これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date:  Thu, 30 Sep 1999 20:06:27 +0900 (JST)
From:  tamamik@arttowermito.or.jp (Tamami Kojima)
Subject:  [atm-info,00795] Let's enjoy contemporary music!
Sender:  jun@re.soum.co.jp
To:  info: ;
Message-Id:  <199909301106.UAA01945@juran.asahi-net.or.jp>
X-Mail-Count: 00795

▼ATM速報1999年9月30日発--------------------------------

9月16日のatm-infoでお伝えしました、10月2日(土)、世界初演を待つ、
池辺晋一郎新作<夕暮れの底深く…>−フルート、ギター、パーカッショ
ンのために」ほか、現代音楽の楽しみがぎっしりつまったコンサートの、
見どころ聴きどころを、中村晃音楽部門学芸員の解説でお届けします。
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1.池辺 晋一郎 企画・司会による
  「現代音楽を楽しもう」シリーズについて
「現代音楽を楽しもう」シリーズは、作曲家の池辺晋一郎(水戸芸術館企
画運営委員)の企画により継続的に開催されている演奏会で、日本人作品
の紹介を中心に、現代音楽の魅力を広く知っていただこうという趣旨で実
施してきております。
なぜ「現代音楽」なのかというと、そこには次のような考えがあります。
わたしたちは生きている間、「同時代」のことを少しでも把握しようと努
めるのではないでしょうか。私たちは「同時代」がどのようなものなのか
という認識を手がかりに、自らの生や生活のあり方を見つめようとするの
ではないでしょうか。そこで、この「同時代」の把握を、音楽会企画とし
て具現しようとしたのが本シリーズです。また、そこには既に評価が定ま
り、歴史をくぐりぬけて来た「権威ある音楽」と異なり、「同時代の音楽」
は、なんの前提もなしに自分自身の評価をくだせるという面白さがありま
す。それこそ「同時代人」の特権なのではないでしょうか。今はじめてこ
の世に生まれるものを好きなように評価できる。とても自由な心を楽しん
でいただきたいと思います。
そして本シリーズで大切にしたいのが「楽しもう」の精神。現代音楽だか
らといって、事前の勉強や知識はまったく必要ありません。大上段にかま
えることなく、はじめて現代音楽を聴く人にとっても、それぞれの感性を
自由にあそばせて「楽しんで」いただけるプログラムをこのシリーズでは
毎回提供しています。
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2.わが国の現代音楽のあゆみには、
   いつも小泉浩のフルートが響いていました。
本シリーズの第14回目となる今回は、現代フルートの第一人者小泉浩が登
場します。小泉浩は、70年代初頭より今日に至るまでの、日本の現代音楽
シーンをともに歩んできた人です。武満徹をはじめとする多くの作曲家た
ちと関わり、その作品の初演をし、また「現代の音楽展」などを通して内
外の現代音楽を紹介してきました。現代音楽で「フルートといえば小泉さ
ん」といわれるほど、この分野で果たしてきた役割は大きいのです。
余談となりますが、96年に没した武満徹の最後の作品「フルートのための
<エア>」を同氏の葬儀の際、鎮魂歌(レクイエム)のごとく演奏したの
が、ほかならぬ小泉浩だったのです。(この時の演奏がこの曲の日本初演
でもありました)。
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3.池辺・小泉といえば、
   現在NHK大河ドラマ「元禄繚乱」の音楽を担当している2人です。
企画者池辺晋一郎と小泉浩は、東京芸術大学の同期生。以来36年間 2人は、
作曲家、演奏家として、数多くの共同作業を行ってきています。 2人の厚
いパートナーシップはテレビや舞台などのために書かれた池辺作品のおよ
そ9割に小泉が参加しているという事実からも伺い知ることができます。
そして、現在この 2人による音楽が、お茶の間に毎週流れています。それ
は、NHKの大河ドラマ「元禄繚乱」のテーマ音楽およびドラマの挿入音楽
です。池辺・小泉によるより芸術性を追究した演奏会作品とその演奏がど
のようなものなのか、本演奏会は、この大河ドラマのファンの方のそうし
た興味にお答えできるものです。
また、現代音楽というと何か疎遠な印象をもつ方が多いと思いますが、じ
つは、こうしたテレビドラマや映画などで、知らず知らずのうちに聴き馴
染んでいると言えるかもしれません。演奏会で現代の作品に耳を傾けると
いう体験により、これからその様なテレビドラマや映画の音楽への造詣が
深まり、より鑑賞の楽しみが増えるかもしれないと考えます。
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4.ユニークな楽器編成
本演奏会ではフルートの小泉浩に加え、ギターの佐藤紀雄とパーカッショ
ンの山口恭範が出演します。佐藤紀雄、山口恭範も小泉浩同様、わが国を
代表する現代音楽の演奏の第一人者です。
ときには尺八を想起させる深遠な現代フルート。情熱的なイメージと哀愁
のイメージを合わせもつギター。始源的な祝祭空間をも喚起させるパーカ
ッション。これら3つの楽器がどのようなアンサンブルを作り出すのか。
クラシック音楽の枠内では、まず有り得ないとも言えるこのユニークな楽
器編成によるアンサンブルも本演奏会の大きな魅力のひとつです。
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5.多彩なプログラム
本演奏会は先述の通り、現代音楽を楽しんでいただこうという趣旨で実施
します。従って、現代の音楽作品にあまり馴染みのないと感じる方にとっ
ても、聴いていて楽しめるような作品を集めました。しかもエネルギッシ
ュな曲、静かな曲、抒情的な曲、幾何学模様のような美しさをもつ曲、演
奏者のパフォーマンスも入る視覚的にも楽しめる曲など、さまざまな傾向
の作品を盛り込み現代音楽の魅力を凝縮したようなプログラムとなってい
ます。
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現代音楽を楽しもう-XIV
小泉浩・フルート
1999年10月2日(土)18時30分開演
A席3,000円、B席2,000円
TEL: 029-231-8000
http://www.arttowermito.or.jp/music/koizumi99j.html

http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!---