これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Wed, 7 Dec 2011 21:29:29 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,02753] "Gerda Steiner & Jorg Lenzlinger Power Sources" and other information
To: atm-info@arttowermito.or.jp
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▼水戸芸術館ATM速報2011年12月7日発 -----------------

「世界が注目しているスイス出身アーティストによる、
 過去最大規模の個展」
「鑑賞するタイミングによって見え方が異なる展覧会」
「会場撮影OK」
「頭ではなく、感覚をつかって楽しむ、展覧会」
「3.11 を経た日本の社会状況を、最新作品として発表
 新たな力を得る場所へ」

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ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー
Power Sources -- 力が生まれるところ
2012年 2月11日(土・祝)〜 5月 6日(日)
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本展は、ダイナミックなインスタレーションで知られるスイスの現代
アーティスト、ゲルダ・シュタイナーとヨルク・レンツリンガーに
よる過去最大規模の個展です。

1997 年より活動を共にしている二人は、人間の営み、生命の神秘や
驚異、身体や精神と環境との関係に強い関心を寄せ、
インスタレーション、コラージュ、写真、ドローイング、絵画、
彫刻など、幅広い作品を発表してきました。なかでも、展覧会場の
ためだけに毎回異なるテーマで展開されるサイトスペシフィック・
インスタレーションは、その土地にまつわる伝承、風俗、思想などの
目には見えない無形の文化を表出させることで知られ、
訪れる人から常に高い人気を集めています。

ゲルダとヨルクの詩的で奇妙な世界は、鑑賞者が疲れることなく、
作品の一部となってゆったり鑑賞できるためのさまざまな仕掛けや
アイデアであふれています。頭で考えて作品を理解するより、
全身の感覚や想像力を使って楽しむことを奨めているからです。
不思議の国に迷い込んだアリスになった気持ちで、ぜひ作品に接して
みてください。アリスが迷い込んだ世界にも不思議という言葉だけで
は片づけられない多くの発見があったように、型破りで神秘的な
彼らの作品世界も驚きと発見にあふれ、鑑賞者の感覚の回路が
ひらかれることでしょう。
鑑賞者が自由な見方でおもいおもいの感じ方、楽しみ方ができるのも
二人の作品の特徴です。

水戸では「Power Sources -- 力が生まれるところ」をテーマとし、
人間の力の根源を探ります。
本展では、巨大なインスタレーション6点と、二人の初のコラボレー
ションとなった写真シリーズなど合計70 点あまりの作品をとおして、
二人の10年にわたる活動の軌跡と最新作品までをご紹介します。

本展開催のためにゲルダとヨルクは水戸に1カ月以上滞在し、
自らの足でできる限りこの土地を探索しながら、または地域の人々と
の交流をとおして、3.11 を経た日本の社会状況を、
最新のインスタレーションに反映させます。
それは単に現状を形におこすことではなく、輪の中にいる私たちには
見えない現象を表現した新しい日本文化地図となるに違いありません。

会期中には、ちょうど震災から1年を迎えますが、この展覧会が
人々の心をあたため、新たな力を得る場所となることでしょう。

▼世界が注目しているスイス出身アーティストによる、
 過去最大規模の個展
2003 年ヴェネチア・ビエンナーレでは、「落下する庭園」という
巨大なインスタレーションを制作し注目を集めました。
また、ユネスコの世界遺産に登録されているスイスのザンクトガレン
修道院図書館での展示や、フランスの 'Moon Garden' 展では、
来場者のリクエストにより、会期を延長するなど、訪れる人の
人気と評価が高いことが伺えます。共同制作をはじめた当初から
最新作品までが一堂に会する過去最大規模の本展は、
アジアはもとより欧米でも見られない貴重な機会となり、
海外からも大いに注目を集めることが予想されます。

▼鑑賞するタイミングによって見え方が異なる展覧会
本展の展示作品には、会期中に成長するものや、姿を変えていくもの
があります。植物のように鑑賞者の世話によって結晶化を続ける作品
や、訪れた人が涙を採集し、それが数日かけて変化する経過を
観察できるものなどです。作品に出会う日によって、異なる姿をみる
ことができます。1度だけでなく、時間をおいて、2度、3度と訪れる
喜びのある展覧会です。

▼会場撮影OK
本展に限り、展覧会場内の撮影をしていただけます。
撮影の目的は問いません。
携帯やカメラで自由に会場を撮影してみてください。
そしてぜひ、ブログなどで感想や想いとともに発信してください。
*鑑賞の妨げになるため、フラッシュの使用はお控えください。

