これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Thu, 25 Oct 2012 18:09:16 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,02861] Tadasu Takamine's COOL JAPAN
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <OF389B0C34.5326B4A7-ON49257AA2.0032058F@GlobalDom1>
X-Mail-Count: 02861


▼水戸芸術館ATM速報2012年10月25日発 ---------------

「女は、女に生まれるのではない。女になるのだ」という、
ボーヴォワールの有名な言葉があります。
自意識が形成される過程で、個人に対しいかに社会の集団意識が
影響するかを端的に言い表したこの言葉は、現在の日本で
ますます大きな意味を持つのではないかと思います。

「日本人は、日本人に生まれるのではない。日本人になるのだ」
あまりに身近にあったため、意識に上ることのなかった物事。
あるいは巧みに操作され、意識に上がることを妨げられてきた
物事。これらの物事に対し、私たちがついに当事者となったのが
現在の状況だと言えるのではないでしょうか?

自分の中になにがあるのか?自分はどう作られてきたのか?
3.11 のあと、煙に燻されるように出てきたのはその問いだった
ように思います。
「人はなんのために生きるのか?」古代から途切れることなく
思想されてきたこの問いを、自分の生きてきた時間と重ねて、
鑑賞者と共に考えてみようと思います。

(高嶺格からのメッセージ)

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高嶺 格(たかみね ただす)プロフィール

現代美術家、演出家。1968 年鹿児島生まれ、滋賀在住。
京都市立芸大漆工科、岐阜イアマス卒。鑑賞者と作品との
双方向性を志向するインスタレーションやメディアアート的手法、
あるいはパフォーマンスによって、非言語的な共感覚を呼び覚ます
作品を多く手掛けている。また、アメリカの帝国主義や障碍者の性、
在日外国人問題といったテーマに焦点をあてながら、支配/被支配、
当事者/非当事者の入り組んだ関係を浮かび上がらせ、
鑑賞者自身への問いを多く含む作品は、日本のみならず海外でも高く
評価されている。2003年にはヴェニス・ビエンナーレに参加、
2011年から2012年にかけては日本国内3つの美術館に個展
「とおくてよく見えない」が巡回した。
著書に高嶺自身と在日韓国人の恋人との関係、作品の制作舞台と
なった京都にあるマンガンの鉱山での出来事をとおして
アイデンティティやナショナリズムについて考察した私小説
『在日の恋人』(河出書房新社)がある。

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展覧会名:高嶺格のクール・ジャパン
欧文表記:Tadasu Takamine's COOL JAPAN
http://arttowermito.or.jp/gallery/gallery02.html?id=341
会期:2012年12月22日(土) 〜 2013年2月17日(日)
開館時間:9時30分〜18時 *入場は17時30分まで
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
休館日:月曜日
 *年末年始12月27日(木) 〜 2013年1月3日(木)
 ただし12月24日、1月14日、2月11日(月・祝) および
 12月25日(火) は開館、1月15日、2月12日(火) 休館
入場料:一般800円、前売・団体(20名以上) 600円
 中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方と
 付き添いの方1名は無料
一年間有効フリーパス
 →「ハイティーンパスH.T.P.」1,000円/対象15歳以上20歳未満
 →「おとなのパス」2,500円/対象20歳以上
主催:公益財団法人水戸市芸術振興財団
助成:芸術文化振興基金、公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団、
   公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団
協力:株式会社太陽誘電、アサヒビール株式会社
企画:高橋瑞木(水戸芸術館現代美術センター主任学芸員)

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現代社会に潜む支配や抑圧のシステムに対して、
批評的かつユーモアのある作品を発表している現代美術家・
演出家の高嶺格の個展を開催します。

高嶺の作品の多くは、作家本人が日常生活で感じた違和感や疑問、
怒りから着想され、次に展覧会を行う土地でのリサーチや
人との出会いの蓄積によって実体化されていきます。
本展のために、高嶺は2ヶ月半の間茨城県東海村と水戸市の中間
地点の町に滞在しながら作品の構想を練り、制作を行いました。

展覧会タイトルにある「クール・ジャパン」とは、日本人の
優れた技術力、きめ細やかなサービス、食からアニメやマンガ、
ゲームといった幅広い日本文化を海外に積極的に発信するために
日本政府が掲げているキーワードです。
しかし2011年3月11日に発生した東日本大震災と、それにつづく
福島第一原発の事故の問題はいまだ収束することもなく、政治や
企業、マスメディアへの不信感や、人々の感情の分断を引き起こし、
改めて日本文化や日本人を再考する気運が高まっています。

