これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date:  Tue, 15 Jun 1999 23:34:21 +0900 (JST)
From:  tamamik@arttowermito.or.jp (Tamami Kojima)
Subject:  [atm-info,00718] Trio Concert
Sender:  jun@re.soum.co.jp
To:  info: ;
Message-Id:  <199906151434.XAA23649@goro.asahi-net.or.jp>
X-Mail-Count: 00718

▼ATM速報1999年6月15日発--------------------------------

吉野(ハープ)、ハーゲン(ヴィオラ)、シュルツ(フルート)による、
魅力的なトリオコンサートは、いよいよ来週土曜日・26日。
吉野ファンの皆さまには特に親しみの感じられるメッセージ、ひとあし
早くお届けいたします。

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吉野直子インタヴュー

―吉野さんは水戸芸術館にはもう何度も登場されていますから、水戸のお
客様にはおなじみですね。
吉野●またかって思われているんじゃないですか(笑)。

―いえいえ。水戸室内管弦楽団の最初の春(1990年 4月)にはフルートの
工藤さんと一緒にモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲を弾い
ていらっしゃいますし、その後も水戸室内管弦楽団にはずいぶん参加して
いただきました。室内楽でもニコレさん、今井さんのおふたりと92年に、
クレーメルさんと96年に、それから ATMアンサンブルでは92年に出ていた
だきました。96年にはフルートの佐久間さんと一緒に、水戸市の中学一年
生の前で演奏していただきましたね。
吉野●そうでしたね。水戸室内管弦楽団ではマーラーの〈アダージェット〉
若杉さんの〈ナクソス島のアリアドネ〉、去年の武満さんの〈海へII〉…。
おそらく室内楽より回数が多いんじゃないでしょうか。

―そうかもしれませんね。 7年前に武満さんの「そして、それが風である
ことを知った」を初演されたのが水戸でした。
吉野●今回のツアーでも水戸が最初なんですよ。

―そうなんですか。あの時も、クレーメルさんとの共演も水戸がツアーの
初日で、どちらも素晴らしい演奏で、そのあとCDになりましたね。
ところで、インタヴューを拝見しましたけれど、
(インターネットでも公開中 http://www.music.co.jp/classicnews/)
今回の3人の組み合わせを提案されたのは吉野さんなのだそうですね。
吉野●ええ。 3人で一緒に演奏したことはないんですけれど、それぞれ
2人ずつが共演しているんです。

―それで今回のようなプログラムをやってしまおうというのですから、さ
すがですね。グバイドゥーリナのこの曲を最初にもってくるプログラムな
んて、なかなか大胆だと思います。
吉野●ええっ、大胆なんですか。間違ったかしら?

―いえいえ、そういうつもりで言ったのではありません。それぞれの方に
実力があり、しかも相互に信頼しているからこそ可能なのだと思います。
すばらしい関係をお持ちなんだなあって思います。
吉野●今回のプログラムについては、シュルツさんが何種類か出してくだ
さって、「これでどう?」って聞いてきたから、「いいわね」って思って
決めたんです。グバイドゥーリナは、ロッケンハウス音楽祭でヴェロニカ
・ハーゲンさんと一緒にやったのが最初です。この時はフルート奏者がい
なかったので、クレーメルさんがヴァイオリンで弾いてくださったんです。
だからフルートの入った本来のヴァージョンでやるのは初めてなんです。
どこかドビュッシーにも似ていて、素敵な曲だと思います。

―シュルツさんはグバイドゥーリナをやっていらっしゃるんですか。
吉野●いいえ、やっていないそうです。シュルツさんはドビュッシーはよ
くご存じですが、グバイドゥーリナと武満は初めてなんです。ヴェロニカ
さんはグバイドゥーリナはやっているんですが、武満とドビュッシーは初
めてとのことでした。

―それで公演ができてしまうんですから、やはりすごい方々なんですね。
吉野●いえいえ。そんな私たちでもしっかり練習はしたいと思っています。
でも、シュルツさんは練習が嫌いで…。あの方が一生懸命練習しているの
を見たことがありません。それでも本番になると完璧なんですよ。

―…。
吉野●天才なのかもしれませんね。一方でヴェロニカさんはすごく練習が
お好き。少しでも時間があったら「練習しましょう」っていうタイプです。

―水戸芸術館にハーゲン弦楽四重奏団でいらした時には、ヴェロニカさん
は 4人の中でも「おねえさん」という感じで、優しく、しっかりと練習を
まとめていましたよ。
吉野●なるほど。

―ところで今回のプログラムでは、吉野さんだけソロがありませんけれど。
吉野●これは、シュルツさんとヴェロニカさんを皆さんにご紹介したいと
思ってそうしました。私はブリテンの〈ラクリメ〉でも武満の〈海へIII〉
でも充分に自分を表現できると思いますので。

―そういう奥ゆかしさが吉野さんらしいですね。ストラヴィーンスキイの
〈エレジー〉とドビュッシーの〈シリンクス〉でヴェロニカさんとシュル
ツさんがソロをやって、ハープの音が途絶えたところでドビュッシーのソ
ナタを効果的に響かせようということなんですね。
吉野●(首をたてにふって)そうです。

―それでは来週、コンサートホールでお目にかかるのを楽しみにしていま
す。どうもありがとうございました。
(このトリオは国内ツアーに続いてヨーロッパの音楽祭等でも演奏の予定。
その初日が、6月26日、ということになる。)

1999年6月14日、梶本音楽事務所にて
訊き手は音楽部門主任学芸員・飯森豊水

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詳細は
http://www.arttowermito.or.jp/music/trioj.html
をご参照ください。
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