▼頭ではなく、感覚をつかって楽しむ、展覧会
展覧会場でガイドに集中してしまい頭で鑑賞してしまったことは
ありませんか?
本展は鑑賞者の想像する力や感覚を刺激し、感性を培うことを狙いと
しています。そのため文字でいっぱいのガイドはありません。
会場には触れることができる作品や、鑑賞者が参加して楽しめるもの、
横たわって作品の一部となることができる作品があります。
ぜひ感覚の回路を開いて、これまでとは違ったアプローチで
展示作品をお楽しみください。

▼3.11 を経た日本の社会状況を、最新作品として発表
 新たな力を得る場所へ
ゲルダとヨルクは、水戸に1カ月以上滞在しながら、自らの足で
この土地を探索し、地域の人々との交流しながら、日本の現在の状況
や目には見えない現象を最新作品に反映させます。展覧会期間中、
水戸は震災から1年を迎えますが、「力が生まれるところ」という
テーマにそって制作される本展は、鑑賞者が生きる力や想像・創造
する力、生産する力などさまざまな力を得る場所となるでしょう。

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展覧会名:
ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー
Power Sources -- 力が生まれるところ
欧文表記:Gerda Steiner & Jorg Lenzlinger Power Sources
会期:2012年2月11日(土・祝)〜 5月6日(日)
開館時間:9 時30分〜18時 *入場は17時30分まで
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
休館日:月曜日
   *ただし2012年4月30日(月・祝)は開館、翌5月1日(火)休館
入場料:一般800円、前売・団体(20名以上) 600円
中学生以下、65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名
は無料
一年間有効フリーパス
  → ハイティーンパス「H.T.P.」1,000 円/対象15歳以上20歳未満
  →「おとなのパス」2,500円/対象20歳以上
主催: 財団法人水戸市芸術振興財団
助成:ProHelvetia、財団法人アサヒビール芸術文化財団
      Bildungs-, Kultur-und Sportdirektion Kanton Basel-
      Landschaft/kulturelles.bl
協賛:株式会社資生堂
協力:アサヒビール株式会社、株式会社Tedy、水戸市立博物館、
      茨城県自然博物館、スイス大使館
企画:門脇さや子( 水戸芸術館現代美術センター学芸員)

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*作品を抜粋してご紹介します。水戸で滞在制作を行うため、
 作品内容が変わることもあります。ご了承ください。

第 1 室【Nursery】
日本語で「苗床」という名のインスタレーション。卵をつくる人、
星を育てる人といった実在しない詩的な仕事をとおして、「成長」が
様々なかたちで表現されています。12台の古い学校の机には、種子や
鳥のはく製、仏具、神器、結晶などの素材を用いて、成長という言葉
の中に含まれる、育つ、劣る、衰退、死ぬ、という作家の思想も反映
されています。
本作品中の結晶作品(クリスタル)は、会期中に成長します。毎朝、
鑑賞者のために溶液が用意され、植物に水をやるように、この液を
与えることでクリスタルが成長を続けます。成長型の作品は、展覧
会期の最初と最後で全く異なる姿をみせるため、1度2度と足を運ぶ
ことでその変化を観る喜びのある展覧会と言えます。

第 2 室【Sweet Little Nothings】
「Sweet Little Nothings」は、経済的価値のないものからなる
インスタレーション。展示の中には、アーティストの友人の遺品で
あるUSBのキャップや、台湾のラブパウダー、紙幣の切れはし、
消しゴムのカス等があります。お金には替えられない大切な想いが
つまったもの、神秘的なもの、意味はないけど不思議なもの、
ばかばかしく思えるものなど、手のひらよりも小さなこれらの
「Sweet Little Nothings」をとおして、人の想いなどの目には
みえないものの価値の重さを感じる作品です。
本作品の半個室のしつらえは、日本のとあるラーメン店から引用され、
小品を集中して鑑賞するための仕掛けとなっています。また「個室」
という言葉が多層的な意味をもつ日本独自の大衆文化を取りこんだ
作品とも言えます。

第 4 室【Tear Reader】*この部屋には2つの作品が展示されます。
直訳すると「涙を読む人」。天体の動きから未来を読む占い師のよう
に、結晶化した涙の模様から、涙を流した人のその時の感情や気持ち
を感じ共感するという作品。
研究室のようなしつらえのインスタレーションには、涙のサンプルが
レントゲン写真のようにライトボックスに展示してあります。
顕微鏡やプレパラートもあり、鑑賞者はここで自由に涙を採取し、
自分の涙の結晶を鑑賞することができます。涙は数時間で結晶化を
はじめ、3日、1週間と見え方を少しずつ変化させ、2週間ほどで
ゆっくり消え始めます。採取してから一週間後を目処に再来場いただ
き、鑑賞されることをお勧めします。
体内の小宇宙へ意識を誘うという意味で、7室の【Mircocosms】と
つながっています。