高嶺は展覧会に際し、以下のように語っています。
「(震災後)私たちはイメージの数多くを目にしてきたけれども、
 その裏にある見えないものをいかに可視化できるか。
 その見えないものとは最近生じたものではなく、
 昔から連綿と続いている。
 原爆から福島の原発事故に対して、人々がこれまでどう反応し
 どう抑えつけられてきたか、ということと関連して考えたい。」

本展で高嶺は、戦後から現在にいたるまで日本人の無意識に働き
かけてきたイメージや言葉に焦点を当てたインスタレーションを
各展示室で展開します。
鑑賞者が展示室ごとに異なる高嶺格版クール・ジャパンの世界を
訪ねる体感型の新作展示です。

2002年のイラク戦争開戦直前に、高嶺は映像作品「ゴッド・
ブレス・アメリカ」でアメリカの巨大な力や、支配と被支配の
複雑な構造を描き出しました。そして「ゴッド・ブレス・
アメリカ」発表から10年後にあたる本年、3.11を経て高嶺は
いよいよ自分の母国である日本に対峙します。
高嶺の作品をわたしたちの価値観や倫理観を考察するための機会
として提示します。

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関連プログラム *参加費は展覧会入場料に含まれます。
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■赤ちゃんと一緒に美術館散歩
 係員が付き添い、解説付きでお子さんと一緒の鑑賞を
 サポートします。
 日時:2013年1月11日(金)、16日(水)
 各日9:30〜10:30 /11:00〜12:00
 定員:各回5組(先着順・要電話申込)
 対象:未就学児とその保護者
 申込み:水戸芸術館現代美術センター Tel.029-227-8120
 主催:NPO法人子育て応援・ペンギンくらぶ、
    公益財団法人水戸市芸術振興財団

■ウィークエンド・ギャラリートーク
 CACギャラリートーカーとともに展覧会を鑑賞します。
 日時:2013年1月12日(土) 〜2月17日(日)
 毎週土・日曜日 各日14:30 〜(約40分)
 *ただし1月19日(土)、2月16日(土) は除く。

■アーティスト・イン・ギャラリー
 高嶺格が下記の1 時間ギャラリーに滞在します。
 作品やテーマについてなど、お気軽に話しかけてみて
 ください。
 日時:2012年12月22日(土)14:00 〜15:00(予約不要)
 会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー

■学芸員によるレクチャー
 本展企画学芸員が高嶺格のこれまでの歩みや、
 本展覧会の制作の背景について話します。
 日時:2013年1月19日(土)14:00 〜15:00
 会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー内ワークショップ室
 定員:50名(先着順・予約不要)

■高嶺格、自作を語る
 展覧会や作品について寄せられた疑問や質問を元に、
 作家が本展について語ります。
 日時:2013年2月16日(土)14:00 〜15:30
 会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー内ワークショップ室
 定員:60名(先着順・予約不要)

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同時開催 クリテリオム85 友政麻理子
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会期:2012年12月22日(土) 〜2013年2月17日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室
主催:公益財団法人水戸市芸術振興財団
助成:公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団
協力:アサヒビール株式会社
企画:竹久侑(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
*クリテリオムは、ラテン語で「基準」を意味し、
 水戸市民のサポートのもと、若手作家の新作を中心に
 紹介する企画展です。
*料金は展覧会入場料に含まれます。

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新規プログラム|アート・ミーツ・シネマvol.1
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NPO法人シネマパンチと共同で開催するアートと映画の企画です。
今回は今年で第27回を数える「水戸映画祭」の特別プログラムと
して、映画ファンのみならず、現代美術ファンにも衝撃を与えた
大林宣彦監督の最新作『この空の花―長岡花火物語』を上映します。
映画鑑賞券と展覧会チケットが一緒になったお得なセット券も
ご用意しております。
 日時:2013年2月17日(日) 時間未定
 会場:水戸芸術館ACM劇場
 料金:映画鑑賞券1,000 円(全席自由・前売/当日)
    映画+展覧会割引セット券1,600円
 チケット取扱い:エントランスホールチケットカウンター
 主催: 公益財団法人水戸市芸術振興財団、NPO法人シネマパンチ

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