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Date: Sat, 13 Nov 1999 19:09:08 +0900
From: tamamik@arttowermito.or.jp
Subject: [atm-info,00828] Sold out--"Match Girl" / Interview with Hasegawa and Sakurai
To: atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id: <49256828.00373C26.00@david.arttowermito.or.jp>
X-Mail-Count: 00828
▼ATM速報1999年11月13日発------------------------------
完売御礼
ACM百人劇場シリ−ズ・3「マッチ売りの少女」、本日はおかげさまで完売
のうちに、夜の公演をさきほど開演いたしました。
ありがとうございました。
明日14日・日曜日16時開演の最終公演も、残席わずかとなっております。
下記までどうぞお電話でご予約の上、ご来館ください。
TEL: 029-225-3555(朝9時30分に営業を開始いたします。)
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演出家長谷川裕久、制作桜井琢郎『マッチ売りの少女』を語る
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11月12日(金)FMぱるるん放送
*公演のみどころが、俳優や演出家自身により語られる、魅力の連続番組
ながら、聴取可能地域が水戸市近郊(半径約10km以内)に限られますため、
主要部分をテキストでお届けいたしております。
Q:今回の公演のかかわりについて一言ずついただけますか?
長谷川:今回は演出としてかかわっています。ACMの公演では台本を
書いたり、演出をしたり、時々ちょこっと舞台の隅のほうに顔を出したり
しています。
桜井:ACMの芝居づくりの制作的な面、例えば稽古スケジュ−ルである
とか、予算についての調整役などをしています。
Q:『マッチ売りの少女』の演出の切り口について
話していただけますか?
長谷川:原作は60年代後半に書かれたものですが、今日的にどう
見せられるかということを、役者たちと話し合いながら演出について
考えました。一言でいうと、全体を貫くイメ−ジはクリスマスです。
ヴィジュアル的にもそのイメ−ジで、劇の展開にしてもクリスマスを軸に
しています。<マッチ売りの少女>というと、僕はやっぱり最初に
クリスマスツリ−とかをイメ−ジしてしまうんですね。そういう最初の
イメ−ジを大切にして、逆に別役さんの作品にアプロ−チしました。
秋なのでちょっと早いクリスマスという感じですか。この秋に、先取り
したクリスマスのム−ドを感じていただきたいと思います。
桜井:ヴィジュアルとしても、劇場に入っていただくとすぐに理解できる
ようにセットが作られています。
長谷川:あと、別役さんはご自分の作品に独特の世界をもっていると
思うんですけど、今回は別役さんのファンが、劇場に入って「おや」っと
思っていただけたら狙い通りですね。と言うのも、オ−ソドックスに
別役実にアプロ−チするのとはちょっと違ったやり方でアプロ−チして
いるので。はたしてこれでいいのかどうかわかりませんが。
Q:そうですね、この戯曲が書かれてから30年以上たっていますし、現在
を生きる私たちからの視点ということを考えてということですね。
桜井:このシリ−ズでは毎回制作サイドが演目を決めて、役者、演出家に
なげて、創作をしていくんですが、本当に毎度毎度驚くような切り口を
見せてくれます。今現在この作品をどうみせれば面白いものになるのかを
考えてくれています。今回は別役そしてアンデルセンの世界をクリスマス
のヴィジュアルにからめていて、ものすごく見やすくなっている。単純に、
別役作品を見に来た人も、アンデルセンをイメ−ジした人も、楽しめる
作品に仕上がっています。役者と演出はたいへんだったと思いますけど。
長谷川:役者はたいへんだったと思うよ。
Q:どういった点で?
長谷川:百人劇場シリ−ズではいつもそうなんですが、だいたい
自分たちでイメ−ジを立ち上げ、装置を考え、それこそ大工仕事なども
して作品を作り上げていきます。今回は特に、外側に大きなイメ−ジが
あってつくってきたわけではなく、ひとつひとつのイメ−ジを話し合い
ながら具体的なものに仕上げたので、役者は本当にたいへんだったはず
です。そういう経緯もあるので、本番直前まで、いろいろな見せ方が
できる芝居になっています。正解のないところで、いくらでも選択の余地
があります。それがこのシリ−ズの良いところでもあると考えています。
Q:5日間で6ステ−ジの公演ですが、この間、中身が変わっていくこと
はありますか?
長谷川・桜井:変わります。
Q:本当に?
長谷川:3ステ−ジしか上演しなかった公演でも変わりました。
桜井:おそらく水曜日の初日を見た方が、楽日の日曜日の公演を
見られたらびっくりすると思いますよ。あれって感じですよ。
役者もがまんしないでしょうね。今までに考えてきたことどんどん
やってくると思います。
Q:そうですか。たのしみですね。
長谷川:今回もみんな難しい、困ったと言っていますが、
そう言っている分だけみんな考えて、いろいろ知恵を出し合って
作ってきてくれるので、僕の仕事が楽になってきてありがたいんです
けど、僕も負けてはいられないという気持になりますね。
桜井:そうして作っていると、思ってもみなかったアイデアとか
生まれてきて、芝居がものすごく豊かになるんですよね。
長谷川:稽古もどんどん変わるんですよ。
桜井:こんなにもいろんなことが考えられる別役さんのこの作品は、
やっぱりスタンダ−ドになりうるんじゃないかなと最近考えています。
Q:最後にお客様にメッセ−ジをお願いします。
長谷川:『マッチ売りの少女』は今までのACMとは一味違った作品です。
ちょっとメルヘンな世界をクリスマスで包みます。泣きます。
桜井:これ本当に、ラストでお客様が何人泣いたかでこの作品の評価が
決まるかなと言うくらいメルヘンそしてファンタジ−な世界が展開します。
もちろん芝居のおさえどころはきちっとおさえています。
ACMの役者たちが送るちょっと早いクリスマスに、ご期待下さい。
http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!---