【drop painting】
【Tear Reader】の向かいには、平面作品が展示されます。茨城県内
の4つの水源からあつめた温泉水、湧水、汽水をたらしながら描いた
絵画です。特殊加工されたキャンバス上で、鉄分と塩を加えられた
水が化学反応を起こし、幽霊のような妖しい絵ができあがります。
重量のある鉄が、質量を感じられない形へと変容するのがこの作品の
ポイントです。
4室の2つの作品からは、涙が結晶に、鉄が軽い絵画に、液体から固体
へ、重いものから軽いものへと、変容する様子をみていただけます。
この「変化する」というコンセプトは、1室の作品とも通じ、
次の5室の作品へとつながっていきます。

第 5 室【Logic of Beauty】
直訳すると「美の論理」。ドローイングをコラージュしてつくった
映像と、スイスのヨーデル・ミュージシャンNoldi Alder(ヨーデル
革新者の一人)が本作のために特別録音したネイチャーヨーデルの
音源を組み合わせた映像インスタレーション。
ドットのパターンとその色が次第に表情を変える様は、生命体の細胞
が生まれ、繁殖し、進化、変容するようにもみえます。
儚く、うつろいゆくもの―これこそ作家が弁じる美の論理です。
このコンセプトは、儚いものの存在に美を見出してきた日本人の
美意識を表す仏教由来の言葉「無常」ともつながっています。この世
では全てのものが時間とともに姿を変え、なかには朽ち消えゆくもの
もある。本作品は、そんなはかない生命の美しさや、個としては弱い
命を繋ぐことで進化していく生命体の種としての強さ、また、
変化する世界だからこそのよりよい明日への可能性を感じさせてくれ
ます。

第 6 室【Lift ups】
二人が初めて共同制作を行った写真シリーズ、60枚の写真からなり
ます。1998 年、二人が貨物船でイタリアからインドまでを旅した
道中と、その後訪れた先々で多くの人に出会いました。その際、
ゲルダがサプライズで現地の人を持ち上げ、その瞬間をヨルクが
写真におさめて本作品ができました。人々と出会う喜びがあふれた
作品であり、二人の旅の記録でもあります。ヨルダンの建設作業員、
エジプトのセールスマン、アブダビ、インド、ネパール、
インドネシア、オーストラリアと多様な文化圏で撮られた写真には、
女性の行動が制限される社会が含まれているにも関わらず、
ゲルダのとっさのサプライズに対する反応は、国、民族、宗教の垣根
を越えた笑顔でした。ゲルダはこれを「文化を越えた友情」と呼んで
います。
また、地上から足を離して笑う様子は、人間の属性についても考え
させます。重力の存在が人間を地球の生物たらしめるように、
社会の規律やシステムが人間を分類し、わたしたちの意思とは
無関係に属性が決められることがあります。この作品は、そのような
目にはみえない社会的な重力の存在から解放された時、人は真に自由
になれるのではないかと見るものに希望を感じさせます。

第 7 室【Microcosms】
洪水が相次ぐことで知られるドイツ・ライン川に住む微生物を可視化
した映像インスタレーション。鑑賞者は中央にある白いウォーター
ベッドに横たわり、身体を動かすたびに背後から聞こえる水の音と
水面のゆらめきを感じながら、映像の海へと身を置くと、水中の
大宇宙の一部となり、水へと想いをはせます。
生きるために不可欠だが時に脅威になりえる水、地球の生命の源と
言われ多くの生き物を育んできたこと、水面下に広がる多様な生命の
営みと生態系の果てしない広がり、体内の60%以上を占める水。
生命の多様性は周囲にだけでなく、身体の内部にも同じように存在し
ていることに気付かされます。また、この作品は水と人間の関係に
ついて考えさせます。洪水はその土地に住む人々の多くを奪いますが、
同時に豊かな土壌やコミュニティのかけがえのない強い絆や、
復興のためにかけつけた人々との新しい出会いをもたらします。
水の中の小宇宙という意味で4室の作品【Tear Reader】とつながって
います。

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一昨日12月5日配送ATM速報のサブジェクトに間違いがございました。
お詫び申し上げますとともに慎んで訂正させていただきます。
・誤:ACO Theatre Produce "A Midsummer Night's Dream"
・正:ACM Theatre Produce "A Midsummer Night's Dream"

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