これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date: Wed, 18 Sep 2013 19:45:19 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,02983] Yoshida Hidekazu Prize for 2013 and other information
To: atm-info@arttowermito.or.jp
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▼水戸芸術館ATM速報2013年9月18日発 -----------------

音楽・演劇・美術など、芸術の各分野における優れた評論に対して
贈られる「吉田秀和賞」、第23回・平成25年度の受賞作品が、
9月14日、全174点の候補書籍の中から決まりました。

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第23回 吉田秀和賞 受賞作品
末永 照和 (青土社 2012年10月刊)
『評伝ジャン・デュビュッフェ アール・ブリュットの探求者』
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末永 照和(すえなが・てるかず)
 1931年北海道釧路市に生まれる。近代美術史、美術評論。
 1954年東北大学文学部美学美術史学科卒業。桜美林大学教授
 (名誉教授)、実践女子大学教授を歴任。多摩美術大学、
 女子美術大学の非常勤講師を兼任。
 1984年『ジェームズ・アンソール 仮面の幻視者』で芸術選奨
 新人賞受賞。

著書に『ピカソの時代』(1972 未来社)『ジェームズ・アンソール
仮面の幻視者』(1983 小沢書店)『ピカソの道化師たち』(1984
小沢書店)『かくも長き痙攣の時・二十世紀画家論』(1987 小沢
書店)『ピカソ美術館:第3巻 空間への冒険』(1992 集英社)
『20世紀の美術:カラー版』(監修・執筆、2000 増補新装版2013
美術出版社)『セザンヌを愛するために』(2002 かわさき市民
アカデミー出版部)。
訳書に『芸術の手相』ピコン(1989 法政大学出版局)『素顔の印象
派』デンヴァー編(1991 美術出版社)『ピカソ』ペンローズ(1994
/2010 西村書店)ほか。


▼審査員選評

ジャン・デュビュッフェの名は「アール・ブリュット」と切り離せ
ない。いずれが先かあとかはとにかく、一方が世に知られるにつれ、
他方もまた世に知られるにいたって、この一対は二十世紀芸術史上に
無視できないものとなった。
本書はデュビュッフェという奇想の人物が「アール・ブリュット」
から装飾芸術にいたった道を詳細に追及する。
一九六二年、デュビュッフェは「ウルループ」と自称する特異な技法
を発明するのだが、それ以降、用いる道具、素材と相俟(ま)って、
細胞増殖的な装飾文様が大規模な展開を見せ、次第に「ウルループ」
様式を確立する。絵画と建築の両面にわたるその展開を叙述する
本書の後半は迫力がある。この好著の著者はピカソにも詳しい人。

杉本 秀太郎

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デュビュッフェは彫琢や洗練を嫌った芸術家だろう。ジャズの即興を、
アルトーのヴァイタリティを、セリーヌの反骨精神を愛した。
色の道に奔放に耽り、精神病者の過剰な想像力に共感した。
そしてかたちなく豊饒に噴出してくるようなアートを創造した。
その人の生涯と仕事を論ずるのに、お高くとまっていてもしようが
ない。本書はそこがピタッと来る。気取りがない。ざっくりつかむ。
文章は太く濃い線でデッサンされる。小賢しさと無縁。思いつきで
パッと書かれ、そのままみたいなくだりもあちこちにある。当意即妙。
まるでデュビュッフェのような、良い意味での粗野な推力が、
文章に漲る。生々しくて若い。デュビュッフェを観るように読める。
素敵な評伝である。

片山 杜秀

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「吉田秀和賞」運営:吉田秀和芸術振興基金
http://arttowermito.or.jp/yoshida/yoshida01.html
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創設:1991年
正賞:表彰状/副賞:賞金 200万円

理事会
 理事長:吉田光男 (公財)水戸市芸術振興財団副理事長
 理事: 佐治信忠 サントリーホールディングス(株)
          代表取締役会長兼社長
 理事: 福田三千男 (株)ポイント代表取締役会長兼社長
 理事: 佐川千鶴 佐川文庫館長
 理事: 角田克 朝日新聞東京本社文化くらし報道部長

審査委員会
 審査委員長:杉本秀太郎
        文学者・国際日本文化研究センター名誉教授
 審査委員: 片山杜秀
        評論家・慶應義塾大学法学部教授

お問い合わせ:吉田秀和芸術振興基金事務局
       水戸芸術館内(TEL: 029-227-8111)

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これまでの受賞作品:

第 1回(1991年、平成 3年度)
  秋山邦晴「エリック・サティ覚え書き」
  青土社 http://www.seidosha.co.jp/ 1990年6月刊

第 2回(1992年、平成 4年度)
  持田季未子「絵画の思考」
  岩波書店 http://www.iwanami.co.jp/ 1992年4月刊

第 3回(1993年、平成 5年度)
  該当作品なし

第 4回(1994年、平成 6年度)
  渡辺保「昭和の名人 豊竹山城少掾」
  新潮社 http://www.shinchosha.co.jp/ 1993年9月刊

