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Date: Wed, 9 Sep 2009 16:12:12 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,02495] Winner, the Yoshida Hidekazu Prize for 2009
To: atm-info@arttowermito.or.jp
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▼水戸芸術館ATM速報2009年9月9日発 -------------------
「音楽を聴く」とはどういうことかを音楽の受容の面から捉え直した
刺激的な啓蒙書である。
著者は、受容にはさまざまなレヴェルで隠された「型」があり、
「聴き方」とは「聴く型」のことだと捉え、隠された型を明らかにし
整理していく。言葉を介在させない音楽聴取とは、逆に音楽をどう
言葉にしてきたか、「歴史」の文脈のなかで演奏はどう変わってきた
かを、ドイツ・ロマン派の音楽にあるいはポリーニやグールドの演奏
に辿っていくのである。繰り出される実例は実に豊富で説得力があり、
教えられることが多い。これらの「型」を蓄え、「聴き方」において
より自覚的になれば、音楽との対話は生き生きとなり音楽体験もより
豊かなものになるだろうと説く。
表題の軽さにかかわらず、歯ごたえのある内容である。力のこもった
評論だ。
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第19回 吉田秀和賞 受賞作品
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岡田 暁生『音楽の聴き方』(中公新書 2009年6月刊)
http://www.chuko.co.jp/
岡田 暁生(おかだ・あけお)
1960年京都市生まれ。大阪大学大学院博士課程単位取得退学。現在、
京都大学人文科学研究所准教授。文学博士。専攻は、西洋音楽史。
主要著書に『<バラの騎士>の夢』(春秋社)、『オペラの運命』
(中公新書)、『西洋音楽史』(中公新書)、『ピアニストになり
たい!』(春秋社)などがある。
2001年『オペラの運命』でサントリー学芸賞、2008年『ピアノストに
なりたい!』で平成20年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。
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候補書籍の総数123点
(音楽38点、美術38点、演劇16点、映像13点、建築7点、
その他(文化史など)11点)
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これまでの受賞作品:
第 1回(1991年、平成 3年度)
秋山邦晴「エリック・サティ覚え書き」
青土社 http://www.seidosha.co.jp/ 1990年6月刊
第 2回(1992年、平成 4年度)
持田季未子「絵画の思考」
岩波書店 http://www.iwanami.co.jp/ 1992年4月刊
第 3回(1993年、平成 5年度)
該当作品なし
第 4回(1994年、平成 6年度)
渡辺保「昭和の名人 豊竹山城少掾」
新潮社 http://www.shinchosha.co.jp/ 1993年9月刊
第 5回(1995年、平成 7年度)
松浦寿輝「エッフェル塔試論」
筑摩書房 http://www.chikumashobo.co.jp/ 1995年6月刊
第 6回(1996年、平成 8年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/0/35.html
長木誠司「フェッルッチョ・ブゾーニ」
みすず書房 http://www.msz.co.jp/ 1995年11月刊
第 7回(1997年、平成 9年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/200/256.html
伊東信宏「バルトーク」
中央公論社 http://www.chuko.co.jp/ 1997年7月刊
第 8回(1998年、平成10年度)
該当作品なし
第 9回(1999年、平成11年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/800/800.html
青柳いづみこ『翼のはえた指 評伝安川加壽子』
白水社 http://www.hakusuisha.co.jp/ 1999年 6月刊
第10回(2000年、平成12年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1000/1056.html
小林頼子
『フェルメール論 〜神話解体の試み』
八坂書房 http://www.yasakashobo.co.jp/ 1998年 8月刊
『フェルメールの世界 17世紀オランダ風俗画家の軌跡』
日本放送出版協会 http://www.nhk-book.co.jp/ 1999年 10月刊
第11回(2001年、平成13年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1200/1295.html
加藤 幹郎
『映画とは何か』みすず書房 http://www.msz.co.jp/ 2001年 3月刊
第12回(2002年、平成14年度)
該当作品なし
第13回(2003年、平成15年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1600/1678.html
岡田温司『モランディとその時代』
人文書院 http://www.jimbunshoin.co.jp/ 2003年8月刊
第14回(2004年、平成16年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1800/1857.html
湯沢英彦『クリスチャン・ボルタンスキー 死者のモニュメント』
水声社 http://www.suiseisha.net/ 2004年 7月刊
第15回(2005年、平成17年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/2000/2023.html
宮澤淳一『グレン・グールド論』
春秋社 http://www.shunjusha.co.jp/ 2004年12月刊
第16回(2006年、平成18年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/2100/2170.html
有木宏二『ピサロ/砂の記憶 -- 印象派の内なる闇』
人文書館 http://www.zinbun-shokan.co.jp/ 2005年11月刊
第17回(2007年、平成19年度)
該当作品なし
第18回(2008年、平成20年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/2300/2399.html
片山 杜秀
『音盤考現学』(アルテスパブリッシング 2008年2月刊)
『音盤博物誌』(アルテスパブリッシング 2008年5月刊)
http://www.artespublishing.com/
第19回(2009年、平成21年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/2400/2495.html
岡田 暁生『音楽の聴き方』(中公新書 2009年6月刊)
http://www.chuko.co.jp/
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「吉田秀和賞」について
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名称: 吉田秀和賞
対象: 音楽・演劇・美術などの各分野で、
優れた芸術評論を発表した人に対して
正・副賞:正賞 表彰状
副賞 賞金 200万円
第19回 贈呈式(予定)
2009年10月10日(土)午後 3時30分より
水戸芸術館会議場
吉田秀和芸術振興基金
理事会
理事長:吉田光男 財団法人水戸市芸術振興財団副理事長
理事: 佐治信忠 サントリー株式会社代表取締役会長兼社長
理事: 畑山美和子 朝日新聞東京本社文化エディター
理事: 佐川千鶴 佐川文庫館長
理事: 福田三千男 株式会社ポイント代表取締役会長
審査委員会
審査委員長:吉田秀和 評論家・水戸芸術館館長
審査委員: 林 光 作曲家
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