これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date:  Tue, 4 Jan 2000 17:13:59 +0900
From:  tamamik@arttowermito.or.jp
Subject:  [atm-info,00861] Tickets available soon -- "Art into Life 1900-1940"
To:  atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id:  <4925685C.002CDC58.00@david.arttowermito.or.jp>
X-Mail-Count: 00861

▼ATM速報2000年1月4日発----------------------------------

特にy2k関連ご対応の皆さま、お疲れさまです。
コンピュータが業務に欠かせないとはいえ、生命に直結するシステムの外
の役割、自然災害等への対応同様に文化施設の日常業務を再考する機会と
なす年末年始を過ごしながら、今年も新春のご挨拶をさせていただけます
ことにまず感謝の次第です。
本年も水戸芸術館へのご注目・ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

さっそくですが、「リセット」後は「『前衛』の再考」へと向かいます。
今月23日(日)まで開催の、「ゼロ年」展に続く現代美術センターの事業
「日本の前衛Art into Life 1900-1940」のお得な前売券は、明日5日から
各所で販売いたします。
プレスリリースより、主な内容をお届けいたします。

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日本の前衛 Art into Life 1900-1940
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会期:2000年2月5日(土)〜3月22日(水)
休館日:月曜日、ただし3月20日(祝)は開館、3月21日(火)は休館。
開館時間:午前9時30分〜午後6時30分(入館は午後6時まで)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
主催:
水戸芸術館現代美術センター(本展情報は後日掲載いたします。)
京都国立近代美術館 http://www.momak.go.jp/
協賛:
財団法人花王芸術・科学財団 http://www.kao-foundation.or.jp/
財団法人アサヒビール芸術文化財団 http://www.asahibeer.co.jp/
財団法人裏千家今日庵 http://www.urasenke.or.jp/
トヨタ自動車株式会社 http://www.toyota.co.jp/index-n.html
協力:
全日空 http://www.ana.co.jp/index.html
財団法人堂本印象記念近代美術振興財団
株式会社創夢 http://www.soum.co.jp/
入場料:一般800円、前売・団体20名以上600円
中学生以下、65才以上、心身障害者の方は無料
一年間有効パス:H.T.P. 1,000円
(15歳以上20歳未満の方が対象の1年間有効パス)
チケット、H.T.P.発売:JR東日本みどりの窓口、びゅうプラザ、
水戸芸術館チケットカウンター

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展覧会要旨
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大正から昭和戦前期の日本の「前衛」の意味を再考する展覧会です。
単にヨーロッパ・アヴァンギャルドからの影響といった側面からのみ紹介
するのではなく、この時代に活発化する近代都市化を背景とした「生活
(Life)の場における造形」というテーマを柱に、バウハウスに代表される
建築・デザインにおける革新という視点などを含めながら、その運動史を
総合的にふりかえります。
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展覧会案内
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わが国の近代美術の歩みのなかでももっとも刺激的な動向のひとつであり、
大正から昭和戦前期にかけて活発化するいわゆる「前衛」と呼ばれる表現
活動については、近年様々な角度から検討が加えられています。その中に
あって、今回の「日本の前衛 Art into Life 1900-1940」展では、
ヨーロッパ・アヴァンギャルドの影響とその受容という視点にこだわらず、
これまでは「前衛」意識の温床であるとは全く考えられていなかった、今
世紀初頭の明治美術における一動向に注目します。その根底には、「前衛」
表現の隠れた推進力が、一般には相反するものだと思われがちであった
「生活(Life)」との関わりのなかに求められるのではないかという幾つも
の事例が横たわっているからです。
注目すべきは、ヨーロッパ・アヴァンギャルドの一翼を担う動向にも、翻
ってわが国の伝統に根ざした表現からの影響が見られることです。具体的
には、わが国にも大きな影響力をもったバウハウスの絵画や工芸品や、
ヨハネス・イッテン、ミース・ファン・デル・ローエなどの活動にその
痕跡が指摘できます。バウハウスといえば近代デザインの発祥の地として、
あくまでもモダニズムの観点から語られがちでしたが、東洋的遠近法に
よって描かれた絵画や、あたかも日本の伝統工芸品と見紛うような作例が
制作されていたことも見落とせません。さらには逆に、このバウハウスと
わが国「前衛」日本画との関わりなど、本展覧会では、そうした日欧の
知られざる相互交流の一端にも踏み込んでいます。
また本展には、萬鐵五郎や村山知義といったよく知られている作家を
はじめとして、日本画や建築資料においても多数の初公開作品が
加えられていますし、「日本の前衛」を説明する上で興味深い海外からの
関連作例も含まれています。現在も東京都中野区に残るバウハウスの影響
が顕著な三岸好太郎アトリエ内部の原寸再現をはじめとして、明治美術界
の若干の動向を探りながら、わが国における「抽象」絵画成立の事情や
近代都市の生成と「前衛」意識の関わり、そしてバウハウスと日本との
関係を紹介しつつ、やがて戦争へと傾斜してゆくなかで、これら革新表現
と伝統との葛藤が具体的にどのように反映されてきたかを、絵画、彫刻、
工芸、デザイン、建築、写真など約200数十点の作品・資料によって
再考します。
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展覧会概要および構成
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本展覧会では、日欧相互の文化交流といった視点から「前衛」の問題を
取り上げ、本来は相いれないと思われがちな「前衛」と「生活(Life)」
との関わりを根底に、絵画・彫刻・工芸・デザイン・建築・写真・美術
教育など多岐のジャンルにわたる作品・関連資料約200数十点によって、
戦前の「日本の前衛」の盛衰を以下の構成で総合的に再考いたします。

1.ある「前衛」画家の生活空間─ Art into Life
バウハウス・デッサウに学んだ山脇巌が設計した洋画家・三岸好太郎の
アトリエ(1934年竣工)の内部をほぼ原寸大に近いかたちで再現し、
本展覧会のプロローグとします。

2.日本の「前衛」再考─抽象・風土・都市
以下の4つのパートで構成されます。(主な出品作家及び作品)
・明治美術への視点/浅井忠、アルフォンス・ミュシャ、萬鐵五郎
「裸体美人」、ほか
・「抽象」への意志/ワシリー・カンディンスキー、恩地孝四郎、神原泰
「スクリャービンの『エクスタシーの詩』に題す」、古賀春江「月花」、
長谷川三郎「蝶の軌跡」、ほか
・「構成」への意志/村山知義、岡本唐貴「制作」、仲田定之助「首」、
北脇昇、ほか
・都市へ/山田守「(習作)国際労働協会設計図」、村野籐吾、和達知男、
安井仲治、ほか

3.交錯する「前衛」
以下の4つのパートで構成されます。(主な出品作家及び作品)
・バウハウスと日本/ヨハネス・イッテン、エーリヒ・ブレンデル、三岸
好太郎、バウハウス、型而工房、今竹七郎「ランラン油粧品・新聞広告、
ほか
・新興写真への影響/ラースロー・モホリ=ナジ、クルト・クランツ、
ほか
・ミース・ファン・デル・ローエと日本建築
・バウハウスの美術教育と日本/水谷武彦「ヨーゼフ・アルバース教室・
素材研究」、川喜田煉七郎、ほか

4.未完の「前衛」─伝統と革新の葛藤
以下の3つのパートで構成されます。(主な出品作家及び作品)
・ある知られざる交流/ヨハネス・イッテン、竹久夢二、クルト・
クランツ、ほか
・「前衛」画家たちの模索/萬鐵五郎、北脇昇、ほか
・日本画「前衛」の葛藤/山岡良文、山崎隆、ほか

http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html 次回配信をお楽しみに!---