オリヴィエ・ラトリー オルガン・リサイタル

2017年7月23日[日]

©Deyan Parouchev

紀元前まで遡れる長いオルガン音楽の歴史の中でも、最も華麗で、音響の色彩美を追求したのが、近代フランスのオルガン音楽である。その命脈は今日まで受け継がれ、優れたオルガニストが輩出され続けている。そんなフランスの伝統を継承する、現代の第一人者がオリヴィエ・ラトリ―だ。彼は23歳の若さで、850年の歴史を持ち19世紀初頭にはナポレオンが戴冠式を行ったパリのノートルダム大聖堂の正オルガニストに、抜擢されるほどの才人だ。
ラトリ―が水戸公演のために用意したプログラムは、自国フランスのオルガン作品を基調としながらも、オルガン音楽の長い歴史と地域的な広がりを体現するかのように、ヴァラエティに富んでいる。幕開けは16世紀後半頃のルネサンス音楽。作曲者は不明だが、オランダからフランスにかけて育まれた舞曲に基づく作品である。続いて、17世紀フランス・バロック音楽の巨匠リュリと同時代ドイツのケルルの作品。プログラムの前半を締めくくるのは、ドイツ・バロック期のオルガン音楽の頂点に立つJ.S.バッハの作品だ。しかし、こうした時代の流れを遮断して、ラトリ―はJ.S.バッハ作品の前とさらに後半の2曲目に現代作曲家の作品を置いた。ラウヴィックは1952年生れのノルウェーのオルガニスト・作曲家。モバリーは1954年生まれのアメリカの作曲家。どちらもオルガンと磁気テープのために書かれた作品である。伝統的な作品の間にこれらの現代曲を差し挟むことによって、ラトリ―は異なる音響空間の創出を試みる。モバリー作品の前後に演奏されるのは、フランス近代のオルガン音楽を代表するデュプレとアランの作品。そして演奏会の掉尾を飾るのは、ノートルダム大聖堂のミサの最後に奏されることもある、時に劇的に表出されるラトリ―の真骨頂とも言える即興演奏。
 ラトリーが、水戸芸術館のオルガンの特質を生かすべく作り上げたプログラムを、どうぞお楽しみいただきたい。


【出演】
オリヴィエ・ラトリー(オルガン)

【曲目】
ソールトの写本より:7つの舞曲
リュリ(ジョフロワ編曲):メヌエット
  〈イシス〉より序曲、〈テセウス〉より行進曲
ケルル:「かっこう」によるカプリッチョ
ラウクヴィック:MM ~オルガンとテープのための
J.S.バッハ:オルガン協奏曲 ニ短調 BWV596(原曲:ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲)
アラン:リタニ
モバリー:臨界質量~オルガンとテープのための
デュプレ:前奏曲とフーガ ト短調 作品7
ラトリー:即興演奏

▼料金

【全席指定】A席3,000円、B席2,000円、ユース(25歳以下)1,000円
●17:30開場 18:00開演

チケットの取り扱い

水戸芸術館
・エントランスホール・チケットカウンター
・チケット予約センター 029-231-8000
・ウェブ予約 http://arttowermito.or.jp/tickets/ticket.html

e+(イープラス)http://eplus.jp(PC・携帯)
MUSIC SHOPかわまた 029-226-0351
ヤマハミュージックリテイリング水戸店 029-244-6661

●チケット発売開始日時
運営維持会員:2017年4月25日[火]9時30分
友の会会員:2017年4月26日[水]9時30分
一般:2017年4月29日[土]9時30分


▼プロフィール

©Deyan Parouchev

オリヴィエ・ラトリー Olivier Latry

オルガン Organ

オルガニストとして世界的な巨匠であるフランス出身のオリヴィエ・ラトリーは、華麗なるテクニックを持ち、思慮深く冒険心に富んだ音楽家である。並外れた才能に溢れた即興演奏家としても知られ、オルガン音楽のあらゆる可能性を切り拓いている。
23歳にしてパリ・ノートルダム大聖堂の首席オルガニストに任命され、2012年よりモントリオール国立管弦楽団の名誉オルガニストを務めている。またフィルハーモニー・ド・パリ、ゲヴァントハウス、ウィーン楽友協会、ブダペスト芸術宮殿、ロイヤル・フェスティバルホール等著名なホールへの出演は数多く、ソリストとしても、フィラデルフィア管、ボストン響、フィルハーモニア管弦楽団、ロッテルダム・フィル、シドニー・フィル、ウィーン放送響、香港フィル、トロント響、モントリオール響、フランス国立響などに定期的に出演し、チョン・ミョンフン、アンドリス・ネルソン、エサ=ペッカ・サロネン、ステファヌ・ドゥネーヴ、ファビアン・ガベル、クリストフ・エッシェンバッハ、ケント・ナガノ、エド・デ・ワールト、ユッカ=ペッカ・サラステなどの指揮者と共演している。
近年のハイライトとしては、2014年にカイヤ・サーリアホ作曲オルガンとオーケストラのための『地球の影』をモントリオール交響楽団、リヨン国立管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団と初演、2015年にマイケル・ガンドルフィ作曲オルガン協奏曲をボストン交響楽団と初演した。また、2017年にはブノワ・メルニエ作曲のオルガン協奏曲がブリュッセルのパレ・デ・ボザールで初演されることになっている。2016年初頭、フィルハーモニー・ド・パリに新しく設置されたリーガー・オルガンでのリサイタル・プログラムがワーナー・ミュージックに録音された。同年5月には、ラジオ・フランス新コンサートホールのグレンツィング・オルガンの設置にも深く関わった。2017-18年シーズンにはドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団のアーティスト・イン・レジデンスを務めることが決まっている。
 フランス・オルガン音楽のレパートリーに精通しており、ドイツ・グラモフォンにオリヴィエ・メシアンのオルガン作品全曲を録音し、パリ、ロンドン、ニューヨークでパリ、ロンドン、ニューヨークでリサイタルもおこなった。セザール・フランクの全休もドイツ・グラモフォンに録音している。その他の録音としては、サン=サーンスのオルガン協奏曲をクリストフ・エッシェンバッハ指揮フィラデルフィアと協演し、オンディーヌ・レーベルからリリースしている。近年、過去から現代に至るパリ・ノートルダム大聖堂オルガニストの作品を集めた「パリ・ノートルダム大聖堂のオルガン3世紀」と題するCDをナイーフに録音した。
ガストン・リテーズに師事したオリヴィエ・ラトリーは、現在、母校パリ国立高等音楽院教授を務めている。また、2000年Prix de la Fondation Cino et Simone Del Duca賞(フランス研究所)など、国際的に著名な賞を数多く受賞している。2006年、ノース&ミッドランズ音楽学校と英国王立音楽院から「名誉学位」を授与された。2009年4月にアメリカ・オルガニスト協会の国際演奏家年間賞、2010年にはモントリオールのマギル大学より名誉音楽博士号を授与された。


▼公演概要

公演名

オリヴィエ・ラトリー オルガン・リサイタル


会場

エントランスホール


開催日

2017年7月23日[日]


主催

公益財団法人 水戸市芸術振興財団


制作協力

公益財団法人 武蔵野文化事業団