第 5回(1995年、平成 7年度)
  松浦寿輝「エッフェル塔試論」
  筑摩書房 http://www.chikumashobo.co.jp/ 1995年6月刊

第 6回(1996年、平成 8年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/0/35.html
  長木誠司「フェッルッチョ・ブゾーニ」
  みすず書房 http://www.msz.co.jp/ 1995年11月刊

第 7回(1997年、平成 9年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/200/256.html
  伊東信宏「バルトーク」
  中央公論社 http://www.chuko.co.jp/ 1997年7月刊

第 8回(1998年、平成10年度)
  該当作品なし

第 9回(1999年、平成11年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/800/800.html
  青柳いづみこ『翼のはえた指  評伝安川加壽子』
  白水社 http://www.hakusuisha.co.jp/ 1999年 6月刊

第10回(2000年、平成12年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1000/1056.html
  小林頼子
『フェルメール論 〜神話解体の試み』
  八坂書房 http://www.yasakashobo.co.jp/ 1998年 8月刊
『フェルメールの世界 17世紀オランダ風俗画家の軌跡』
  日本放送出版協会 http://www.nhk-book.co.jp/ 1999年 10月刊

第11回(2001年、平成13年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1200/1295.html
  加藤 幹郎
『映画とは何か』みすず書房 http://www.msz.co.jp/ 2001年 3月刊

第12回(2002年、平成14年度)
  該当作品なし

第13回(2003年、平成15年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1600/1678.html
  岡田温司『モランディとその時代』
  人文書院 http://www.jimbunshoin.co.jp/ 2003年8月刊

第14回(2004年、平成16年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/1800/1857.html
  湯沢英彦『クリスチャン・ボルタンスキー 死者のモニュメント』
  水声社 http://www.suiseisha.net/ 2004年 7月刊

第15回(2005年、平成17年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/2000/2023.html
  宮澤淳一『グレン・グールド論』
  春秋社 http://www.shunjusha.co.jp/ 2004年12月刊

第16回(2006年、平成18年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/2100/2170.html
  有木宏二『ピサロ/砂の記憶 -- 印象派の内なる闇』
  人文書館 http://www.zinbun-shokan.co.jp/ 2005年11月刊

第17回(2007年、平成19年度)
  該当作品なし

第18回(2008年、平成20年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/2300/2399.html
  片山 杜秀
  『音盤考現学』(アルテスパブリッシング 2008年2月刊)
  『音盤博物誌』(アルテスパブリッシング 2008年5月刊)
  http://www.artespublishing.com/

第19回(2009年、平成21年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/2400/2495.html
岡田 暁生『音楽の聴き方』
 中公新書 http://www.chuko.co.jp/ 2009年6月刊

第20回(2010年、平成22年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/2600/2610.html
白石 美雪『ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー』
 武蔵野美術大学出版局 http://www.musabi.co.jp/
 2009年10月刊

第21回(2011年、平成23年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/2700/2727.html
椎名 亮輔
『デオダ・ド・セヴラック----南仏の風、郷愁の音画』
 アルテスパブリッシング http://www.artespublishing.com/
 2011年9月刊

第22回 (2012年、平成24年度)
http://www.arttowermito.or.jp/atm-info/2800/2872.html
新関 公子
『ゴッホ 契約の兄弟―フィンセントとテオ・ファン・ゴッホ』
 ブリュッケ 2011年11月刊

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「アール・ブリュット」-- まさにあるがままの創作スタイル、
伸びやかな子供たちの作品の展示が館内で始まりました。
ご入場は無料、ぜひお誘いあわせでお立ち寄りください。

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第45回 花の絵コンクール作品展 ★入場無料
http://arttowermito.or.jp/minnano/katsu02.html?id=985
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2013年9月18日(水)〜9月29日(日) 9:30〜18:00
会場:エントランスホール1階、2階壁面
*9月23日(月)は開館し、24日(火)を休館とさせていただきます。
*9月29日(日)14:00〜15:00 入賞者への表彰式を行います。
 (於:コンサートホールATM、13:00より受付開始)
種目:絵画300点、パネル展示10点
主催:水戸市住みよいまちづくり推進協議会
共催:水戸芸術館
後援:水戸市、水戸市議会、水戸市教育委員会、
   農林中央金庫水戸推進室、財団法人水戸市公園協会

水戸市内にある保育所(園)・幼稚園・小中学校に通うすべての
児童を対象としたコンクールです。
まちの美化を考え、生活に結びついた花の絵を描くことにより、
「幼児・児童・生徒の花に対する豊かな情操を培い、
自然を愛する心を育てる」ことを目的に毎年開催されています。

水戸芸術館では、コンクールで優れた作品として入賞した絵を展示、
発表いたします。

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