクト・
    ワールド)」を発表。2004年10月パレスチナ「アルカサバ
    シアター」の舞台美術を担当。同時にウェブプロジェクトの
    「RADIKAL DIALOGUE」を開始。主な個展に2003年水戸芸術館で
    「国連少年展」、2004年京都国立近代美術館で「2004-2009:
    GOLD/WHITE/BLACK」など。

2. 遠藤一郎パフォーマンス「愛と平和と未来のために」
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未来芸術家 遠藤一郎が、パフォーマンスやワークショップを
水戸芸術館敷地内で行い、ボイスに挑みます。
・パフォーマンス実施日:
  11月4日(水)〜13日(金)、11月17日(火)〜30日(月)を除く
  開館中毎日
  (10月31日(土)、11月3日(火・祝)、1月24日(日)には
   特別パフォーマンス有)

3. 「Beuys in Japan」上映会
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1984年にリリースされた『Beuys in Japan』(プロデューサー:
泉秀樹、ディレクター:畠山直哉)のオリジナル映像デジタル
リマスター版の上映。
・日時:2009年11月7日(土)、8日(日)14:00〜15:00(開場13:30)
・会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー内ワークショップ室
・定員:80名
*料金は展覧会入場料に含まれます。*予約不要

4. トーク「今日のオルタナティブ」
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京都で文化・芸術・教育に関わるプログラムのディレクションや、
メディアと政治に関するプロジェクトに携わる須川咲子氏と、
国内外各地でオルタナティブスペースの立ち上げに関わっている
遠藤水城氏、アーティストの高嶺格氏を迎えて、芸術やオルタナ
ティブスペースの可能性についてトークをおこないます。
・日時:2010年1月9日(土)14:00〜16:00(開場13:30)
・会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー内ワークショップ室
・定員:80名
*料金は展覧会入場料に含まれます。*予約不要

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関連企画
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キュレーター・トーク
・企画担当学芸員 が展覧会について語ります。
・日時:2009年12月5日(土)14:00〜15:00
*料金は展覧会入場料に含まれます。

ウィークエンド・ギャラリートーク
・CACギャラリートーカーとともに展覧会を鑑賞します。
・日時:2009年11月14日(土)〜2010年1月24日(日)
  毎週土・日曜日 各日14:30〜(約40分)
  ただし、12月5日と年末年始は除く。
*料金は展覧会入場料に含まれます。

赤ちゃんと一緒に美術館散歩
・係員が付き添い、解説付きでお子さんと一緒の鑑賞を
  サポートします。
・日時:2009年11月20日(金)、11月27日(金)
        各日 9:30〜/11:00〜
・定員:各回 5組 (先着順・要電話申込)
・対象:未就学児とその保護者
*料金は展覧会入場料に含まれます。

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同時開催 クリテリオム77 矢口克信
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昨年、水戸の町中にある空き家での展示を機に「喫茶店」を営み始め、
古き良き時代の価値を探究しつづけている矢口克信が、本展では自身
の活動の「あとさき」を、これまでとは違った角度から見つめます。
会期:2009年10月31日(土)〜2010年 1月24日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室
協賛:株式会社アイ・ティ・エイチ
      有限会社アジアシステムサービス
企画:竹久 侑(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
*料金は展覧会入場料に含まれます。
クリテリオムは、ラテン語で「基準」を意味し、
水戸市民のサポートのもと、若手作家の新作を中心に紹介する
企画展です。

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日比野克彦「HIBINO CUP」
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全国に拡がった日比野克彦によるアートとスポーツのワークショップ
「HIBINO CUP」が今年も発祥地、水戸芸術館で開催されます。
午前は日比野さんと共にゴールとボールそしてチームユニフォームを
制作し、午後にミニサッカーをプレーします。
日時:2009年11月1日(日) 10:00〜17:00
会場:水戸芸術館広場
対象:小学生以上
参加費:個人参加500円、グループ(5〜7名)2,000円
お問合せ・お申込:
  HIBINO CUP実行委員会 (担当/ 神尾)
  Tel. 090-4662-0637
  e-mail:hibinocup@kami-zen.com
主催:財団法人水戸市芸術振興財団、NPO法人韋駄天、
      HIBINO CUP実行委員会
協力:FC水戸ホーリーホック

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日比野克彦「明後日朝顔水戸2009収穫祭」
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5月に苗を植え、夏に涼しげな花を咲かせていた「明後日朝顔」の
種を日比野克彦さんと一緒に収穫します。収穫した種は、来年、
さまざまな参加地域へと届けられ、地域と地域、人と人をつなげる
橋渡しとなります。
日時:2009年11月23日(月・祝) 10:00〜16:00
会場:水戸芸術館回廊2階
主催:財団法人水戸市芸術振興財団、社団法人水戸青年会議所
協力:茨城県立水戸農業高等学校

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http://www.arttowermito.or.jp/ 次回配信をお楽しみに!------