これまでにお送りした水戸芸術館ATM速報

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Date:  Sat, 22 Apr 2000 21:15:46 +0900
From:  Tamami Kojima <tamamik@arttowermito.or.jp>
Subject:  [atm-info,00937] Gekidan Kara-gumi "Yatsubo" topics
To:  atm-info@arttowermito.or.jp
Message-Id:  <200004221216.VAA28475@juran.asahi-net.or.jp>
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▼ATM速報2000年4月22日発--------------------------------

劇団唐組新作『夜壷』、全国公演はじまる
演劇部門学芸員 桜井琢郎

ゴ−ルデンウィ−ク明けの5月12日、13日、14日の3日間、芸術館広場で
上演される劇団唐組新作『夜壷』の全国ツア−がはじまりました。
大阪公演の初日前に、関西で記者会見をした唐十郎氏の、今回の新作に
あたってのコメントをお届けします。
大阪公演の会場に選ばれたのは、大阪・ミナミの真ん中にある、すでに
廃校となってしまった精華小学校のうんどうじょうです。

そのことについて、
「前から、廃校などでやってみたかった。劇は、倒産したマヌカン
(マネキン人形)工場の話で(それを廃校で上演するので)都市的ロスト
ワ−ルドです。子供たちの声がワァ−と聞えてくるような、魅力ある官能
の世界にふけられるのではないか」

テント公演については、
「文化とは仮設だと思ってます。先日、記号論学会の冊子を読んでいると、
文化論とは仮設論になっていて、テントを建てる人間としては心強い」

タイトルについて、
「タイトルの『夜壷』とは、尿瓶のことです。ホフマンの小説『黄金の壷』
は、最初『夜壷』という題をつけようとしたらしいです。
そのことを知って、今回題名に使いました」

劇中に登場してくるマネキン人形について、
「人形とは、肌が冷たい。愛くるしい存在であると同時に恐いもの。その
(人間を知る)窓口になるのは冷たい肌をした人形だな、と思ったんです」

自身の出演(ホストクラブのパトロンである夫人役)については、
「女性の役も33年ぶりですね。着飾って出てくることになりそうです」

今回の公演も、ACM作品『美貌の流星』『花冠の大陸』『堕天の媚薬』
(長谷川裕久作・演出)に客演した、唐組の実力派俳優、鳥山昌克、
久保井研の両氏の出演があり、期待できます。ACMの作品に出演した時
との演技の違いなど、観劇の楽しみがいっぱいです。
2000年に突入に、唐十郎が世に問う強烈な新作『夜壷』にご期待下さい。

* 文章中の唐十郎氏の発言は、関西版毎日新聞(平成12年4月8日・夕刊)
に掲載された記事から引用させていただきました。

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